建築施工管理技士

2級建築施工管理技士の3つのメリット-1級との違いも解説

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施工管理技士とは、建築工事現場にて監督や進行の管理を行うことができる国家資格です。

一般住宅、中小規模の建築工事現場では、多くの2級建築施工管理技士が活躍しています。

この記事では、「2級建築施工管理技士」を取得する3つのメリットと「1級建築施工管理技士」との違いについて解説しています。2級建築施工管理技士の仕事内容や、資格試験のハードルについてチェックしましょう。

2級建築施工管理技士とは

建築施工管理技士とは、建築工事現場において施工管理や監督を行う技術者の資格で、建設業法で定められた「施工管理技術検定」に合格した者を指しています。

建築施工管理技士は、工事の工程表などの資料の作成、品質の管理などを行う仕事です。

まずは、2級建築施工管理技士とはどんな資格なのか、仕事内容と合わせて見ていきましょう。

2級建築施工管理技士とはどんな資格?

施工管理技士には、建築施工管理技士、土木施工管理技士、電気施工管理技士など全部で7種類の資格があります。

それぞれに1級2級があり、2級建築施工管理技士はその中の1つです。

2級建築施工管理技士の資格試験は従来は年1回でしたが、2017年度からは、需要増加に伴い、年2回実施されることになりました。

また、2017年度までは2級建築施工管理技士の取得試験「施工管理技術検定」は、「建築」「躯体」「仕上げ」の3つの分野に種別が分れていましたが、2018年度からは受験種別は廃止され、共通の試験として実施されています。 学科試験の出題内容は、建築・躯体・仕上げに関する共通問題と、受検種別を問わず必要となる施工法に関する共通問題が出題されます。

学科試験に合格したら、実地試験の受験をします。

実地試験は自由記述式の筆記試験となり、学科のマークシートとは違って、自分の言葉で分かりやすく説明する必要があります。

ただし、実地試験の内容は、学科試験の応用で答えられるものが多いことが特徴です。

1級と2級の施工管理技術検定の違い

1級と2級では、施工管理技術検定の内容にどのような違いがあるのでしょうか。

まず、1級建築施工管理技士においては試験区分はないため、実際の業務内容に制限はありません。1級の学科試験では建築学、施工管理法、法規に関する問題が出題され、資格取得後は全ての業務を担当することができます。

一方で、2級建築施工管理技士の試験の場合は、3つの分野別に試験が分かれているため、1つの分野のみの合格では全ての業務に携わることができません。

また、1級と2級では受験資格にも違いがあります。2級建築施工技士の受験資格については次のセクションで説明しますが、1級は2級よりも実務経験の必要年数が増えます。

2級建築施工管理技士の受験資格

2級建築施工管理技士を受験するには、受験資格があるので注意しましょう。

建築系の学科などの指定学科を受講した大学を卒業後、1年以上の実務経験が必須条件となっています。最終学歴が高等学校の方は、実務経験3年で受験資格を得ることができます。

2級建築施工管理技士の仕事内容

ここからは、2級建築施工管理技士の仕事内容を見ていきましょう。

2級建築施工管理技士は、建設現場において、現場の工程管理や品質管理、安全管理を行います。

現場の技術者や職人の監督や指導をすることも大切な仕事です。

その他にも、発注者との打ち合わせ、施工計画を作成し、資材の発注、予算管理など、仕事内容は幅広く任されます。

2級建築施工管理技士は工事全体の進行の管理、監督をする責任のある仕事といえます。

2級建築施工管理技士と1級建築施工管理技士の仕事内容に大きな違いはありません。

ただし、2級建築施工管理技士と1級建築施工管理技士では対応できる仕事の範囲が異なります。

2級施工管理技士ができる仕事の範囲

2級建築施工管理技士ができる仕事の範囲は、1級建築施工管理技士とは異なり、様々な制限があります。

2級建築施工管理技士が担当できる現場は、請負金額4,000万円以下の中小規模の建設工事が中心です。一戸建て住宅の請負会社に勤める方は、2級建築施工管理技士の資格があれば十分に対応できるでしょう。

1級建築施工管理技士と2級建築施工管理技士の仕事の違い

4,000万円以上の規模の大きい建設現場になると、1級建築施工管理技士の資格が必要になります。

1級建築施工管理技士が工事を請け負うことができる規模に制限はありません。

例えば、超高層マンション、大型商業施設、公共施設といった多くの施工、安全管理、品質管理、工事の進捗管理に関わることができます。

また、2級建築施工管理技士は主任技術者までの資格となり、監理技術者にはなることはできません。監理技術者とは、大規模な工事で多数の下請業者を使う際に必要な有資格者をいいます。

一方で、1級建築施工管理技士の場合は、主任技術者と監理技術者にもなることができます。

そのため、2級建築施工管理技士が大規模な施工に携わる場合は、設計監理を行う1級建築士と一緒に業務を進行する必要があります。

2級施工管理技士のメリット

ここからは、2級建築施工管理技士の資格を取得する3つのメリットについて見ていきましょう。

様々な活躍の場がある

2級建築施工管理技士には、工務店、ハウスメーカー、建設会社など、活躍の場が多くあります。

建築施工管理技士の資格取得者は常に需要が高く、少子高齢化に伴って人材の価値が高まっています。

さらに近年は、建設業の耐震補強問題、施工不良などが指摘されており、2級建築施工管理技士の重要性が見直されているのです。

施工技術や管理能力を重要視する建設会社にとっては、貴重な人材として評価されるところがメリットです。

責任のある仕事を任せてもらえる

2級建築施工管理技士の資格を取得すると、建設工事現場で主任技術者として従事することができます。

責任のある仕事を任せてもらえるので、やりがいを感じられますし、知識や管理能力を持ち合わせている証明になり、仕事を発注してもらう際のアピールにもなります。

そのため、2級建築施工管理技士の資格を保有すると、昇給や昇進、高収入、社会的評価の向上にも繋がります。 

受験資格のハードルが1級よりも低い

2級建築施工管理技士は1級建築施工管理技士よりも取得のハードルが低く、チャレンジしやすい資格です。

2級建築施工管理技士の受験資格である実務経験年数は、指定学科の大学卒業後、1年間です。また、最終学歴が高等学校の人も実務経験3年で受験資格を得ることができます。

一方で、1級建築施工管理技士の場合は、指定学科の大学卒業後、3年以上の実務経験、最終学歴が高等学校の場合は10年以上となります。

最終的に1級建築施工管理技士の資格取得を目指す方も、まずは、2級建築施工管理技士の資格を取得する価値はあるでしょう。

まとめ

今回は、2級建築施工管理技士になる3つのメリットと資格概要についてご紹介しました。

2級は1級と比較すると業務内容に差があるように見えますが、実際に2級の活躍の場は多くあります。

2級建築施工管理技士の資格を取得していると責任ある仕事を任されて、やりがいも感じられるでしょう。

1級建築施工管理技士よりも実務経験のルールが厳しくないため、まずは2級建築施工管理技士をめざしてみてはいかがでしょうか。

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