第三種電気主任技術者

電験三種に独学で合格出来るのか?勉強法や注意点などを徹底解説

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電験三種は国家資格である「最三種電気主任技術者試験」の略称です。ビルや工場、大型商業施設などに設置されている5万ボルト未満の電気設備を管理するためには、この資格が必須となります。

電験三種は理論・電力・機械・法規の4科目から構成されています。合格率は9%前後で、難易度が高い試験です。必要な勉強時間は約1,000時間といわれており、約9ヶ月前後の時間が掛かります。

独学で勉強しようとする方も多いものの、決して安易な道ではありません。そこで本記事では、独学で勉強するメリット・デメリット、おすすめの勉強方法、独学に向いている人などを徹底解説していきます。

1.電験三種の試験対策を独学でするメリット・デメリット

電験三種を独学で勉強する上でのメリット・デメリットについてご紹介します。どちらが多くあてはまるかをチェックしてみてください。

1–1.独学のメリット

1−1−1.コストが掛からない

専門学校に通う場合、最低でも20万円以上のコストがかかります。例えば資格学校で有名なTACでは25万円以上します。しかし、独学なら比較的ローコストで勉強することが可能です。しっかり自己管理ができれば、2万円前後で合格できるでしょう。コストをかけずに資格取得を目指す方にはおすすめです。

1−1−2.自分の好きなタイミングで始められる

教室に通う必要もないので、自分の予定に合わせられます。自己管理やスケジュール管理が得意な方はストレスフリーで勉強することが可能です。毎日こつこつ継続することが得意な方であれば問題なく学習を進められるでしょう。

1−2.独学のデメリット

1−2−1.モチベーションの維持がむずかしい

独学の場合、スケジュール管理が上手くいかない、スムーズに内容が理解できないことが続くと、モチベーションが低下しやすい点には注意が必要です。一旦モチベーションが低下してしまうと、なかなか自分の力だけで向上させることが難しいといえます。人間は言い訳の天才です。​あれこれと理由をつけて、挫折してしまう方が本当に多くいます。

1−2−2.独学であるため、試験の傾向を見ていても適切だとは限らない

電験三種は他の試験と異なり、同じ問題は出題されませんので解法を暗記する方法では絶対に合格できません。​これまでの試験傾向や問題形式を把握していても、勉強方法が適切でないと時間の浪費となってしまう可能性があります。​つまり勉強した気になっていて、本質から理解できていない可能性もあります。

独学で勉強するには自己管理、スケジュール管理、モチベーションの維持など必要な要素が多くあります。専門学校と比較すると安価であるものの、その分時間がかかることを理解しておきましょう。

2.電験三種試験の独学での勉強方法

電験三種を独学で勉強する方法は主に3つあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

2−1.参考書で独学をする

一番コストがかからない方法です。必要なのは参考書代のみなので、最低でも2万円あれば4科目分をそろえることができます。解説と問題集がセットになっている参考書が多いため、応用を学ぶことも可能です。

ただし、解説を読んでも理解できない場合は最もつまずきやすいのが独学です。モチベーションの維持が最も困難になるでしょう。

2−2.動画教材で独学をする

eラーニングやDVDを視聴して学ぶことができます。eラーニングであれば、移動時間などのスキマ時間を利用して視聴できるため、時間の節約にもつながります。また、解説がわかりやすいので理解速度も早まります。

しかし、動画を視聴するだけでは理解したつもりになっても合格はできませんので、過去問題にご自身で取り組むなどは必要です。

2−3.両方を使って独学する

参考書で理解できなかった部分を動画教材で補うと良いでしょう。少しコストは高くなりますが、専門学校に通うよりも安価で合格に近づけます。

組み合わせることによって参考書と動画教材での独学のデメリットを補えるため、大幅な時間の節約になるためおすすめです。

3.おすすめの参考書・動画教材

独学で欠かせない参考書と動画教材を紹介します。あなたの学力レベルや予算に合わせて、適切なものを選定しましょう。

3−1.電験三種の参考書3選

3−1−1電験三種みんなが欲しかったシリーズ


教科書と問題集がまとめられているシリーズです。フルカラーで図解が多いためわかりやすく、電気について学ぶ初心者にはうってつけとなっています。問題数も豊富なため、この1冊で合格を狙うことができます。

