低圧電気は、さまざまな電気機器に用いられています。低圧電気の業務に従事する場合、「低圧電気取扱業務特別教育」を受講しなければなりません。
しかし、なぜ特別教育が必要なのか、特別教育で何を学ぶのかを知らない方も多いはずです。
この記事では、低圧電気取扱業務特別教育の講習を開催している全国各地の講習機関、受講の際の注意点、講習の概要について解説します。
目次
- 低圧電気取扱業務特別教育の受講内容
- 低圧電気取扱業務特別教育が受講できる全国の講習機関
- 【北海道・東北地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
- 【関東地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
- 【中部地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
- 【近畿地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
- 【中国・四国地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
- 【九州・沖縄地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
- 低圧電気取扱業務特別教育を受講するときの注意点
- 低圧電気取扱業務特別教育とは?
- 低圧電気取扱業務特別教育はオンラインの受講も可能!
- 低圧電気取扱業務特別教育は低圧電気の業務に必須!
低圧電気取扱業務特別教育の受講内容
低圧電気取扱業務特別教育では、学科と実技で以下の内容を受講します。
低圧電気取扱業務特別教育の受講内容 | |||
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学科 | 科目 | 受講内容 | 時間 |
1 | 低圧の電気に関する基礎知識 | 1 低圧電気の危険性 2 短絡 3 漏電 4 接地 5 電気絶縁 |
1時間 |
2 | 低圧の電気設備に関する基礎知識 | 1 配電設備 2 変電設備 3 配線 4 電気使用設備 5 保守及び点検 |
2時間 |
3 | 低圧用の安全作業用具に関する基礎知識 | 1 絶縁用保護具 2 絶縁用防具 3 活線作業用器具 4 活線作業装置 5 絶縁用防護具 6 検電器 7 その他の安全作業用具・管理 |
1時間 |
4 | 低圧の活線作業及び活線近接作業の方法 | 1 充電電路の絶縁防護 2 作業者の絶縁保護 3 停電電路に対する措置 4 作業管理 5 救急処置 6 災害防止(災害の事例) |
2時間 |
5 | 関係法令 | 労働安全衛生法~絶縁用防護具の規格 | 1時間 |
実技 | 低圧の活線作業及び活線近接作業の方法(※) | 7時間以上 |
※ 開閉器の操作の業務のみを行う者については、1時間以上になります。低圧電気取扱業務特別教育には、1時間以上と7時間以上の実技講習の区分が分かれているので、ご注意ください。
低圧電気取扱業務特別教育の実技は、各事業所で実施することが可能です。学科のみの講習を実施する会場では、事前に実技教育を実施し、実技報告書を提出する必要がある場合もあるため、注意しましょう。
低圧電気取扱業務特別教育が受講できる全国の講習機関
低圧電気取扱業務特別教育は、各都道府県の労働基準協会などで実施しています。ここでは全国の各地方別に講習を開催している機関を紹介します。
なお、実技自体を実施しない会場や、開閉器の操作業務のみを行う者を対象とした実技(1時間以上)に限って実施する会場もあるため、申し込み前に内容をよく確認するようにしましょう。
詳細の日時や会場や費用等はリンク先よりご確認ください。また募集人数が定員になっている可能性もありますのでご注意ください。
【北海道・東北地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
北海道・東北地方で低圧電気取扱業務特別教育を受講できる、おもな機関は以下のとおりです。
No. | 北海道・東北地方で低圧電気取扱業務特別教育を実施するおもな機関 |
---|---|
1 | 公益社団法人 札幌労働基準協会(北海道) |
2 | 一般社団法人 八戸地方労働基準協会(青森県) |
3 | 公益財団法人 岩手労働基準協会(岩手県) |
4 | 一般社団法人 日本電気協会 東北支部(宮城県) |
5 | 一般社団法人 福島労働基準協会(福島県) |
【関東地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
関東地方で低圧電気取扱業務特別教育を受講できる、おもな機関は以下のとおりです。
No. | 関東地方で低圧電気取扱業務特別教育を実施するおもな機関 |
---|---|
1 | 公益社団法人 東京労働基準協会連合会(東京都) |
2 | 一般社団法人 労働技能講習協会(東京都) |
3 | 公益社団法人 神奈川労務安全衛生協会(神奈川県) |
4 | 一般社団法人 浦和地区労働基準協会(埼玉県) |
5 | 住友建機教習所 千葉教習センター(千葉県) |
6 | 一般社団法人 茨城労働基準協会連合会(茨城県) |
7 | 一般財団法人 関東電気保安協会(関東各県) |
【中部地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
中部地方で低圧電気取扱業務特別教育を受講できる、おもな機関は以下のとおりです。
No. | 中部地方で低圧電気取扱業務特別教育を実施するおもな機関 |
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1 | 公益社団法人 愛知労働基準協会(愛知県) |
2 | 一般社団法人 日本電気協会 中部支部(愛知県) |
3 | 公益社団法人 静岡県労働基準協会連合会(静岡県) |
4 | 那加クレーンセンター(岐阜県) |
5 | 一般社団法人 三条労働基準協会(新潟県) |
6 | 一般財団法人 北陸電気保安協会(北陸各県) |
