電気工事施工管理技士

1級電気工事施工管理技士の合格率は?2級や他の資格との比較

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1級電気工事施工管理技士は、電気工事や建設現場などで現場責任者として働くために必要な資格の1つです。電気系資格の中でも品質管理や作業管理に関わる内容が多く「電気以外の知識を身に付けるのは得意じゃない・・」といったように苦手意識を持っている方もいるのではないでしょうか。

しかし、1級電気工事施工管理技士は決して難易度の高い資格ではなく、試験範囲と内容を適切に捉えて勉強を続ければ、合格も視野に入ります。

この記事では、1級電気工事施工管理技士の概要や難易度、2級電気工事施工管理技士との比較、おすすめの勉強方法についてお伝えします。

1級電気工事施工管理技士とは

電気工事施工管理技士は、電気工事の現場を管理するために必要な資格です。資格の種類は、1級電気工事施工管理技士と2級電気工事施工管理技士に分かれていて、担当できる業務や現場範囲に違いがあります。

1級電気工事施工管理技士の資格を保有していると、「一般・特定建設業の営業所に必要な専任技術者」「工事現場に必要な主任技術者」といった仕事に就くことができます。

仕事内容は、主に電気工事や建設現場などの安全管理や品質管理、作業管理といった管理業務です。また、監理技術者の受験資格が得られるのも大きな特徴です。ちなみに監理技術者の資格は、外注総額4,000万円以上の工事現場に必要です。

2級電気工事施工管理技士とは、技術者・現場責任者として管理業務ができる範囲に関して大きく異なっています。また、2級資格を保有している場合は、「一般の営業所に必要な専任技術者」「工事現場に必要な主任技術者」といった業務・役割に限られています。

特定建設業の営業所で主任技術者として働くことや、監理技術者の資格取得はできません。

1級電気工事施工管理技士を取得している場合は、2級電気工事施工管理技士の資格取得は不要です。

1級電気工事施工管理技士の合格率

続いては、1級電気工事施工管理技士の合格率をお伝えします。1級電気工事施工管理技士の平均合格率や、2級電気工事施工管理技士との比較を行うので、難易度の参考にもしてみてください。

平均合格率は45~70%程度

▼1級電気施工管理技士の合格率推移(%)

例年、1級電気工事施工管理技士の平均合格率は45~70%で推移しています。平成30年度では学科56.1%、実地74.7%と50%以上の合格率です。また、過去の合格率は学科試験が40%台で推移していて、実地試験は60~70%台の推移と学科と実地に差があります。

令和元年度については学科の記録のみが公開されていて、40.7%と多少下がっていますが過去の平均合格率に近い数値です。

1級電気工事施工管理技士の試験は、学科試験と実地試験の2種類に分かれていますが、どちらも筆記試験のみで構成されています。

学科試験は「法規(法律)」「施工管理法」「電気工学」といった内容で、実地試験は「施工管理法」に関する項目から出題されるのが特徴です。また、学科試験は90問中60問を選びマークシート形式で回答する仕組みとなっていて、実地試験は5問すべて記述式で回答します。

2級電気工事施工管理技士との比較

▼2級電気工事施工管理技士の合格率推移(%)

2級電気工事施工管理技士の平均合格率は、40~60%台で推移しているのが特徴です。2級電気工事施工管理技士と比較すると、1級電気工事施工管理技士は学科試験の合格率が低い傾向です。しかし、実地試験は高い合格率となっています。

一般的に資格は、1級と2級で合格率が大きく変わりますが、1級電気工事施工管理技士と2級電気工事施工管理技士はどちらも50%前後と、比較的近い数値で横ばい傾向推移です。

電気工事に関連する仕事に就いている方は、電気工事士などの資格を取得していたり作業経験があったりするので、各項目を理解しやすいと考えられます。また、1級電気工事施工管理技士の受験資格の1つは、実務経験年数15年以上と現場経験が豊富であると、2級電気工事施工管理技士の資格不要で受験可能です。

