資源問題に対応するために誕生した資格 エネルギー管理士は、省エネ対策のスペシャリストとなるための国家資格
エネルギー管理士は、限りある資源を有効に活用することを目的に、省エネ推進のために生まれた国家資格です。
大量の燃焼を使用する工場では、燃料を効率的に利用するために、エネルギー管理者を配置することが省エネ法で規定されています。
また、環境保全のために、工場から排出される工場排水や二酸化炭素などの排出量にも規制があり、エネルギー管理が規定値以下となるように指導にあたります。
エネルギー資源の問題は世界的な課題でもあり、日本では省エネ法が施行されるなど、省エネ政策が進んでいます。
このような状況下で、法的にも、企業倫理においても、エネルギー管理士に対する需要は年々上昇しています。
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今後の需要はさら拡大する見通し
省エネ法の規定もあり、有資格者を必要する企業は多いのですが、慢性的に人材が不足しているため求人が絶えない状態が続いています。
今後の見通しでは、現在よりもさらに省エネ化が進み、有資格者に対する需要は、さらに拡大していくことが予想されています。
昇進や収入アップが期待できる
資格取得による恩恵は、昇給や収入面で現れることが少なくありません。
特に収入面では、資格手当てを支給している企業が多いため、結果を即時に実感できることになります。支給額は、企業によって異なりますが、毎月1万円前後が相場と言われており、無資格時と比べて、年収が数十万円アップすることも不思議ではありません。
省エネ化推進の補助金や助成金を受けることが可能
省エネ設備を新規導入する場合の省エネ補助金や、二酸化炭素の削減に向けた助成金など、一定の条件を満たすと、国や自治体から補助金や助成金などの支援を受けることができます。
企業にとっては、省エネ化へ向かうことに収入面のメリットがあるため、エネルギー管理士を確保することに積極的な状況が生じています。
法律上、エネルギー管理指定工場にとって有資格者は不可欠
年間のエネルギー使用量が規定値以上となる工場は、エネルギー管理指定工場に指定されます。
エネルギー管理指定工場に該当する工場は、省エネ法により、1~4名のエネルギー管理士を選任することが義務付けられているため、有資格者は不可欠な人材となっています。
有資格者が担当する役割は、エネルギー管理企画推進者やエネルギー管理統括者などがあります。
独立開業も可能
省エネ化を推進する企業コンサルタントとして独立することも可能です。
エネルギー効率を改善することで、生産コストの軽減をすることや、助成金を利用した省エネ設備の導入や変更など、エネルギー管理者がアドバイスできる内容は数多くあります。
顧客企業とは中長期的に関わり改善をしていくため、安定した業績を上げている方が多いようです。
資格取得後、すぐにという訳にはいかないですが、企業に所属し十分な経験を積んだ後には、独立開業が可能です。
仕事内容 業務内容は、省エネ化を推進するための業務が中心となります。
01
エネルギーの管理と支援
エネルギー利用量を定期的に計測し、収集したデータを元に月次計画や年間計画などの作成や、改善策の提案や指導にあたります。
社内に常駐して業務を行う場合のほか、依頼を受けて顧客先で業務を行う場合もあります。
どのような場所でも、実際の稼働状況を確認し、エネルギー管理の提案と支援をする能力が求められます。
02
省エネ設備の設計
省エネの専門家として、設備の開発業務に携わります。
エネルギー効率や運用コストのほか、二酸化炭素などの排気量などの試算予測をし、省エネ効率の高い設備開発に参加します。
主に開発の計画段階で必要とされる仕事ですが、開発途中では試作品の効果検証などを担当します。
03
設備管理業務
設備管理の業務は、資格が必要である場合がほとんどです。
エネルギー管理士も設備管理の業務で必要とされる資格のひとつで、ビルや商業施設のほか、工場などにおいて、熱源設備の定期点検や運転管理などの業務を行います。
比較的、大規模な熱源設備や、ハイスペックな設備でエネルギー管理支援業務を行います。