工事担任者

工事担任者の最上位資格!総合通信を解説

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工事担任者資格のなかでも総合通信は、第一級デジタル通信と第一級アナログ通信の両方の資格をあせもつ資格です。デジタルとアナログの両方の通信関連工事を担当でき、工事担任者の中でも最上位の資格となります。

この記事では、工事担任者総合通信の資格概要をはじめ、試験内容や合格率、勉強方法などを解説します。

工事担任者 総合通信の概要

まずは、工事担任者 総合通信の概要について紹介します。

そもそも工事担任者とは?

工事担任者とは、アナログ電話回線やデジタルデータ回線などの電気通信回線と、端末設備などを接続する際に必要な資格です。

電気通信事業者の回線にパソコンやIP電話機、OA機器、防犯システムなどを接続する工事や、企業内LANのネットワーク配線工事などを行います。

工事担任者 総合通信でできること

工事担任者には、デジタルデータ回線を扱うデジタル通信資格と、アナログ電話回線を扱うアナログ通信資格があります。

デジタル通信はデジタル伝送路設備の端末設備などの接続工事ができる資格です。一方、アナログ通信は電話回線などのアナログ通信の端末設備の工事が可能になる資格です。

総合通信では、これら2つの工事がどちらも可能です。また工事範囲にも第一級デジタル通信と第一級アナログ通信の範囲に及ぶため、幅広い通信関連の工事に携わることができます。

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工事の規模に関わらず工事を担うことが可能なため、大規模なオフィスのような現場でも活躍の場があります。

工事担任者 総合通信の試験科目

総合通信に限らず、工事担任者はどの種別の3科目の試験となっています。ただし、種別ごとに各科目の出題範囲が変わります。

工事担任者 総合通信の出題範囲は以下の通りです。

電気通信技術の基礎(基礎科目)

項目 細目 具体例
電気工学の基礎 電気回路 直流回路、交流回路、電磁誘導、静電容量、交流電力、合成インピーダンス等
電子回路 半導体素子、集積回路、ダイオード・トランジスタ回路、増幅回路、発振回路、変復調回路、A/D・D/A変換回路等
論理回路 論理式とシンボル、論理回路と入出力信号、データの表現(16進数、10進数、2進数)、フリップ・フロップ、基本論理演算等
電気通信の基礎 伝送理論 伝送量の単位、特性インピーダンス、反射とインピーダンス整合、伝送品質(漏話、ひずみ等)、伝送速度、光の性質等
伝送技術 伝送方式、アナログ変調、デジタル変調、パルス変調、光変調、増幅技術、多重化方式、多元接続技術、通信評価指標等

端末設備の接続のための技術及び理論(技術・理論科目)

