電気通信工事施工管理技士とは 電気通信工事分野の専門的な技術者
電気通信工事施工管理技士は、インターネット回線や固定電話、携帯電話などの電気通信設備系の工事現場における施工管理者の資格として、令和元年に新設された建築業法第27条に基づく国家資格です。新設された国家資格のため、過去問が他の施工管理技士の試験と比べて多くありません。そのため、資格取得のためには過去問主体の勉強法がしづらいという特徴がありますので、テキストと問題集に加えて予想問題への取り組みも重要です。

電気通信工事の計画や工事の監督、終了までをすべて把握し実行することができ、安心して現場の指揮を任せることができる人と見なされます。有線LANを張り巡らせたり、基地局を設置したりと様々な通信工事を担当することになります。
級による違いとは 電気通信施工管理技術検定 1級と2級の違いについて
- ・1級は専任技術者、主任技術者、監理技術者に就くことができる!
- ・2級は専任技術者、主任技術者に就くことができる!
1級と2級の作業範囲の違い、また令和6年度から変更された新受験資格も確認していきましょう。
1級電気通信工事施工管理技士
- ・電気通信工事において、特定建設業の専任技術者、一般建設業の主任技術者および監理技術者に就くことができます。
専任技術者とは、都道府県知事より許可を受けた電気通信工事業において、営業所において配置する必要がある役割のことです。電気通信工事施工管理技士の有資格者、また所定の実務経験年数がある人だけが専任技術者として認められます。
監理技術者とは、建設一式工事で総額8,000万円以上、それ以外で5,000万円以上の大規模工事において、現場に配置する必要がある役割です。主任技術者は監理技術者を必要としない、中小規模の工事現場にそれぞれ配置する必要があります。 - ・経営事項審査で有資格者一人あたりに対して5点取得できます。
経営事項審査とは、国や自治体の公共工事を請け負う際に必要な審査のことです。 - ・技士補を取得すると、監理技術者の補佐を務めることができます。
技士補とは第一次検定の合格者に与えられる資格のことです。
新受験資格
第一次検定のみの受験者
試験年度中における年齢が19歳以上の者
第一次検定・第二次検定受験者
・2級第二次検定合格後の実務経験5年以上
・2級第二次検定合格後の特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
第二次検定のみの受験者
1級電気通信工事施工管理技術検定第一次検定合格者 |
1.1級 第一次検定合格後の実務経験5年以上 2.1級 第一次検定合格後の特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上 3.1級 第一次検定合格後の監理技術者補佐としての実務経験1年以上 |
2級電気通信工事施工管理技術検定第二次検定合格者で、かつ、1級電気通信工事施工管理技術検定第一次検定合格者 |
1.2級 第二次検定合格後の実務経験5年以上 2.2級 第二次検定合格後の特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上 |
2級電気通信工事施工管理技士
- ・電気通信工事において、一般建設業の専任技術者・主任技術者を務めることができます。(監理技術者を務めることはできません。)
- ・経営事項審査で有資格者一人あたりに対して2点取得できます。
- ・技士補の資格を得ても実務的な役割はありません。
新受験資格
第一次検定のみの受験者
試験年度中における年齢が17歳以上の者
第一次検定・第二次検定の受験者
電気通信主任技術者資格証交付後、又は電気通信主任技術者試験合格後、実務経験1年以上
第二次検定のみの受験者
2級電気通信工事施工管理技術検定第一次検定合格者 |
2級 第一次検定合格後の実務経験3年以上 |
1級電気通信工事施工管理技術検定第一次検定合格者 |
1級 第一次検定合格後の実務経験1年以上 |
電気通信主任技術者資格証の交付を受けた者、または電気通信主任技術者試験合格者で、2級または1級電気通信工事施工管理技術検定第一次検定 合格者 |
電気通信主任技術者資格証交付後、または電気通信主任技術者試験合格後、実務経験1年以上 |
受験資格について 旧受験資格をメインに解説!
