電験三種(第三種電気主任技術者)の試験において、数学の知識は必要不可欠です。数学は得意不得意が分かれる科目で、苦手な方は数学を克服する必要があります。
しかし、苦手意識をどう克服すればいいのか、どのように勉強すればいいのか、悩む方も多いことでしょう。
こちらでは、数学の苦手克服方法と、電験三種試験に向けた数学の基礎の習得方法について解説します。
目次
電験三種試験で出題される数学の特徴
電験三種試験で出題される数学の特徴と、必要な数学の基礎は次の通りです。
電験三種試験の数学の特徴
電験三種試験は、「理論・電力・機械・法規」の4科目で構成される試験です。4科目をそれぞれ受験し、各科目で合格して初めて電験三種試験に合格したことになります。
計算問題は比率が少ない科目で4割、多い科目で8割と、電験三種試験には数学の知識が欠かせません。
計算問題がこれほどまでに多いのは、電気の性質上、大きさや量を数値で表さなければならないことが背景にあります。
とはいえ、実際に必要な数学のレベルは「高校1年生程度」です。電験三種試験の計算に必要な知識を習得すればいいので、苦手克服も十分可能といえるでしょう。
電験三種試験の数学で必要な基礎
ここでは、電験三種で使う数学の基礎知識について解説します。
四則演算
四則計算とは、「足し算」「引き算」「掛け算」「割り算」のことです。
数学というより算数の分野ですが、これが正確にできることが第一です。計算ミスをしないように慣れておきましょう。
分数
電験三種の試験では、分数の計算が頻出します。
これも四則計算同様小学校で習う範囲ですが、ルールがあやふやになっている方もいるでしょう。
数学から離れている方は、まず分数のルールを思い出しましょう。
三角関数
三角関数は高校2年生で習う範囲です。文系に進んだ場合だと三角関数を習っていないこともあります。
電験三種では、三角関数を理解していないと解けない問題もあります。三角関数の基礎から勉強しましょう。
指数
指数とは、数字の右上に乗っている数字であり、一定の法則で計算をします。
計算自体は四則演算ですが、指数法則が解っていないと解けません。
指数は中学校の数学で習いますが、忘れている方は指数法則の暗記からはじめましょう。
ベクトル
ベクトルは、物理で習う向きと大きさのある数のことです。交流回路の計算問題で出題されるので、必ず理解しておきましょう。
ベクトルが理解できないと、理論や電力の計算問題が解けません。
複素数
複素数は、実数と虚数を組み合わせたもので、実数a+bに対してa+biで表すことができます。
電気数学では複素数が頻繁に登場しており、使いこなせれば非常に便利です。
各科目別の必要な数学の分野は?
理論
四則演算と分数が特に多く、次いで指数、三角関数、ベクトル、複素数の順です。
問題は基礎レベルですが、すべての数学の知識が求められます。
また、交流回路の抵抗の問題では三平方の定理、過渡現象では電験二種レベルの微分方程式が必要です。
電力
四則演算と指数が多くを占めており、その他に分数と三角関数も出題されます。
必要とする基礎が限られるうえに、問題数が少ないことも電力の計算問題の特徴です。
機械
四則演算と分数、指数が中心で、三角関数とベクトルは1問ずつの出題です。
同期発電機の電圧では三平方の定理、論理回路の真理値表・カルノー図と論理式ではブール代数の知識が求められます。
とはいえ、機械の計算問題も基礎的な内容なので、基礎を身に付ければ十分解けるでしょう。
法規
法規の計算問題では、四則演算と指数、分数の知識に限られます。
問題数自体も少ないので、得点源となるように重点的に勉強しましょう。
数学の基礎を身に付けられる勉強方法
電験三種で必要な数学の知識は基礎的なものですが、苦手な方にとっては難しいと感じるはずです。そこで、数学の苦手意識を克服し、基礎を身に付ける勉強方法について紹介します。
苦手意識を捨てることが重要
苦手意識を捨てる方法とは、とにかく手を動かして、問題を実際に解くことです。数学が苦手な人は、公式や解き方を暗記するだけで、実際に問題を解かないケースが実は多いのです。
