低圧電気取扱業務特別教育は、講習機関が開催する会場での受講や出張講習を依頼して自社で開催する2つの方法が一般的です。
しかし、会場が近くにない方は、Web講座の詳細も一緒に確認しておくのがおすすめです。
そこで今回は、低圧電気取扱業務特別教育の受け方や学べる内容、講習機関について解説します。
目次
低圧電気取扱業務特別教育の講習概要
まず初めに、低圧電気取扱業務特別教育の概要を解説します。講習の概要や対象業務などをそれぞれ確認してください。
講習の概要
電気には、低圧や高圧といった区分が設けられていますが、低圧の電気は事業場や工場など一般作業者の周辺における電気機器に用いられています。
一見すると低圧よりも高圧の感電災害が多く感じますが、近年の感電災害は低圧電気による災害件数が高圧電気などによる件数を上回っています。
一般作業者にとっては高圧よりも低圧の電気を取扱う回数が多いこと、高圧よりも安易に考えられやすいことが原因としてあげられます。
そのため、低圧電気取扱業務は、労働安全衛生規則により「危険または有害な業務」に指定されています。
事業者は、労働者を作業に従事させる場合、特別教育を受講させなければいけません。
なお、低圧電気取扱業務を行う場合には、経済産業省の資格である電気工事士を取得していても、安全確保・事故防止のため、特別教育の修了が必要です。
対象業務
低圧電気取扱業務特別教育の対象業務は、次のとおりです。
No | 対象業務 |
---|---|
1 | 低圧の充電電路の敷設もしくは修理の業務 |
2 | 配電盤室、変電室など区画された場所に設置する低圧の電路のうち充電部分が露出している開閉器の操作の業務 |
対象業務の詳しい説明は安全衛生マネジメント協会のホームページにて記載があります。申込前に必ず確認しておきましょう。
低圧電気取扱業務特別教育の講習で学べること
低圧電気取扱業務特別教育の講習では、感電災害を防止するために、絶縁保護具の着用や停電作業の徹底といった必要な知識を勉強します。
現在、充電電路の敷設もしくは修理の業務、充電部分が露出している開閉器の操作といった業務は、労働安全衛生規則により「危険または有害な業務」に指定されています。
そのため、作業従事者は特別教育を受講しなければいけません。
特別教育は、学科と実技の2つが実施されますが、内容については次のとおりです。
学科 | ||
---|---|---|
項目 | 受講時間 | |
低圧の電気に関する基礎知識 | 1時間 | |
低圧の電気設備に関する基礎知識 | 2時間 | |
低圧用の安全作業用具に関する基礎知識 | 1時間 | |
低圧の活線作業および活線近接作業の方法 | 2時間 | |
関係法令 | 1時間 | |
実技 | ||
業務内容 | 項目 | 受講時間 |
充電電路の敷設もしくは修理の業務 | 低圧の活線作業および活線近接作業の方法 | 7時間以上 |
充電部分が露出している開閉器の操作の業務 | 1時間以上 |
上記が特別教育のカリキュラムです。
該当する業務によっては、実技の受講時間が異なるので注意しましょう。
では、低圧電気取扱業務特別教育を実施している機関は、どういったものがあるのでしょうか?
次のセクションでは、低圧電気取扱業務特別教育の実施機関について解説します。
低圧電気取扱業務特別教育の講習を実施している機関
ここでは、低圧電気取扱業務特別教育の講習を実施している機関について、いくつか解説します。それぞれの講習機関の受講費用や講習会場について確認してください。
東京労働基準協会連合会
東京労働基準協会連合会は、東京のみで講習を開催しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
受講料金 | 15,400円(税込、一般の金額)※別途テキスト代が必要です。 |
講習会場 | 東京都(安全衛生研修センター) |
申込方法 | 申込書またはネット申込 |
出張講習 | なし |
ホームページ | 低圧電気取扱業務に係る特別教育 講習会のご案内 |
東京労働基準協会連合会は実技講習も行っており、7時間以上の実技講習が受講可能です。そのため、講習は2日間となり、学科で1日、実技で1日実施されます。
関東電気保安協会
関東電気保安協会は、関東地方を中心に講習を開催しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
受講料金 | 10,230円(税込、一般の金額) |
講習会場 | 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県 |
申込方法 | ネット申込 |
出張講習 | なし |
ホームページ | 低圧電気取扱者安全衛生特別教育講習会 |
関東電気保安協会でも実技講習を行っていますが、こちらは1時間以上の実技となります。そのため、開閉操作以外の業務を行う場合は、追加で別途6時間以上の実技を行う必要があります。
自宅や会社で低圧電気取扱業務特別教育を受ける方法
講習会場に足を運ばず、自宅や会社で低圧電気取扱業務特別教育を受講する方法が1つあります。
それがWeb講座の受講です。ここでは、SATのWeb講座を参考にしてWebで特別教育を受けるメリットを3つ紹介します。
No. | Web講座で特別教育を受講するメリット |
---|---|
1 | 受講するのに場所を選ばない |
2 | 隙間時間を有効活用できる |
3 | 内容を何度も復習できる |
1.受講するのに場所を選ばない
SATのWeb講座は、動画講義を中心に進めるため、受講する際の場所を選びません。そのため、自宅や会社などの好きな場所で受講できます。
通常の特別教育であれば、県外に出張して受講しなければいけないケースもありますが、Web講座であれば、遠くに出張する必要がありません。
スマホやタブレット、パソコンなどの好きなデバイスで講義を見られますので、仕事と並行して受講を考えている方にとっては、非常に大きなメリットといえるでしょう。
2.隙間時間を有効活用できる
先ほど解説したとおり、動画講義は好きな場所で受講できます。
そのため、通勤途中の交通機関や会社の隙間時間などを有効活用できるのも魅力です。
通常の特別教育は、講習会場が決められているので、会場以外で特別教育の受講を進められませんが、動画講義であれば、自分の隙間時間で講習を受けられます。
毎日の隙間時間を上手く活用できるため、仕事が忙しい方でも計画的かつ効率的に特別教育を受講できるでしょう。
3.内容を何度も復習できる
SATのWeb講座は、受講期間内であれば動画を何度も見直しできます。
通常の特別教育であれば、講習会場にて説明があるだけですので、講義中は常に集中して臨まなければいけません。
聞き逃した内容については、テキストを用いて自分で解決する必要があります。しかし、Web講座であれば、好きな場所とタイミングで受講するため、長時間集中し続ける必要がありません。
わかりにくい項目については、動画講義を見直してじっくりと学習できます。
特別教育は、作業者の安全を確保するために実施されますので、講義内容を何度も見直せるWeb講座は、必要な知識を身に付けるうえで非常に効率的といえるでしょう。
低圧電気取扱業務特別教育はWeb講座が便利!
今回の記事では、低圧電気取扱業務特別教育の講習で学べる内容と実施機関、自宅や会社で受講する方法について解説しました。
低圧電気取扱業務特別教育は、作業に従事するために絶対受講しなければいけません。講習会場が多い機関もありますが、基本的には県外に出張して受講する方がほとんどです。
仕事が忙しく、自宅や会社の隙間時間を活用して受講したい方はWeb講座を受講しましょう。動画講義を用いて進められるため、効率よく講習を受講できます。