令和6年度試験より受験資格が改正されました。ただ旧受験資格についても令和10年度試験まで適用可能となっています。ここでは旧受験資格について確認していきましょう。
1級電気通信工事施工管理技士
第一次検定・第二次検定受験者、第二次検定のみの受験者
受験資格区分(イ)最終学歴卒業後の実務経験年数
学歴と資格 | 電気通信工事施工管理に関する必要な実務経験年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
・大学 ・専門学校の「高度専門士」 |
卒業後3年以上の実務経験年数 | 卒業後4年6ヶ月以上の実務経験年数 |
・短期大学 ・高等専門学校(5年制) ・専門学校の「専門士」 |
卒業後5年以上の実務経験年数 | 卒業後7年6ヶ月以上の実務経験年数 |
・高等学校 ・中等教育学校(中高一貫6年) ・専修学校の専門課程 |
卒業後10年以上の実務経験年数 | 卒業後11年6ヶ月以上の実務経験年数 |
その他(学歴を問わず) | 15年以上の実務経験年数 |
上記の実務経験年数には1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていることが必要です。
受験区分(ロ)2級電気通信工事施工管理技術検定第二次検定合格者の実務経験年数
学歴と資格 | 電気通信工事に関する必要な実務経験年数 | ||
指定学科 | 指定学科以外 | ||
2級電気通信工事施工管理技術検定第二次検定合格者 | 合格後 5年以上の実務経験年数 | ||
2級電気通信工事施工管理技術検定第二次検定合格後、実務経験が5年未満の者 | ・高等学校 ・中等教育学校(中高一貫6年) ・専修学校の専門課程 |
卒業後 9年以上の実務経験年数 | 卒業後 10年6ヶ月以上の実務経験年数 |
その他(学歴を問わず) | 14年以上の実務経験年数 |
上記の実務経験年数には1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていることが必要です。
受験区分(ハ)電気通信主任技術者資格証の交付を受けた者
6年以上の実務経験年数(この実務経験年数には1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていることが必要です。)
受験区分(ニ)専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者
学歴と資格 | 電気通信工事に関する必要な実務経験年数 | ||
指定学科 | 指定学科以外 | ||
2級電気通信工事施工管理技術検定第二次検定合格後、実務経験が3年未満の者 | ・短期大学 ・高等専門学校(5年制) ・専門学校の「専門士」 |
卒業後 7年以上の実務経験年数 | |
・高等学校 ・中等教育学校(中高一貫6年) ・専修学校の専門課程 |
卒業後 7年以上の実務経験年数 | 卒業後 8年6ヶ月以上の実務経験年数 | |
その他(学歴を問わず) | 12年以上の実務経験年数 | ||
その他 | ・高等学校 ・中等教育学校(中高一貫6年) ・専修学校の専門課程 |
卒業後 8年以上の実務経験年数 | 卒業後 11年以上の実務経験年数 |
その他(学歴を問わず) | 13年以上の実務経験年数 |
受験資格区分(ホ)指導監督的実務経験年数が1年以上、主任技術者の資格要件成立後、専任の監理技術者の指導のもとにおける実務経験が2年以上ある者
学歴と資格 | 電気通信工事に関する必要な実務経験年数 |
2級電気通信工事施工管理技術検定第二次検定合格者 | 合格後 3年以上の実務経験年数 |
・高等学校 ・中等教育学校(中高一貫6年) ・専修学校の専門課程 |
指定学科を卒業後8年以上の実務経験年数 |
2級電気通信工事施工管理技士
第一次検定・第二次検定受験者、第二次検定のみの受験者
学歴と資格 | 電気通信工事に関する必要な実務経験年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
・大学 ・専門学校の「高度専門士」 |
卒業後 1年以上の実務経験年数 | 卒業後 1年6ヶ月以上の実務経験年数 |
・短期大学 ・高等専門学校(5年制) ・専門学校の「専門士」 |
卒業後 2年以上の実務経験年数 | 卒業後 3年以上の実務経験年数 |
・高等学校 ・中等教育学校(中高一貫6年) ・専修学校の専門課程 |
卒業後 3年以上の実務経験年数 | 卒業後 4年6ヶ月以上の実務経験年数 |
その他(学歴を問わず) | 8年以上の実務経験年数 | |
電気通信主任技術者資格証の交付を受けた者 | 1年以上の実務経験年数 |
試験について 試験概要やスケジュール、合格率
1級は年に1回、2級は年に2回試験があります。令和7年度の試験の日程スケジュール、試験概要(試験科目)、合格率について確認していきましょう。
1級管工事施工管理技士の試験スケジュール

2級管工事施工管理技士の試験スケジュール
前期(第一次検定のみ)

後期(第一次検定のみ、第一次検定・第二次検定同日受験、第二次検定のみ)