項目 細目 具体例
端末設備の技術 電話機等 電話機等の概要及び内部動作等
PBX等 PBX等の概要及び内部動作、PBXの電源設備方式、無停電電源装置(UPS)の機能と構成等
ISDN端末機器 ISDN端末機器の概要及び内部動作等
ONU、DSLモデム等 ONU、DSLモデム、ケーブルモデム等の概要及び内部動作等
IP電話機(VoIPルータを含む) IP電話機の概要及び内部動作等
IP-PBX等 IP-PBX等の概要及び内部動作、IP-PBX等の電源設備方式、無停電電源装置(UPS)の機能と構成等
エリアネットワーク エリアネットワークの概要及び内部動作(LAN、PoE、IoTネットワーク、ホームネットワーク、PLC、サーバ、ルータ等)、近距離無線通信(無線LAN、無線PAN、LPWA、プライベートLTE、ローカル5G等)等
その他の端末機器 その他の端末機器(スマートメータ、センサ等)の概要等
電磁妨害・雷サージ対策 電磁妨害等による故障と原因、電磁妨害等の対策、雷サージと対策、ノイズ対策等
総合デジタル通信の技術 ISDNインタフェース ISDN基本インタフェース及び一次群速度インタフェースの概要等
接続工事の技術 事業用電気通信設備 ネットワーク設備の概要(機能、構成)、アクセス設備の概要(機能、構成)等
アナログ電話回線の工事と工事試験 アナログ電話回線の配線概要、屋内配線ケーブル・材料と工具、アナログ電話回線の工事と工事試験、トラブルシューティングの概要等
PBX等の工事と工事試験 PBX等の配線ケーブル、PBX等の工事用材料と工具、PBX等の工事と工事試験、接地の種類と接地工事、トラブルシューティングの概要等
ISDN回線の工事と工事試験 基本ユーザ・網インタフェースの配線構成、ISDNケーブルと配線材料、DSU、TA等の端末装置、ISDN工事と工事試験、トラブルシューティングの概要等
ブロードバンド回線の工事と工事試験 光ファイバケーブルとメタリックケーブルの概要、光ファイバケーブルのコネクタ接続技術、メタリックケーブルのコネクタ接続技術、構内情報配線システムの概要(JISX5150等)、近距離無線による接続技術、ブロードバンド回線の工事材料、ブロードバンド回線の設計、ブロードバンド回線の工事、ブロードバンド回線の工事試験、トラブルシューティングの概要等
エリアネットワークの設計・工事と工事試験 エリアネットワーク配線と設備の基礎、エリアネットワークの工事材料、エリアネットワークの設計、エリアネットワークの配線・設備の工事と工事試験、エリアネットワーク構成機器(スイッチ、ルータ、無線LAN機器、PC等)の工事及びセットアップと試験、トラブルシューティングの概要等
IP-PBX等の設計・工事と工事試験 IP-PBX等の工事と設備の基礎、IP-PBX等の工事材料、IP-PBX等の装置設計、IP-PBX等の配線・設備の工事と工事試験、接地の種類と接地工事、トラブルシューティングの概要等
工事の設計管理・施工管理 工事の設計管理、工事の施工管理(品質管理、原価管理、工程管理、安全管理、工事関連法令等)等
端末設備等の運用管理・保守管理技術 端末設備等の運用管理技術、端末設備等の保守管理技術等
トラヒック理論 トラヒック理論 呼の性質、出線能率、即時式トラヒックと待時式トラヒック等
ネットワークの技術 データ通信技術 データ通信の技術、データ伝送の技術、パケット交換の技術、トラヒック制御技術、QoSの技術等
ブロードバンドアクセスの技術 ブロードバンドアクセス方式の概要、光アクセス技術、メタリックアクセス技術、CATVシステム技術、ネットワークトポロジ等
IPネットワークの技術 IPネットワークの概要、IPネットワークの関連プロトコル、IP-VPNの技術、 IP電話ネットワークの概要、IP電話関連プロトコルの概要、IP電話での音声品質、IPセントレックスの概要、 インターネットの概要、アプリケーション関連プロトコルの概要(電子メール、Webアクセス等)等
広域イーサネットの技術 広域イーサネットのネットワーク構成、広域イーサネットの機能、広域イーサネットの技術等
その他のネットワーク技術 クラウドコンピューティング、エッジコンピューティング、仮想化技術等
情報セキュリティの技術 情報セキュリティの概要 脅威と攻撃の種類と対策、マルウェアと対策、不正アクセスと対策等
情報セキュリティ技術 暗号化技術、電子認証技術、デジタル署名技術、アクセス制御と認証、アカウント管理等
端末設備とネットワークのセキュリティ 端末設備でのセキュリティ問題、端末設備のセキュリティ対策、ネットワークセキュリティ等
情報セキュリティ管理 情報セキュリティポリシーの策定と運用、情報セキュリティ管理体制と運用体制、個人情報管理、設備情報等の情報漏洩管理等

端末設備の接続に関する法規(法規科目)

項目 細目
電気通信事業法及びこれに基づく命令 電気通信事業法
電気通信事業法施行規則
工事担任者規則
端末機器の技術基準適合認定等に関する規則
端末設備等規則
有線電気通信法及びこれに基づく命令 有線電気通信法
有線電気通信設備令
有線電気通信設備令施行規則
不正アクセス行為の禁止等に関する法律
電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命令

引用:電気通信国家試験センター  試験科目と出題範囲

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以上が総合通信の出題範囲となります。工事担任者で総合通信が一番難しいと言われるのはこの範囲の広さにあります。

工事担任者 総合通信の試験科目免除について

先ほど紹介した通り、総合通信の出題範囲は非常に広くなっています。

しかし、工事担任者の試験には科目免除制度があります。しかも、学歴や実務経歴、取得済みの資格や過去の受験結果などさまざまな条件での科目免除制度があるので、制度をうまく使いましょう。

認定学校を修了または修了見込みでの科目免除

認定学校は、電気通信に関する教育課程のある学校が主な対象になります。具体的には、高等学校、専門学校、大学が範囲になります。

ただし、総合通信では高等学校を修了していても科目免除にはなりません。高等学校の修了で免除されるのは、第二級アナログ通信及び第二級デジタル通信の基礎科目となります。大学や専門学校を修了していれば基礎科目が免除されるケースが多いです。