2級電気工事施工管理技士は、電気工学など各分野の基礎内容が多いため、1級電気工事施工管理技士と比較して難易度は下がります。

現場管理に関する勉強をこれから始める場合は、2級電気工事施工管理技士の取得を目指して、基礎から身に付けるのもおすすめです。

他の施工管理技士との比較

1級電気工事施工管理技士と電気工事士の合格率に、大きな違いはありません。第一種電気工事士の平成29年度の合格率は学科試験47.0%、実技試験63.5%と実技試験が高い数値です。

また、第二種電気工事士の合格率は学科試験59.1%、実技試験68.8%と第一種電気工事士よりも5~10%程高い傾向です。

電気工事士の場合は1級電気工事施工管理技士の試験と違い、文字通り実技試験があったり出題分野が違ったりするため単純に比較できません。ただ、電気工事士は一般的に100~300時間の学習時間に対して、1級電気工事施工管理技士は300~500時間程度の時間は必要です。

そのため電気工事士と比較して1級電気工事施工管理技士の方が、難易度は高いと考えられます。

電気工事士の他にも代表的な電気系の資格といえば、電気主任技術者(電験)も有名です。

電気主任技術者は難関資格の1つで、低い合格率で推移しています。また、電験3種から2種、1種と難易度が上がっています。

1種の合格率は一次試験23.9%、二次試験14.1%で、2種の合格率は一次試験23.5%、二次試験14.8%、そして3種は8.1%とどれも低い数値です。

1級電気工事施工管理技士は、電気工事の施工管理や品質管理、安全管理に関する知識を身に付ける資格です。

しかし、電気主任技術者は、電気工学や数学に関する応用分野の知識や計算技術が求められ、さらに3,000~5,000時間と膨大な学習時間が必要です。

単純に比較できないものの、学習時間や出題範囲という点で1級電気工事施工管理技士の方が、取得しやすいと考えられます。

1級電気工事施工管理技士に合格するための勉強方法

ここからは、1級電気工事施工管理技士に合格するために、どのような勉強方法を行えばいいのか勉強方法をお伝えします。

過去問題と復習を繰り返す

1級電気工事施工管理技士は、過去問題を繰り返し勉強しましょう。過去問題はWeb上でも公開されているため、問題集と合わせて多数の問題を解くことができます。

また、過去問題や問題集を何度も解くことで、出題傾向や自分の得意な項目や苦手な項目を少しずつ把握できるようになります。

休日出勤や残業で忙しく繰り返し問題を解く時間が少ないといった場合は、特に苦手な項目や間違えやすい問題を集中的に整理したり、解き直したりしてみましょう。単に答えを確認するのではなく、なぜ間違ったのか考えながら復習します。

間違える理由を自分なりに把握しながら何度も解くことは、漠然とした苦手意識を解決するために大切です。

通信講座を利用する

独学で勉強することが苦手な場合や、仕事など諸事情で十分な学習時間を確保できない場合は、通信講座を利用してみましょう。

テキストをまとめた通信講座は出題範囲を体系的にまとめていたり、模擬試験や問題集も用意したりしているので、独学よりも効率よく学習できます。また、多くの通信講座では、添削サービスもあるため、どのように改善すればいいのかアドバイスももらえます。

他にも動画を活用した通信講座があり、たとえばSATの通信講座はテキストとDVD、eラーニングシステムと呼ばれるweb動画を活用しています。

動画は、視覚的に分かりやすいだけでなく講師が説明してくれる映像もあるため、重要なポイントを絞って学習しやすいのが魅力です。

このように動画を活用した通信講座を利用することで、長期間の独学が難しい方も出題傾向を覚えたり知識を身に付けたりできます。

まとめ

1級電気工事施工管理技士は、難しいイメージのある資格ですが合格率40~70%と比較的高い傾向です。学習方法としては、繰り返し参考書を読んだり過去問を解いたりすることで、少しずつ出題傾向を把握します。また、独学が難しい場合は、通信講座を利用して効率よくポイントを押さえながら知識を定着させましょう。

1級電気工事施工管理技士を持っていれば、電気工事や建設現場などで現場責任者として働くことができますし、昇給や手当なども期待できます。

是非自分に合った学習方法を見つけて、1級電気工事施工管理技士の試験に挑戦してみましょう。

SATのWeb講座なら、分かりやすい講義動画で、どこでも手軽に学習できます。

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