1級電気通信工事施工管理技士の試験概要
1級電気通信工事施工管理技士の試験概要は以下の通りです。
第一次検定
【試験時間】午前:2時間30分 午後:2時間
【試験内容】
検定科目 | 検定基準 |
電気通信工学等 | 1.電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な電気通信工学、電気工学、土木工学、機械工学及び建築学に関する一般的な知識を有すること。 2.電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な有線電気設備、無線電機通信設備、放送機械設備等(以下「電気通信設備」という。)に関する一般的な知識を有すること。 3.電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な設計図書に関する一般的な知識を有すること。 |
施工管理法 | 1.監理技術補佐として、電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識を有すること。 2.監理技術者補佐として、電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること。 |
法規 | 建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関する一般的な知識を有すること。 |
【合格基準】得点が60%以上 かつ検定科目(施工管理法(応用能力))の得点が40%以上
第二次検定
【試験時間】2時間45分
【試験内容】
検定科目 | 検定基準 |
施工管理法 | 1.監理技術者として、電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。 2.監理技術者として、設計図書で要求される電気通信設備の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気通信設備の施工図を適正に作成し、及び必要な機材の選定、配置等を適切に行うことができる応用能力を有すること。 |
【合格基準】得点が60%以上
2級電気通信工事施工管理技士の試験概要
2級電気通信工事施工管理技士の試験概要は以下の通りです。
第一次試験
【試験時間】2時間10分
【試験内容】
検定科目 | 検定基準 |
電気通信工学等 | 1.電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な電気通信工学、電気工学、土木工学、機械工学及び建築学に関する概略の知識を有すること。 2.電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な電気通信設備に関する概略の知識を有すること 3.電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な設計図書を正確に読み取るための知識を有すること |
施工管理法 | 1.電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する基礎的な知識を有すること。 2.電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な基礎的な能力を有すること。 |
法規 | 建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関する概略の知識を有すること。 |
【合格基準】得点の60%以上
第二次検定
【試験時間】2時間
【試験内容】
検定科目 | 検定基準 |
施工管理法 | 1.主任技術者として、電気通信工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。 2.主任技術者として、設計図書で要求される電気通信設備の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気通信設備の施工図を適正に作成し、及び必要な機材の選定、配置等を適切に行うことができる応用能力を有すること。 |
【合格基準】得点が60%以上
1級電気通信工事施工管理技士の合格率(過去3年間)
1級電気通信工事施工管理技士の直近3年間の合格率は以下の通りです。
実施年 | 第一次検定 | 第二次検定 |
令和6年度 | 40.5% | 40.9% |
令和5年度 | 51.2% | 37.0% |
令和4年度 | 54.5% | 37.4% |
2級電気通信工事施工管理技士の合格率(過去3年間)
2級電気通信工事施工管理技士の直近3年間の合格率は以下の通りです。
実施年 | 第一次検定 | 第二次検定 |
令和6年度 | 68.6% | 53.2% |
令和5年度 | 59.9% | 36.3% |
令和4年度 | 59.1% | 35.6% |
講座の内容と教材について解説! 講座内容
電気通信工事施工管理技士のサンプル動画
