電験三種は、難しい資格の1つです。4科目全ての合格が必須であり、各科目とも難関です。そのため、いくら頑張っても資格が取れないとお悩みの方もいるでしょう。
試験に合格するには、効果的な学習と万全の準備が欠かせません。とりわけ理論の科目は、他の科目の基礎となりますから大変重要です。本記事では理論の科目に合格するための勉強方法をお教えします。
目次
電験三種「理論」の合格率
電験三種(第三種電気主任技術者試験)は、どの科目も合格率が低いことが特徴です。電気技術者試験センターが公表したデータをもとに、過去10年の理論の合格率を示しました。
試験実施年度 | 合格率 (科目合格者のみ) |
合格率 (4科目合格者含む) |
---|---|---|
令和元年度 | 13.7% | 18.4% |
平成30年度 | 11.6% | 14.8% |
平成29年度 | 15.5% | 19.4% |
平成28年度 | 14.6% | 18.5% |
平成27年度 | 14.4% | 18.1% |
平成26年度 | 13.4% | 17.4% |
平成25年度 | 10.8% | 14.3% |
平成24年度 | 15.3% | 18.4% |
平成23年度 | 9.8% | 11.9% |
平成22年度 | 15.1% | 19.6% |
上記のとおり、理論科目の合格率は以下の両方を合わせても10~20%程度と、難関資格並みに合格率が低いことがわかります。
・4科目合格となり、電験三種の資格を取得した方
・4科目全てに合格はできなかったものの、理論の科目には合格した方
電験三種「理論」を攻略する勉強方法
さきに説明したとおり、電験三種「理論」の合格率は難関資格並みに低いことが特徴です。したがって合格には、入念な準備が必須です。ここでは、電験三種「理論」を勉強する5つの方法を取り上げます。
テキストや教科書で学習する
電験三種「理論」の学習は、テキストや教科書での学習が基本です。これらはひととおり学ぶことはもちろん、間違った問題の理由を知る際にも使えます。
さまざまなテキストが市販されていますが、見やすくわかりやすいものを選ぶとよいでしょう。最近では色分けをしたものや、イラストを取り入れたテキストも出版されています。ぜひ店頭で手に取り、あなたに合ったものを選びましょう。
問題集や過去問題を解き、誤答の理由を確認する
テキストを読んだら、章ごとに問題集を解くとよいでしょう。また、テキストをひととおり読み終えた段階で過去問題を解き実力を試すことをおすすめします。
この際に注意すべき点は、正答率よりも間違った問題に注目することです。間違えた理由を知ることで理解度が増し、実力アップに結びつけることが可能です。
したがって、試験直前でもない限り正答率に一喜一憂する必要はありません。それよりも解説をよく読んで正しく理解し、次回は正答できるように努めることが合格への近道です。
動画など、試験対策のWebコンテンツを活用する
勉強を進めていると、時には「今日はテキストや問題集を見たくない」という日もあるかもしれません。代表的な例として仕事で疲れ切った日があげられます。また、電験三種のテキストや問題集はかさばりがちなため、通勤・通学時に持っていきたくない方もいるでしょう。
このような場合は、動画など試験対策用のWebコンテンツを活用する方法が有効です。例として講義形式の動画や、過去問題を掲載したWebページなどがあげられます。Webコンテンツの活用により、スマホ1つで試験対策を進めることも可能です。
電気の専門雑誌を活用する
電験三種の試験対策は、雑誌「新電気」でも頻繁に掲載されています。平成30年以降だけでも、以下にあげる特集が組まれています。
・電験三種 理論の超入門
・電験三種合格セミナー
・電験三種 直前予想問題
上記の特集では、試験に出る重要なポイントを確認できます。くわえて演習問題も用意されていますから、解いて解説を見ることで理解度をチェックし知識をアップできます。したがって、雑誌の活用も試験対策に有効な方法の1つといえるでしょう。
多くのメディアで勉強できるように準備する
