有機溶剤業務従事者教育

実際はどうなの?有機溶剤作業主任者の仕事の魅力や年収を徹底解説!

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有機溶剤作業主任者は特別教育ですので、資格の取得自体は比較的容易ですが行う作業は非常に危険なものですので作業を行う際にはこの講習が義務付けられています。そのため、有機溶剤に関する作業がある場合はこの資格が必須になるのです。

この資格を持っていない場合は現場に入ることもできません。もしも、この資格を取得しないで労働者を作業に従事させた場合には、事業者は労働安全衛生規則に基づき罰せられます。

頻繁に使用する業種は限られてきますが、持っていないと作業そのものが出来ないという現場系の資格の中でも珍しい部類に入ります。それだけ、この資格は重要度と専門性が高い資格なのです。

そのような有機溶剤作業主任者ですが、実際にどのような職業があるのか? また、具体的な仕事内容はどのようなものなのか? この記事ではそのような疑問に対して紹介しています。資格取得を考えている方は是非とも参考にしてみてください。

1.有機溶剤作業主任者とは?

有機溶剤作業主任者は建設現場等において有機溶剤を扱って仕事をする際に必要な資格です。有機溶剤は中毒性があるものが多く、危険な物質であるものが多いためこのように資格が必要になるのです。

具体的に有機溶剤と呼ばれるものは、他の物質を溶かす事のできる有機物のことを指します。源場でよく使われるのは、シンナーやトルエンなどです。これらの有機物はゴムや塗料などを溶かすのに使用します。

樹脂やロウ、ゴムなどは水などでは全く溶けないため、これらを溶かして伸ばす場合は有機溶剤が必須になります。有機溶剤は結構身近なところにもあり、エタノールやガソリンも有機溶剤の一種です。

有機溶剤の殆どは引火性のある液体化合物ですが、有機溶剤作業主任者はこれらの有機溶剤を使って作業を行うことが出来る資格です。しかし、有機溶剤作業主任者ではこれらの材料の保管が出来ません。

有機溶剤は引火性がある危険物ですので、危険物取扱者の資格が必要になってきます。あくまでも講習で取得できるのは、作業をする有機溶剤作業主任者のみになりますので、この点は注意が必要でしょう。

2.有機溶剤作業主任者の仕事内容

有機溶剤作業主任者は具体的にどのような仕事があるのかと言われると意外と思い浮かばないこともあるかもしれません。そこで、ここでは有機溶剤作業主任者の仕事内容について大まかに紹介していきます。

2−1.塗装工事

建設業の中でも特に塗装工事にはシンナーを始めとした有機溶剤は結構使います。壁や床を始めとして様々な場所で塗料というのは使われます。もちろん塗装工事は他にも多くあり、車の塗装などにも使われます。

有機溶剤を使用しての塗装は溶剤塗装と呼ばれ、色をつけることももちろんですが、コーティングの役割が大きいのです。溶剤が乾燥すると塗膜が出来上がり、壁や床などの耐久性が上がるので有機溶剤を使用するのです。

幅広く塗装ができる上に基本的にはどのようなものにも塗装する事ができるため、昔から重宝されている塗装方法なのです。そのような塗装を実際に行うためには有機溶剤について正しい知識と経験が必要ですので、この資格が存在するのです。

2−2.自動車整備士

整備士の中でも板金塗装を行う場合は必須の資格になります。車の塗装の場合も建設現場と同じで表面のコーティングがメインになります。そのため、有機溶剤を使用して塗装を行うのです。

その際に有機溶剤を持っていない場合は、作業にならないため確実に取得が必須になるでしょう。他の業務しかしない場合でも車には多くの有機溶剤を使いますので、持っておいて損はありません。

2−3.化学工場

有機溶剤はその使い勝手の良さも合って、様々な場所で使用されています。印刷や薬品、薬の工場などでも使用されるほどです。有機溶剤は工業用に使用されているだけで500種類以上存在します。

そのような有機溶剤を他の材料と組み合わせたり、有機溶剤を制作したりと様々な活用法があります。日常的に使われるのですが、有機溶剤は中毒を引き起こす可能性のある危険物です。

そのような危険物を扱う場合は、一歩間違えれば死亡してしまう危険性だってあるのです。ですので、有機溶剤作業主任者を取得している人が必要になります。

3.有機溶剤作業主任者の仕事内容の魅力と大変な面

ここまでは有機溶剤作業主任者の仕事内容について紹介してきましたが、ここからは仕事の具体的な魅力と大変な面について紹介していきます。

3−1.有機溶剤作業主任者の仕事の魅力

有機溶剤は危険物ですが、非常に扱う範囲が広く様々な場所で活用されています。しかし、扱うにはこの資格が必要になってきますので需要が高まっている資格でもあるのです。ここではそんな有機溶剤作業主任者の魅力について紹介します。

3−1−1.未経験からでも仕事ができる

有機溶剤作業主任者の特徴としては、未経験からでも仕事が可能である点です。もちろん業界的にも経験があったほうが優遇されますが、有機溶剤を扱う会社にとってこの資格は必要不可欠です。