市販の参考書だけでは解説しきれない細かいポイントなども一つずつ丁寧に解説しています。講師が説明している言葉をすべて文章にすると膨大な量になりますが、動画であれば効率的に必要な知識を学ぶことができます。施工管理技士講習会で大変人気のある講師です。
記述問題答案事例集。効率良く合格を目指すには「ゼロから自力で作成しない」
施工管理技士試験で多くの方が悩まされる記述問題。
筆記試験だけの知識では当然合格できず、教材やテキストだけの勉強では対策できません。
現場で経験した事を「読み手に的確に伝えることが重要」なのですが、決まった答えがあるわけでは無いため、自身の力だけで正解を出すのは一苦労。
いきなりゼロから答案を作成するのではなく「合格レベルの答案」を元に作成をSATでは推奨しています。
電気通信工事施工管理技士 教材内容

※画像は講座に含まれる教材の一部です。
※テキスト等の冊子は配送いたします。
講義時間約44時間
教材内容 |
e-ラーニング講座 |
DVD講座 |
e-ラーニング+DVD講座 |
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講座ガイダンス | ● | ● | ● |
テキスト冊子① 208ページ |
● | ● | ● |
テキスト冊子② 132ページ |
● | ● | ● |
テキスト冊子③ 102ページ |
● | ● | ● |
過去問題集 5年間分 |
● | ● | ● |
動画視聴 ・基礎講座DVD8枚 ・過去問題DVD14枚 |
- | ● | ● |
動画視聴 ・eラーニング (DVDと同じ時間数) |
● | - | ● |
スマートEシステム ・講義音声ダウンロード ・講師への質問 ・確認問題 など |
● | ● | ● |
値段 | 34,800円 (税込 38,280円) |
39,800円 (税込 43,780円) |
44,800円 (税込 49,280円) |
- ※DVDとe-ラーニングの講義内容は全く同じです
- ※e-ラーニングの視聴期限は2026年12月31日まで
- ※質問サポート期限は2026年12月31日まで
- ※標準学習期間は1年間です
※画像は講座に含まれる教材の一部です。
※テキスト等の冊子は配送いたします。
講義時間 約7時間
※二次e+DVD講座のみ教育訓練給付制度対象講座です。
教材内容 |
e-ラーニング講座 |
DVD講座 |
e-ラーニング+DVD講座 |
---|---|---|---|
講座ガイダンス | ● | ● | ● |
テキスト冊子 54ページ |
● | ● | ● |
過去問題集 5年間分 |
● | ● | ● |
記述問題添削3回 | ● | ● | ● |
記述問題添削答案集 | ● | ● | ● |
動画視聴 ・基礎講座DVD2枚 ・過去問題DVD5枚 |
- | ● | ● |
動画視聴 ・eラーニング (DVDと同じ時間数) |
● | - | ● |
スマートEシステム ・講義音声ダウンロード ・講師への質問 など |
● | ● | ● |
値段 | 34,800円 (税込 38,280円) |
39,800円 (税込 43,780円) |
44,800円 (税込 49,280円) |
- ※DVDとe-ラーニングの講義内容は全く同じです
- ※e-ラーニングの視聴期限は2026年12月31日まで
- ※質問サポート期限は2026年12月31日まで
- ※標準学習期間は1年間です
電気通信工事施工管理技士の勉強方法とは 学習のポイント
電気通信工事施工管理技士試験には第一次検定と第二次検定の両方に合格する必要があり、それぞれ別の試験対策が必要となります。
しかし、電気通信工事施工管理技士は最近新しくできた試験のため、過去問が他の施工管理技士の試験と比べて多くありません。
そのため、過去問題主体の勉強法は他資格よりも難しいといった面があります。試験対策にはテキスト・問題集を活用し、予想問題も積極的に取り組みましょう。
第2次検定は記述問題が出題されます。記述問題の添削ができるような教育機関を受講することが望ましいでしょう。
勉強法の比較
電気通信工事施工管理技士の勉強法のメリット、デメリットを以下にまとめました。
独学 | SAT | |
メリット | ・自分のペースで勉強ができる ・お金を節約して勉強ができる |
・オンラインで動画講義を視聴でき、スキマ時間に勉強を進めることができる ・第二次検定の記述式の回答を送れば添削をしてくれる ・分からないところを質問することができる(無料は10回まで。その後は有料) |
デメリット | ・分からないところの質問ができない ・第二次検定の記述の添削が受けられない |
・出題頻度が低い箇所については、説明が少ない ・動画の視聴に通信量が必要 |
独学での勉強は費用が抑えられますが、質問が出来なかったり記述添削が受けられなかったり、その分デメリットがあります。対してSATの教材は、独学より費用が掛かりますが、分からないところの質問ができたり記述添削を受けることが出来たりと、合格に必要なサービスを受けることができます。