ここまで解説したとおり、電験三種の理論を学習するにはさまざまな方法があります。一方で資格の取得までには、1日2時間の学習を360日続ける必要があることは留意しておくべきポイントです。理論だけに絞っても180時間の学習が必要ですから、すき間時間を見つけたら勉強する準備を整えておくことが求められます。
このため、書籍や雑誌、問題集だけでは時間を有効に活用できません。。スマホやPC、タブレットなど、多くのメディアを活用していつでも勉強できるよう、準備しておきましょう。
電験三種「理論」のおすすめ参考書
電験三種「理論」を学べる参考書はさまざまで、その内容は参考書ごとに工夫が凝らされているため大きく異なります。そのため、あなたに合った参考書を選ぶことが重要です。
ここではおすすめの参考書を3つ取り上げ、特徴を解説します。
みんなが欲しかった! 電験三種 理論の教科書&問題集
出版元は資格でおなじみの「TAC出版」です。フルカラーでイラストを豊富に使用しており、文系出身者でもわかりやすい説明が特徴です。また問題も難易度別に3つのランクに分かれていますから、取り組むべき優先順位を決められます。
また1つの参考書に教科書と問題集がセットされ、別々に分けられる点も見逃せません。教科書で学んだ内容を問題集でチェックできるため、実力アップに結びつけることが可能です。
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みんなが欲しかった! 電験三種 理論の教科書&問題集
完全マスター 電験三種受験テキスト 理論
出版元はオーム社です。特徴として試験に出るポイントを網羅し、詳しく説明していることがあげられます。内容が濃い一方で基礎的な内容の解説を省いているため、電気を専門的に学んだ方ややさしいテキストでは物足りない方におすすめです。また、イラストを豊富に活用していることで理解も進みます。
くわえて各章には練習問題がありますから、理解度の確認と弱点補強に活用でき、合格に向けて実力のアップが可能です。
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完全マスター 電験三種受験テキスト 理論
電験3種過去問題集
出版元は電気書院で、黄色で分厚い見た目から「電話帳」とも呼ばれています。1,200ページ以上にもおよぶ理由の1つに、10年間の過去問題を収録する点があげられます。しかしそれ以上に、解説が懇切丁寧というポイントは見逃せません。計算問題なら解答を導く過程を、用語などは不正解の選択肢についても詳しく解説しています。
また科目ごとに取り外せるため、持ち運びしやすいことも特徴の1つです。
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電験3種過去問題集
独学のサポートとして通信講座を使おう
電験三種は、五肢択一のマークシート試験です。そのため、独学で合格を目指すことは可能です。しかし独学は自分の意志が結果を大きく左右するため、「仕事で忙しく、時間が取れない」「内容が難しく、解説を何度読んでも理解できない」「勉強が面倒になった」という理由で挫折する方も少なくありません。
そのため、独学をサポートする方法として通信講座は有効です。通信講座の活用により、以下のメリットが得られます。
・プロの講師が監修を実施しているので、最短距離で合格を勝ち取れる
・不明な点は質問できる
・eラーニングやDVD教材など、動画で学べる講座もある
・添削が受けられる
・複数年のサポートが受けられるので、2年以上かけた受験も安心
電験三種の理論に合格するには、何よりも自分自身の意欲が重要です。しかし、独学だけと比べて通信講座を併用するとより合格に近づきやすくなりますから、ぜひ活用をご検討ください。
まとめ
電験三種の理論は、難しい試験です。しかし、勉強方法の工夫により合格に近づくことは十分に可能です。まずはあなたに合ったテキストを入手し、あせらず確実に学習を進めましょう。
また、独学だけでは途中で挫折しやすいものです。そのため、学習を進めるうえで通信講座の併用もおすすめです。質問を通して不明な点を解決できるのは通信講座ならではのメリットですから、ぜひ活用して合格を勝ち取りましょう。