未経験で入社して会社から資格を取得することを命じられて、取得するというケースが多いのもこの資格の特徴かもしれません。そのため、資格を取得すれば有機溶剤を扱うことが出来るので未経験でも仕事を行うことが可能です。

まずは、資格を取得した後に現場での経験を積んで作業員からスタートすることになりますが、現場の経験を積んだ後に様々な業種にも転職することも可能です。未経験から専門的知識を磨いて、キャリアアップという手段が取りやすい資格でしょう。

3−1−2.経験次第で転職も容易

有機溶剤作業主任者は前述の通り、様々な場所で使われる資格です。経験次第で他の会社や別の職種に移るということもそこまで珍しくはありません。この資格だけで転職ができるという資格ではありませんが、十分転職に貢献する資格です。

この資格は非常に取得が簡単なことも特徴の一つです。他の資格と異なり、正確には特別教育ですので2日間の講習を受講することで取得することが出来るのです。18歳以上ならば誰でも取得できるため、資格の取得難易度は高くはありません。

それ故に資格だけで転職ができることはありません。しかし、有機溶剤を扱ったことがあるという経験は武器になります。資格が必須の作業であるため、誰にでも扱えるものではないため、資格と経験の両方を兼ね備えた人は、企業側としても非常に優良な人物になるのです。

3−1−3.資格が必須な作業であること

前述の通り、有機溶剤を扱うにはこの資格が必要になってきます。有機溶剤は液体で非常に気化しやすい物質ですので、知識のない人が扱えばすぐに中毒症状を発生してしまう危険な物質です。

そのため、作業を行う場合にはこの有機溶剤作業主任者を専任する必要があり、作業員の安全を常に確保しなければならないのです。そのため、この資格を持っていれば現場の代表として、他の業者や元請けとのやり取りも行うことがあります。

3−2.有機溶剤作業主任者の仕事の大変な面

ここでは有機溶剤作業主任者の大変な面を紹介していきます。これから取得しようと考えている方は是非とも参考にしてみてください。 

3−2−1.非常に危険な物質

なんと言っても大変な面は、非常に危険な物質であることです。現場の環境が悪い中で有機溶剤を使用した場合は、中毒症状で倒れるということ実際に起こります。実際に作業中に中毒症状で倒れて病院に運ばれた人を何人も見てきました。

身近にあると忘れがちですが、アルコール類を始めとした有機溶剤はゴムや樹脂などの水で溶けないものを溶かすものです。その上気化しやすく、中毒症状も引き起こします。想像以上に危険な物質なのです。

めったに起こることはありませんが、帰化した有機溶剤に引火でもすれば爆発しますし、皮膚に触れればただれてしまいます。身近にありますが、簡単に扱っていい物質ではないということは頭に入れておいたほうがいいでしょう。

3−2−2.他の資格と併用が前提になることが多い

有機溶剤は非常に危険な物質で扱いも難しいのですが、残念ながらこの資格だけでは作業に従事することは出来ますがそれだけです。現場の管理には大きく貢献することはありませんし、有機溶剤の保存・管理もできません。

有機溶剤の保存をするには危険物取扱者が必須になりますし、現場の管理は経験がものを言いますので、資格はそこまで影響しません。そのため、資格との併用が前提になりやすいのがこの資格の特徴でもあります。

4.有機溶剤作業主任者の仕事内容と年収の関係性

有機溶剤作業主任者は専門的な資格ですが、年収はどの程度なのでしょうか?ここでは有機溶剤作業主任者と年収の関係性について紹介します。

有機溶剤作業主任者の年収は300万~650万程度とかなり幅があります。現場作業員の場合は300万程度ですが、工場の研究員や人材管理の職種につくと大幅に年収は上がります。

5.有機溶剤作業主任者の仕事に向いてる・向いていないを判断するポイント

有機溶剤作業主任者は非常に危険な仕事ですが、その分専門業者という魅力があります。そのような有機溶剤作業主任者に向いている人と向いていない人は、どのような人なのでしょうか?ここでは大まかに紹介します。

5−1.向いている人の特徴と判断ポイント

有機溶剤作業主任者に向いている人は、常に危険を意識できる人でしょう。少し抽象的ではありますが、常に危険物を扱っているのは他の建設業界や資格とも少し異なります。もちろん電気やアスベストなどもかなり危険です。

しかし、有機溶剤の場合は混ぜる分量や気化しないように保存、中毒症状にならないように保護具の着用などの意識することが非常に多いのです。分量を間違えたり、床にこぼしたりした少しの量でもそこに火が近づけば引火します。

そのような危険物を扱っているということを冷静に頭の中に意識できる人は、向いているといえるかもしれません。

5−2.向いていない人の特徴と判断ポイント

向いていない人としては、反対に油断してしまう人です。作業は段々と慣れてくるものです。そのような油断の中で危険物を扱っているという自覚を忘れて、大惨事を引き起こすことになるのです。

6.まとめ

有機溶剤作業主任者は、非常に危険な作業ですので専門性が確立されている仕事です。しかし、資格の入手難易度は決して高いとは言えず、講習だけで誰でも取ることが可能です。

未経験からでも有機溶剤作業主任者にはなることが可能ですので、専門性を確立させて仕事をしたいという方は資格取得をおすすめします。

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