計算問題の練習をくり返し行ううちに、分からない問題が理解できるようになると、知識として頭にインプットされます。
電験三種で数学を使うのは計算問題が中心なので、練習を重ねれば苦手意識は必ず克服できるはずです。
数学が苦手な人の勉強の始め方
苦手克服には手を動かすことも大切ですが、いきなり計算問題に着手することは避けましょう。数学が苦手な人は、小学校、中学校、高校などにレベルダウンをして、基礎を新たに積み上げることが有効です。
また、電験三種試験の計算は主に電気に関する計算をするため、電気の記号も合わせて覚えると効果的です。大きさをあらわす量記号、数値に付ける単位記号は必ず覚えましょう。
計算でよく使う公式のオームの法則は、「電圧=抵抗×電流」と日本語に訳すと覚えやすくなります。また、倍数をあらわす接頭語を覚えると、計算中の桁間違えを予防できたり、単位記号と区別できたりと、計算問題がより楽になるのでおすすめです。
どうしても難しいならEラーニングが最適
数学の基礎を身に付けるのは独学でも可能ですが、どうしても理解できないことが多い場合、Eラーニングの講座で勉強する方法がおすすめです。
Eラーニングとは、インターネットのシステム上で動画を視聴し、専用のテキストを併用して勉強する仕組みです。
動画では各科目の詳しい解説があるので、参考書や問題集で独学するよりも理解度がアップします。
ただし、動画は実際の試験内容に沿った内容なので、基礎ができていないうちは後回しにするのが得策でしょう。
Eラーニングのカリキュラムでは、数学が苦手な方に向けた、基礎的な講座を用意している通信講座があります。
例えば通信教育のSATでは、「猫でも分かる電気講座シリーズ」を電験三種講座の購入者に提供しており、数学を「分数」レベルから学習可能です。
Eラーニングでは講師の講義を視聴できるので、独学で勉強するよりも早く基礎を身に付けられるはずです。
またSATの講座の場合、どうしても分からないところがある場合は講師にZOOMで質問することが可能です。数学に関する内容はもちろんですが、それ以外の内容でも構いません。また、勉強の進め方や試験に関する心構えなども直接聞くことができます。
数字の基礎を一通り勉強したら、本格的な講義に移り、計算問題を中心に練習すると効率的な勉強ができるでしょう。
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電験三種の数学に関するまとめ
[sc_fs_multi_faq headline-0=”h3″ question-0=”電験三種試験で必要な数学の分野は?” answer-0=”電験三種の試験で必要な数学の分野は、小学校~高校卒業程度まで幅広いです。
高校で物理や数学を選択しているならば理解も早いですが、数学1しか選択しなかった場合は、まず高校数学を理解するところからはじめましょう。数式を丸暗記するだけでは得点できません。” image-0=”” headline-1=”h3″ question-1=”電験三種の数学の勉強方法は?” answer-1=”電気数学に対して理解があるならば、過去問や模擬問題をどんどん解いていきましょう。
公式を覚えて応用力をつけることが大切です。理解ができるが計算が慣れていない人も同様です。
電験三種の試験は電卓が使えますが、早く正確に式を解ける訓練を積みましょう。” image-1=”” headline-2=”h3″ question-2=”数学な苦手な人はどうすればよい?” answer-2=”数学が解らない場合は、解らないところまで遡りましょう。
電気数学、もしくは高校数学の参考書を購入し、その問題を解いてみてください。特に、三角関数、ベクトル、複素数は理解していないと計算ができません。
また、法則も必ず覚えましょう。そうすれば過去問も解けるようになります。” image-2=”” count=”3″ html=”true” css_class=””]