化学物質管理者講習はオンライン講座でも受講が可能です。対面式の講習会はスケジュールを調整して予約を取る必要がありますが、オンライン版は好きな時間に受講できるのが特徴です。
ただし、製造事業場向けをオンライン講座で受ける場合、実習に関しては別途対面で行う必要があります。
今回は製造事業場のカリキュラムやオンライン講座の受講方法を中心に解説します。
目次
化学物質管理者講習【製造事業場向け】のカリキュラム
労働安全衛生規則等の一部を改正する省令により、リスクアセスメント対象物質の製造や取扱、または譲渡提供等を行う事業場は、令和6(2024)年4月1日から化学物質管理者を選任することが義務化されました。
その化学物質管理者になるための講習が「化学物質管理者講習」です。
化学物質管理者講習は「製造事業場向け」と「取扱事業場向け」の2種類の講習があります。
そのうち製造事業場向けの化学物質管理者講習は、化学物質の製造を行う事業場向けの講習です。講習は大きく分けて学科と実習の2つのカリキュラムがあります。
それぞれ内容は法令で定めされており、科目ごとに指定の受講時間があります。まずは学科科目を表で確認をしてみましょう。
科目(学科) | 範囲 | 時間 |
---|---|---|
化学物質の危険性及び 有害性並びに表示等 |
・化学物質の危険性及び有害性 化学物質による健康障害の病理及び症状 |
2時間30分 |
化学物質の危険性又は 有害性等の調査 |
・化学物質の危険性又は有害性等の調査の時期及び方法並びにその結果の記録 | 3時間 |
化学物質の危険性又は 有害性等の調査の結果に基づく措置等 その他の必要な記録等 |
・化学物質のばく露の濃度の基準 化学物質の濃度の測定方法 ・化学物質の危険性又は有害性等の調査の結果に基づく危険又は健康障害を防止するための措置等及び当該措置等の記録 ・がん原性物質等の製造等業務従事者の記録 ・保護具の種類、性能、使用方法及び管理 ・労働者に対する化学物質管理に必要な教育の方法 |
2時間 |
化学物質を原因とする 災害の発生時の対応 |
・災害発生時の措置 | 30分 |
関係法令 | ・労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号)及び労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)中の関係条項 | 1時間 |
合計時間(講義科目) | 9時間 |
上記の通り、学科は合計で9時間となっています。
また実習は3時間となっています。内容は下記の通りです
科目(実習) | 範囲 | 時間 |
---|---|---|
化学物質の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置等 |
・化学物質の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく労働者の危険又は健康障害を防止するための措置並びに当該調査の結果及び措置の記録 |
3時間 |
実習は3時間となっています。つまり、製造事業場の講習は学科9時間+実習3時間の合計12時間受講する必要があります。
【取扱作業場向け】の講習について
化学物質管理者講習には、取扱事業場向けの化学物質管理者講習というもう一つの講習があります。
この講習は別名「化学物質管理者講習に準ずる講習」とも呼ばれることがあります。これは化学物質の製造には関わず、取扱のみを行う事業場向けの講習となっています。
講習の科目名は製造事業場向けの講習と変わりませんが、それぞれの科目の講習時間が違います。講習時間は同様か短くなっており、学科の合計の講習時間は6時間となっています。
またもう一つの大きな違いとしては、取扱事業場向けの講習には実習科目はありません。つまり学科科目だけで講習が終了します。
事業場によって受けるべき講習は違うので、よく確認をしてから受講する講習を決めましょう。
もし受けるべき講習が場合は、厚生労働省の関連機関に等に問い合わせを行いましょう。
化学物質管理者講習【製造事業場向け】をオンラインで受講する
では、実際に講習を受講したい場合はどのようにすればよいでしょうか。
ここでは通信教育講座を取り扱うSATの化学物質管理者講習を例に解説していきます。
① HPよりオンライン講座を申し込む
SATのオンライン講座はHPからのお申し込みになります。オンライン版化学物質管理者講習のページの下部より、数量を選んでお申し込みください。
なお講座には下記の2種類があります。
- アプリ版のみ
- アプリ+プラスチックカード版
