電験二種(第二種電気主任技術者)の受験では、試験会場に電卓の持ち込みが許可されています。しかし、電卓により備わっている機能は異なるため、どのように電卓を選べばよいのか、悩む方も多いでしょう。
そこで今回は、電験二種に適した電卓を選ぶポイントと、解答に役立つ電卓の機能についてくわしく解説します。
目次
電験二種受験に最適な電卓とは?
電験二種の試験では、四則演算、開平計算(√)の計算で電卓の使用が認められています。
ここでは、電験二種の受験に適した電卓を選ぶポイントを解説します。
ルート(√)の計算ができる電卓
開平計算の計算問題を解くには、ルート機能のついた電卓が必須です。電卓のキーに、「√」の印がある電卓を必ず選びましょう。
数値メモリ機能がある電卓
数値メモリ機能とは、途中の計算結果を電卓に覚えさせる機能のことです。数値メモリ機能の有無は、MRC、MR、MC、M−、M+といった表示のあるキーがあるかどうかで判別できます。
MRCというキーのある電卓もありますが、電験二種の試験ではMRとMCが独立しているタイプの方が使いやすいでしょう。
なお、メーカーにより、RCM、RM、CMと表示する場合もあります。アルファベットの順番が違ったとしても、メモリ機能の内容は原則変わりません。
12桁の電卓
電験三種であれば10桁の電卓でも対応できますが、電験二種の場合は、より複雑な計算問題が出題されるため、必ず12桁の電卓を用意しましょう。
文字の削除機能がある電卓
打ち間違いを1字ずつ削除できる機能があると、打ち直しの手間が減ります。削除機能のキーは、「→」または「▶」で表示されています。
電験二種では限られた時間内で素早く問題を解き、見直しの時間を作ることが合格のカギとなります。削除機能は時間短縮につながる、便利な機能といえるでしょう。
プラスマイナス機能がある電卓
プラスマイナス機能とは、数字のプラスとマイナスを切り替えられる機能のことで、キーの表示は「±」、または「+/-」です。
数値メモリ機能を使う場合は、必須の機能とはいえません。ただし、プラスマイナスを1つのキーで切り替えられるので、あると便利な機能です。
00のキーがある電卓
電験二種では特別高圧や変圧器容量が大きい問題が多く、打ち込む0の桁数が増えます。そこで、「00」のキーがあると入力の手間が減るため、時間の短縮に役立ちます。
禁止されている電卓もある
電験二種試験では、すべての電卓が持ち込めるわけではありません。
具体的には、以下のような機能がある電卓の持ち込みが禁止されています。
- 数式が記憶できる電卓
- 関数電卓
- 印字機能を有する電卓
- 電子パッド付きの電卓
- 定規付きの電卓
- 音が出る電卓
なお、スマートフォンや携帯電話を電卓として使用することも禁止です。
【電験二種】覚えておきたい電卓の使い方
ここでは、電験二種の計算問題に役立つ、電卓の使い方のコツを紹介します。
累乗計算・逆数計算を活用する
2乗、3乗といった累乗計算は電卓で簡単に計算できます。電験は特に分数の計算が多いため、逆数計算を必ずマスターしておきましょう。
累乗計算は「×」と「=」、逆数計算は「÷」と「=」を用いて計算します。ただし、累乗計算、逆数計算の操作方法はメーカーで異なること、これらの機能がない計算機もあるので注意しましょう。
メモリ機能を活用する
電験二種で電卓を使う際には、メモリ機能を最大限に活用することが重要なポイントです。メモリ機能の各キーの役割は、以下のとおりです。
電卓 メモリ機能について
- MR:メモリ内容を読み出す
- MC:メモリした内容のみを消去する
- MRC:1回押すとメモリ内容を読み出し、2回押すとメモリ部分を消去する
- M+:メモリ部分に値を足して保存する
- M-:メモリ部分から値を減らして保存する
累乗計算、逆数計算の際にもメモリ機能が役だちます。計算する部分と保存する部分が存在するため、複雑な計算も簡単に解答できます。
また、計算結果を自動で集計した値を表示する、GT機能がついている機種もあります。
GT機能は計算途中の余計な数値も集計される場合があるため、なるべくMR、MC、M+、M-を使用し、GT機能の使用は避けたほうがよいでしょう。
クリア機能を活用する
数値を打ち間違えた場合、削除機能またはクリア機能を使いましょう。クリア機能は「C」のキーで、直前に入力した数値だけを削除できる機能です。
すべてを打ち直すと時間の無駄になるので、間違えた部分だけを削除することが大切です。ただし、「AC」を押すとすべての数値が消えてしまうので注意しましょう。
電験二種合格のカギは、電卓選びにあり!
電験二種の計算問題を解答する際、ミスなくスピーディーに計算できる電卓選びが重要なポイントです。 ルート付き機能やメモリ機能、削除機能など、電卓にはさまざまな機能があります。
特に重要なメモリ機能は電卓により内容が異なるため、MRとMCが独立しているもの、M+、M-機能があるものを選ぶとよいでしょう。
なお、電験の計算問題を解くには、累乗計算やメモリ機能など、電卓の使い方をマスターしておくことが大切です。問題の演習の際に電卓を使用し、日頃から電卓の操作に慣れておきましょう。