3−1−2電験三種これだけシリーズ


初心者ではなく、電気について知識がある人向けの参考書です。出題率が低い範囲もきっちり解説されているので、今後電験2種、1種も視野に入れている方にはぴったりです。

3−1−3電験三種受験テキスト完全マスターシリーズ

電験三種を満点で合格したい方におすすめです。基礎知識を学ぶというよりも、電気の知識を網羅した辞書のような参考書です。この内容を完全に理解できれば、間違いなく合格できるでしょう。

3−2.電験三種の動画教材3選

3−2−1.SAT

SATでは3つのコースを選ぶことができます。eラーニング講座、DVD講座、もしくは両方を兼ね備えたコースの3つです。どのコースを選んでも、テキスト・と問題集・模擬試験と学習管理ができるEラーニングシステムがついています。4科目セット購入者は最低30回まで無料で質問することができます。

また通信教育最大の弱点である、続かないをEラーニングシステムと目標達成法の世界的権威である「原田メソッド」との業務提携により克服しているのが特徴ですので、一人で全て進めることに不安を持っている人におすすめだといえるでしょう。

3−2−2.日本エネルギー管理センター事務局

センターで開講された授業の録画を、期間中に動画を見ることが可能です。テキストは配布されないものの、最低39,800円からと比較的安価です。動画教材をなるべく低コストで手に入れたい方におすすめです。

3−2−3.東京電気技術教育センター

有料の講座が開講されているものの、動画だけであれば無料で視聴することが可能です。参考書でつまづいた箇所を動画でカバーすることができるので、積極的に利用すると良いでしょう。

また、動画教材の利用を悩んでいる方は、一度東京電気技術教育センターの動画を視聴してから検討することをおすすめします。

3.合格に向けて独学で勉強する際の注意点はなに?

独学で合格を目指す際、注意したいのが参考書の選定とモチベーションの維持です。

3−1.テキストの内容の理解が出来るかどうか

動画教材は初心者にもわかりやすく解説されていることが多いものの、参考書はそうとはいえません。電験三種のテキストは、選ぶ教材によって難易度が異なります。例えば、初心者向けのものもあれば、電気に対する知識を既に幅広く保有している人に向けたものなどにわかれます。

また、テキストによる学習は内容が分らなかったとしても解決できる術はなく、自分で理解するしかありません。そのため、解説の内容が理解できるものかどうかが非常に重要となります。書店で一度内容を確認してから、購入することをオススメします。

3−2.モチベーションの維持、スケジュール管理

スケジュール計画、そしてその実行とモチベーションの管理が独学に欠かせません。電験三種の勉強に要する時間は約1,000時間、管理は決して簡単ではないといえるでしょう。加えて、勉強の進み具合やスケジュール進捗に左右されやすいモチベーションを維持する必要があります。独学は自分との戦いになるため、継続力や自己管理能力が乏しい方は独学は難しいといえるでしょう。

3−3.実務経験や関連業務で基礎知識や仕事のイメージを具体的に持っている

具体的な仕事のイメージを持つことは、試験勉強において非常に重要です。電験三種資格取得で「どういった業務が可能になるのか」、「どのような業務を行いたいのか」、「キャリアアップをしたいのか?​」、「周囲の人が喜んでくれるのか?」など​、イメージできる場合は問題ないものの、資格取得後の自分がイメージできない場合は意欲が下がりやすいといえます。

4.電験三種資格の勉強を独学で行うのに向いてる人とは?

電験三種が1,000時間の学習を要する資格であることを踏まえてスケジュール管理が得意な人、モチベーション維持に長けている方は独学がおすすめです。理論・電力・機械・法規の全てで60%の正答率を確保しなければならないことから、各科目の足りない部分を把握し、自分の弱点を克服しながら継続的に学習を進めていくといった学習スタイルが必須です。特にスケジュール管理ができなければ、独学はできません。継続的に物事を進めるのが好きな方も独学は苦にはならないでしょう。

また、電験三種は膨大な学習時間を要するものであり、心が折れやすい・独学そのものが苦手である方などは他の勉強方法を考慮しましょう。すでに決められたカリキュラムで進めたい方、講師などからサポートを受けたい方はeラーニングや通信講座での勉強がおすすめです。

5.まとめ

独学で合格を目指すことは十分可能です。しかし、4科目を網羅しようとすると膨大な時間を要します。その間、スケジュール管理が滞りなく行われ、モチベーションを維持する必要があります。しっかりと自分をコントロールできる自信がなければ、独学は成り立たないでしょう。

現在は安価なeラーニングや通信講座も多くなってきているので、自信がない方は独学以外の勉強方法も視野に入れることを考慮し学習を進めていきましょう。

 

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