実務経歴による科目免除

科目免除される実務経歴とは、端末設備又は自営電気通信設備を電気通信回線設備に接続することに係る(接続することを想定している)工事を指します。

ただし、電気通信回線設備の構築工事や電気通信回線設備に接続されない工事、また端末設備等に関する保守や運用作業は実務経歴として認められないため、ご注意ください。

実務経歴によっては、基礎科目と技術科目の免除が可能です。技術および理論科目の免除を希望する場合は、種別の対象となる工事が必要です。

取得済み資格での科目免除

他の工事担任者の種別、または第一級陸上無線技術士や電気通信工事施工管理技術検定合格者などの関連性のある資格を所持している場合は、免除の対象となります。

詳細は、電気通信国家試験センター 免除科目 総合通信のページをご覧ください。

過去の受験で科目合格している場合の科目免除

過去に受験の経験があり一部の科目で合格している場合は、その科目の試験が免除されます。

ただし、科目合格による試験免除の申請ができるのは、科目合格した試験の行われた月の翌月の初めから起算して3年間ですので、ご注意ください。

全科目免除の場合もある

工事担任者には、全科目免除制度もあります。これは認定校の修了や実務経歴、過去の試験での科目合格などの複数の免除項目の条件をクリアすることで可能です。

この場合は、試験申し込み時に全科目免除用の申請が別途必要です。なお受験の必要はありません。

工事担任者 総合通信の試験概要

ここからは、工事担任者 総合通信試験のスケジュールや難易度について解説します。

総合通信試験のスケジュール

総合通信の試験日は、他の工事担任者の種別と同様に春頃と秋頃の年2回あります。例年の申し込み受付期間と試験日のスケジュールは次のとおりです。

試験スケジュール
No 項目 第1回 第2回
1 申し込み受付期間 2月上旬~3月上旬 8月上旬~9月上旬
2 試験日 5月中旬〜下旬 11月中旬〜下旬
3 合格発表 6月中旬 12月中旬

出典:電気通信国家試験センター

令和6年度の試験日は、2024年5月19日(日曜日)と2024年11月24日(日曜日)です。

工事担任者 総合通信の難易度

以下は過去数回分の工事担当者総合通信の試験合格率です。ここでは科目免除を受けた人別の合格率を掲載しています。3科目受験が

年度 令和4年度
第1回
令和4年度
第2回
令和5年度
第1回
令和5年度
第2回
令和6年度
第1回
3科目受験 13.7% 12.1% 13.5% 15.5% 12.3%
2科目受験 19.4% 24.6% 20.8% 19.0% 17.5%
1科目受験 70.0% 76.3% 67.9% 70.0% 65.3%
全体合格率 28.6% 30.3% 27.5% 29.4% 25.8%

出典:電気通信国家試験センター 統計情報

これらを見ると、3科目全て受験した人や2科目受験した人の合格率は10%〜20%程度となっており、大変低くなっています。ただし、1科目のみで受験した人の合格率は60%〜70%と大幅に高くなっています。

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工事担任者試験では科目免除制度が豊富にあるため、もし条件が整う場合は積極的に使っていきましょう。

工事担任者 総合通信の受験申込について

総合通信の受験申し込みは、インターネットから申請が可能です。

電気通信主任技術者資格/工事担任者資格(定期試験)にアクセスし、アカウントがない場合はまずアカウントを作成してください。すでにアカウントをお持ちの方はログインをしてから試験種別を選択してください。

申し込みが受理されてから、試験日の2週間前までにマイページへアクセスし、受験票を印刷してください。

令和5年度第2回試験より受験票の送付は廃止されたのでご注意ください。

その際に受験票に記載されている内容に間違いがないかしっかり確認しておきましょう。

総合通信の試験手数料と支払い方法

総合通信の試験手数料は、以下のとおりです。表中の全科目とは、「基礎」、「技術」、「法規」の3科目を指します。

令和6年8月1日から料金が変更になるのでお気をつけてください。

<旧手数料>

No 工事担任者 総合通信 試験手数料(令和6年7月31日まで)
1 受験する方 8,700円(非課税)
2 全科目免除を申請する方 5,600円(非課税)

<新手数料>

No 工事担任者 総合通信 試験手数料(令和6年8月1日から)
1 受験する方 14,600円(非課税)
2 全科目免除を申請する方 9,400円(非課税)

出典:電気通信国家試験センター

試験手数料の支払い方法は、Pay-easy(ペイジー)・コンビニで払いの2種類です。団体で受験をする場合はバウチャーが使用可能です。

まとめ:工事担任者 総合通信に挑戦しよう

自慢のSAT教材の内容をぜひご確認ください。

工事担任者の総合通信は、この1つの資格で電話線、光回線、CATV、放送設備など、電気通信事業に関わる幅広い設備工事に携わることが可能になります。

求められる知識も広くなるため、工事担任者の中で難易度は一番高いですが、工事担任者は科目合格制度が充実しているので、うまく活用して試験の合格を目指しましょう。

総合通信の勉強方法はさまざまありますが、オンラインの通信講座がおすすめです。

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