講習を受講すると修了証明書を受け取ることができますが、上記の2コースは修了証の形式が違います。
SATではスマートフォンアプリでの修了証を発行しており、講習の受講が完了すると即日修了証を受け取ることができます。
特にSATで複数の講座を受講された場合、修了証の管理はとても便利です。もちろんアプリのダウンロードは無料です。
なお従来のプラスチックカード版の修了証も発行しています。プラスチックカードの修了証が欲しい場合は「アプリ+プラスチックカード版」を選択してください。こちらは受講完了後5営業日以内に修了証を発送いたします。
どちらか選択後、初めての方は会員登録を行なっていただき、お支払い方法を選択して決済を行うと購入完了となります。
購入ページでは、取扱事業場向けの講座も販売しております。購入する講座を間違えないようにご注意ください。
② 視聴開始する
講座をご購入された後に、視聴開始の連絡がメールにて届きます。
なおクレジットカード・AmazonPay・PayPayでお支払いいただいた場合はすぐにメールが届き、そこから受講可能となります。銀行振込・コンビニ払いの場合はご入金後にメールが届きますので、そこで受講可能となります。
③ 動画教材で学科の学習を進める
SATの化学物質管理者講習の学科科目は、オンラインの動画で学習を進めます。ご購入後に届いたメールのURLからログインをして、講習を受講するという形です。
PC、スマートフォン、タブレットといった端末を用いて受講を行います。インターネットが接続されており、かつカメラ(PCの場合はWebカメラ等)付き端末であればどこからでも24時間ご覧いただけます。
また、視聴中の動画を一旦停止して、別の時間に続きから視聴することも可能です。それまでの学習状況は、ログイン後の画面で円グラフにて確認することができます。
受講の状態をカメラで確認致しますので、必ずカメラつきの端末をご用意ください。
④ 実技実施責任者のもとで実習を実施する
先ほど解説した通り、製造事業場では実習のカリキュラムを必ず行う必要があります。しかし、オンライン講座の中には実習のカリキュラムはなく、学科部分のみ受講することができます。
実習部分は、各事業者ごとに「実技実施責任者」を選任して、責任者のもと対面で実習を行ってください。その際、保護具等の実習で使用するものも一緒に準備してください。
実習は法令で3時間以上行うことが義務付けられています。
オンライン形式の講座を受講した際には、必ず自分たちで3時間以上の実習を行なってください。
⑤ 修了証の申請を行う
学科講義も全て視聴完了し、実習の実施を終えたら修了証の申請を行うことができます。修了証の申請は学科講義を視聴していたページから行ってください。
先ほどもご紹介した通り、アプリ版の修了証は申請後即日発行されます。なお複数人でお申し込みいただいた場合は、全員の方が修了証の作成申請を行なっていただいた後に発行となりますので、ご注意ください。
SATの化学物質管理者講習は
24時間365日、オンラインでの受講が可能!
-
- スマホまたはPCがあればどこでもかんたんに受講ができる!
- 労働局確認済み!端末のカメラで受講状況をしっかり担保!
- 修了証はスマホアプリで即日自動発行!修了後すぐに受け取れます。
※プラスチックカードの修了証をお求めの方は、5営業日以内に修了証を発送いたします。
※製造事業場向けの実習は、各事業所様にて対面式での実施が別途必要です。
\ 詳しくはこちらをチェック /
化学物質管理者講習は対面式の講習会でも受講可能
化学物質管理者講習は、対面式の講習会でも受講ができます。もちろん対面式の受講でも同様の修了証が発行されます。
対面式の講習会は、全国各地の労働基準協会等の団体が実施しています。団体によっては、製造事業場または取扱事業場の一方のみの開催になっているところもあるので、主催団体へとお問い合わせください。
また、出張講習形式で化学物質管理者講習を行う団体もあります。出張講習とは、講師を社内などに直接招いて講習を実施してもらう形式です。SATでは対面式の講習会を出張講習形式にて全国で実施しています。
対面式の講習会のメリットとしては、以下の2点があげられます。
- 製造事業場向け講習の場合、学科と実習の両方を一気に受講できる
- 修了証(プラスチックカード版)をその日で受け取ることができる
講習会は会場で実習も行うので、オンライン版で必要な実技実施責任者の準備といったことは必要ありません。また講習を終えた後にその場で修了証を受け取ることができます。
オンライン版講習、対面式講習会ともにメリットとデメリットがあります。
両方を比較して、自分に適した講習を受講するようにしましょう。