第二種電気工事士

電工二種の実技試験(技能試験)の特徴と対策法とは?

1,187人の方が、この記事を参考にしています。

電工二種(第二種電気工事士)とは、電気工作物の保安に関する知識と技能を証明する資格です。筆記試験を合格した後、問題の配線図を実際に作成する実技試験(技能試験)の2つで構成されています。実技試験は問題の出題方法が特徴的で、工具を自分で用意するなど事前の対策が必要です。

こちらでは、電工二種の実技試験の概要と、試験に向けた対策法について解説します。

電工二種の実技試験(技能試験)とは?

電工二種の実技試験の内容と、必要な道具について見ていきましょう。

実技(技能試験)の内容

実技試験は13問の候補問題が公表され、その中から1問だけ出題される形式です。どの問題が選ばれるか試験当日まで分からないので、13問の内容をすべて対策することが必要です。
過去の候補問題では、以下の内容の配線図が出題されています。

・3灯3点滅器回路
・常時点灯するパイロットランプとダブルコンセント
・タイムスイッチ回路
・100V回路と3線式200V配線回路
・200V接地極付コンセントの結線
・露出型コンセントと3路スイッチ
・3路スイッチ、4路スイッチ回路
・3つの器具へのリモコン配線
・接地極付接地端子付コンセントの接続
・常時点滅するパイロットランプ
・アウトレットボックスとねじなし電線管
・アウトレットボックスとPF管
・自動点滅器と防護管

そして、実技試験の制限時間は40分です。欠陥が1つでもあると不合格になるので、40分の中で見直しをする必要があります。40分を作業にすべて使わないよう、30分程度で終えられるように練習しましょう。

また、試験案内には、欠陥の判断基準が明記されているので、こちらも事前に確認しておくと安心です。

実技(技能試験)に必要な道具

実技試験で使う材料は用意されていますが、作業に使う工具は自分で準備する必要があります。工具は電動工具以外ならすべての工具が使えますが、以下の指定工具を準備すれば十分でしょう。

・ペンチ
・ドライバー(プラス、マイナス)
・ナイフ
・スケール
・ウォーターポンププライヤー
・リングスリーブ用圧着工具

工具以外に必須の持ち物は、受験票、写真票、筆記用具、時計です。また、ケーブルの外装を取るケーブルストリッパー、試験会場の暑さ・寒さ対策用の上着を持っていくと便利です。

電工二種の実技試験(技能試験)対策

実技試験の合格に向けた、効果的な対策法を紹介します。40分と制限時間が短いため、以下の方法でしっかり対策しておきましょう。

複線図の描き方をマスターする

実際の作業を始める前に、単線図を理解してから複線図の描き方に移ることが大切です。単線図は器具と器具を1本の線でつなぐ方法で、実技試験の問題は単線図が出題されます。

しかし、作業に必要な配線の接続は単線図から読み取れないため、単線図から複線図に描き直さなければなりません。描き直すためには、単線図が示す意味や、単線図に用いられる記号の内容を理解すると、複線図をスムーズに描くことができます。

また、複線図を描く際は、以下のルールと手順を覚えることが重要です。

1.単線図の電源と器具を同じ位置に配置する
2.接地側の電源をスイッチ以外の器具につなぐ
3.電源の非接地側をスイッチやコンセントにつなぐ
4.スイッチからスイッチ(電灯)をつなぐ
5.電線同士がつながる部分に接続点を描く(VVF用ジョイントボックスは〇、アウトレットボックスは□)
6.リングスリーブで接続する部分に●、差込型コネクタで接続する部分は■を描く
7.電源の接地側につながる線にシ(白線の意味)と描く
8.電源の非接地側につながる線にク(黒線の意味)と描く
9.電線の色がない部分に、残りの電線の色を描く

一見すると複雑に感じますが、何度も練習すると必ず描けるようになります。ただし、問題に「施工条件」が記載されており、条件を満たさないと不合格になるので注意しましょう。

基本的な作業を覚える

複線図の描き方をマスターできたら、単位作業と呼ばれる基本的な作業に移ります。単位作業は問題の作成に欠かせない作業なので、実技試験の基礎といえるでしょう。単位作業にあたる作業は、以下のものが挙げられます。

・電線の切断
・電線やケーブルの外装をむく
・電線に器具を取り付ける
・のの字作り(ランプレセプタクルなどに電線を接続するための輪)
・電線をリングスリーブで接続する
・電線を差込型コネクタで接続する

慣れるまでに時間がかかる作業は、のの字作りとリングスリーブによる接続です。これらを重点的に練習しておくと、問題の実践がスムーズにできるでしょう。

候補問題を実践する

単位作業をマスターできたら、いよいよ候補問題の施工に移ります。問題を実践する際は、以下の手順で行いましょう。

1.問題の単線図と施工条件を確認
2.単線図を複線図に描き直す
3.問題の単線図に記載されている電線やケーブルの種類を確認し、必要な長さに切断する
4.電線やケーブルの外装をむく
5.必要な器具を取り付ける
6.電線を接続する
7.施工条件との違いがないかを確認
8.形をきれいに整える

候補問題は13問ありますが、どの問題でもこの手順で作業することが基本です。できれば2~3周は練習を積んでおくと、どの問題になっても対応できるでしょう。失敗した作業や問題はくり返し練習すると、本番でのミスを防ぐことができます。

実技試験対策はたくさん練習すること、施工条件を確認して欠陥のない作品を作ることが重要です。

実技試験(技能試験)対策は練習あるのみ!

電工二種の実技試験は候補問題から1問が出題され、40分という短い時間で欠陥のないものを作ることが求められます。候補問題が公表されたら、全13問の実践練習を2周はくり返すことが大切です。まずは単線図を理解してから、ルールと手順にならって複線図の描き方を覚えましょう。

また、単位作業を練習しておくと実践で役立つため、甘く見ずに練習しておくと安心です。候補問題の実践は手順に沿って作業すること、失敗した問題は重点的に練習することが、実技試験の合格につながるでしょう。

SATのWeb講座なら、分かりやすい講義動画で、どこでも手軽に学習できます。

『このブログについてお気づきの点等ございましたらこちらにご連絡下さい』

『電工二種の実技試験(技能試験)の特徴と対策法とは?』の記事について

    取りたい資格・知りたいことをお選びください