【近畿地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
近畿地方で低圧電気取扱業務特別教育を受講できる、おもな機関は以下のとおりです。
No. | 近畿地方で低圧電気取扱業務特別教育を実施するおもな機関 |
---|---|
1 | 大阪府職業能力開発協会 職業訓練センター(大阪府) |
2 | 一般社団法人日本電気協会 関西支部(大阪府) |
3 | 一般社団法人 神戸東労働基準協会(兵庫県) |
4 | 公益社団法人 京都労働基準協会(京都府) |
5 | 公益社団法人 滋賀労働基準協会(滋賀県) |
6 | 公益社団法人 和歌山県労働基準協会(和歌山県) |
【中国・四国地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
中国・四国地方で低圧電気取扱業務特別教育を受講できる、おもな機関は以下のとおりです。
No. | 中国・四国地方で低圧電気取扱業務特別教育を実施するおもな機関 |
---|---|
1 | 一般財団法人 中国電気保安協会(広島県) |
2 | 一般社団法人 岡山県労働基準協会(岡山県) |
3 | 一般社団法人 山口県労働基準協会(山口県) |
4 | 一般社団法人 香川労働基準協会(香川県) |
5 | 公益社団法人 愛媛労働基準協会(愛媛県) |
【九州・沖縄地方】低圧電気取扱業務特別教育を実施している講習機関
九州・沖縄地方で低圧電気取扱業務特別教育を受講できる、おもな機関は以下のとおりです。
No. | 九州・沖縄地方で低圧電気取扱業務特別教育を実施するおもな機関 |
---|---|
1 | 一般社団法人 日本電気協会 九州支部(福岡県) |
2 | 一般社団法人 佐賀県労働基準協会(佐賀県) |
3 | 一般社団法人 大分県労働基準協会(大分県) |
4 | 公益社団法人 鹿児島県労働基準協会(鹿児島県) |
5 | 一般社団法人 沖縄県労働基準協会(沖縄県) |
低圧電気取扱業務特別教育を受講するときの注意点
労働基準協会などの協会が主催の場合、会員・非会員で料金が異なる場合があるので注意しましょう。
学科のみ実施する講習や、学科と実技も併せて実施する場合があります。また実技も1時間と7時間も分かれていますが、7時間の実技を含んだ講習は2日間にわたって行われるケースが多く、その分受講料も高額になる傾向があります。
自身の業務に必要な受講内容をよく確認したうえで、受講先を決めるようにしましょう。
低圧電気取扱業務特別教育とは?
ここで、低圧電気取扱業務特別教育の受講対象者、目的、受講内容などの概要を紹介します。
低圧電気取扱業務特別教育の概要と受講対象者
低圧電気取扱業務特別教育が必要になるのは、以下の業務に従事する場合です。
No. | 低圧電気取扱業務特別教育の対象業務 |
---|---|
1 | 充電電路の敷設若しくは修理の業務 |
2 | 充電部分の露出した開閉器の操作の業務 |
充電電路とは、裸線に触れると感電する通電状態のことです。
No.1の業務では、「電動工具などのコードが充電電路の状態で破線している際に、絶縁テープを巻いて修理する」といった業務が挙げられます。
No.2の業務は、充電部分が露出した刃型開閉器(ナイフスイッチ)の操作業務が該当します。
これらのいずれかの業務において、事業者が「感電のおそれがある」と判断した場合に、低圧電気取扱業務特別教育の受講が必要です。
また、低圧電気取扱業務特別教育の対象となるのは、「直流で750ボルト以下、交流では600ボルト以下の電圧」です。対地電圧が50ボルト以下の業務や、感電のおそれがない業務は対象外です。
低圧電気取扱業務特別教育を受講する目的
低圧電気取扱業務特別教育を受講する目的は、労働災害の防止、労働者の安全と健康の確保です。
電気機器に用いられる低圧電気は、感電や火災を引き起こす危険性があります。感電による死亡災害は、高圧電気よりも低圧電気が原因になることが多いというデータも存在します。
電気は目に見えないうえに、「低圧なら感電しない」という誤った認識も、感電事故が多発する要因といえるでしょう。
低圧電気取扱業務特別教育で低圧電気の危険性を学ぶことは、自分の身を守ることにつながります。
低圧電気取扱業務特別教育はオンラインの受講も可能!
低圧電気取扱業務特別教育は会場で受講するほかに、オンライン講座(Eラーニング)で受講することも可能です。ここではSATの低圧電気取扱業務特別教育のオンライン講座を例に紹介します。
オンラインで受講するメリットは、時間と場所を選ばないことでしょう。
SATのオンライン受講は、講義動画を視聴して学習を進めますが、途中で再生を止めて別の機会に続きから再開することも可能です。まとまった時間を必要としないオンライン受講は、仕事がなかなか休めない方にも最適です。
受講終了後には、内容を正しく理解できているかを確認するEラーニングでの試験を実施しています。会場でただ話を聞くよりも、SATで学ぶことでより効率的に学習を進めることができるでしょう。
ただし、オンラインで受講できるのは学科のみです。実技科目は、実技実施責任者となる経験者を立てて各事業所で対面にて実習を行う必要があるので、必ず実施するようにしましょう。
オンライン講座での実技は学科を実施しない会場と同じ扱いになりますが、学科をいつでも受講できるのはオンラインならではの強みでしょう。
仕事が忙しい方、会場が近隣にない方などは特に、オンラインの受講を検討することをおすすめします。
低圧電気取扱業務特別教育は低圧電気の業務に必須!
低圧電気取扱業務特別教育には、学科・実技の講習合わせて8時間以上かかります。また受講内容によっては14時間、2日間にわたる場合もあります。
講習は全国の労働安全協会等で実施されていますが、仕事が休めない忙しい方などにはSATのオンライン講座の受講がおすすめです。
SATでは学科を好きな時間に受講できるので、会場の日程の都合が合わない場合に最適です。実技は各事業所で行う必要がありますが、eラーニングの試験で学科の理解度がより高まるメリットがあります。
低圧電気の取り扱いに携わる方は、ぜひSATのオンライン講座をご検討ください。