第三種冷凍機械責任者は、1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設において、設備の保守管理ができる資格です。
しかし、資格を得るためには試験を受けて合格をする必要があります。とはいえ、この試験はしっかりとした対策をして勉強をすれば、難易度はそこまで高い試験ではありません。
この記事では第三種冷凍機械責任者の合格率や難易度、申込方法などについて解説しています。
目次
第三種冷凍機械責任者の合格率はどのくらい?
まず始めに、第三種冷凍機械責任者試験の合格率がどのくらいなのか解説します。ここ数年間の試験情報を参考に試験の難易度を簡単に把握してください。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和5年度 | 7,891人 | 3,146人 | 39.9% |
令和4年度 | 8,305人 | 1,890人 | 22.8% |
令和3年度 | 9,858人 | 3,996人 | 40.5% |
令和2年度 | 7,541人 | 1,383人 | 18.3% |
令和元年度 | 7,908人 | 2,565人 | 32.4% |
表をみると、受験者数の人数に大きな差が生じていないことがわかります。一方で、毎年の合格者数には500~1,000人単位での変動が生じているため、試験の内容において難易度が変動しているということです。
以前は30%代の合格率が続いていたこともあるので、合格率は35%前後だと考えてください。
また、試験の内容以外にも合格率が変動する要因はあります。次のセクションにて第三種冷凍機械責任者試験の難易度を詳しく解説するので参考にしてください。
第三種冷凍機械責任者の難易度
記事冒頭でも触れましたが、第三種冷凍機械責任者の難易度はそこまで高くありません。年度によって合格率は上下しますが、先ほど申し上げた通り35%程度の合格率になります。
しかし、この確率を見て、難易度が高いのではないかと思う方もいるでしょう。
合格率については、ほとんど勉強していない人や受験会場に来なかった人なども含まれるため、数値が低く出ています。
社会人の受験者が多いので、勉強時間を確保できなかったり、受験日に仕事が入ったりしてしまうのも仕方がないといえるでしょう。
このような事情を踏まえると、難易度はそれほど高くありません。
適切な対策をしてしっかり勉強すれば、十分に合格できる試験です。
第三種冷凍機械責任者の試験概要
第三種冷凍機械責任者試験の概要について解説します。
試験の内容
第三種冷凍機械責任者の試験は「法令」と「保安管理技術」の2科目で構成されています。
科目数は、法令20問、保安管理技術15問です。
5択問題で、なおかつ問題数は少ないため、1問ずつ落ち着いて解きましょう。
受験費用
受験費用は、電子申請の場合は9,800円(非課税)、書面申請の場合は10,300円(非課税)です。金額が高めなので、一発合格を目指しましょう。
日程
第三種冷凍機械責任者試験の日程は例年11月の日曜日に開催されています。令和5年度の場合は令和5年11月12日(日)でした。
詳細の情報については、「高圧ガス保安協会」のページから情報を確認してください。
受験資格
受験資格の規定は特にありません。年齢、学歴、業務経験の要件もなく、誰でも受験できます。
合格基準点
試験の合格基準点ですが、法令・保安管理技術ともに「満点の60%程度」と定められています。限られた時間の中で問題を解くため、解ける問題から解き進めるのがポイントです。
第三種冷凍機械責任者試験の申し込み方法
第三種冷凍機械責任者試験は高圧ガス保安協会のホームページから申し込めます。ここでは、試験の申し込み方法について解説します。
公式サイトの申し込みページを開く
申請は、「書面申請」と「電子申請」の2種類ありますが、どちらも試験の公式サイトである「高圧ガス保安協会」から申し込みます。
まずは、リンクをクリックして公式サイトの申し込みページを開いてください。
書面申請
書面申請をされる方は、公式サイトの申し込みページ中部にある「書面申請をご希望される方はこちら」をクリックしてください。
クリックしたら受験案内書と願書を希望される方向けの案内があるので、指示に従って申請を行いましょう。
受付期間内に申請を忘れず完了させてください。
電子申請
電子申請を行う方も同様に、公式サイト中部にある「国家試験のお申込み(電子申請)はこちら」をクリックしてください。
クリックした後、詳細が表示されるので指示に従って申し込みを完了させましょう。
受付期間を超えると申し込みできなくなるため、こちらも期間内に必ず申請を完了させましょう。
第三種冷凍機械責任者の講習とは
この講習を受講すると、科目免除が受けられます。第三種冷凍機械責任者の2科目のうち、保安管理技術が免除になるので、法令の試験だけを受験することで合格できるのです。
講習費用は、インターネット申し込みの場合で19,500円、書面申し込みの場合は20,000円です。
ただし、1日7時間の講習を3日間(講義時間は法令7時間、保安管理技術14時間)受けるため、費用的にも労力的にも時間的にも、講習は大変です。
受講者には社会人として働いている人が多いため、この時間を確保するのは困難でしょう。
また、講習と同じ時間だけ勉強すれば合格できる可能性が高いため、わざわざ時間、お金、労力をかけてまで講習に参加するメリットは薄いといえます。
もし「合格しなければいけないが1人で勉強する自信がない」「過去問の解説が理解できず、このままだと合格が難しい」といった場合には、講習の受講が効果的かもしれません。
第三種冷凍機械責任者試験に一発合格する勉強方法
第三種冷凍機械責任者試験は、効率的な勉強を実践すれば講習なしで一発合格が可能です。
おすすめの勉強方法は、最初に過去問を解く方法です。
反対に、おすすめできない勉強方法は、テキストを読み込む勉強方法です。
基本的に試験は過去問と同様の問題が出るため、テキストを徹底的に読み込む必要はありません。
つまり、過去問を繰り返し解ければそれで試験はパスできます。
テキストを読み込むのは選択肢の1つですが、テキストには試験に出てこない内容も多々含まれています。
そのため、過去問とその解説を理解するようにして、どうしてもわからないときだけテキストを読んだり、ネットで調べたりするのがおすすめです。
ネットの情報はあてにならないと思われるかもしれませんが、冷凍機械責任者の内容はネット上にも優良な情報が多々存在します。
だからといってネット中心に勉強するのは情報がまとまっていない分非効率なので、主軸はあくまでも過去問、それを理解するための補足としてネット上の情報が存在するイメージです。
過去問の「丸暗記」はNG
冷凍機械責任者試験は暗記だけではクリアできません。解き方も含めて暗記すれば問題が解けるともいえますが、それは理解を含めた暗記です。
また暗記しようとしなくても、理解すれば勝手に覚えます。そう考えると、徹底的に過去問を理解することが重要なのです。
逆にいえば過去問を理解すればそれで終わりです。
市販の過去問集は解説が充実しているので、過去問を解き、解説を読みこむ作業が中心になります。過去問を見てまったく解けそうになければ、いきなり解説を見てもよいでしょう。
考える作業はたしかに重要ですが、考えても解答が導き出せなさそうな場合は解説を見て考え方を理解したほうが手っ取り早いからです。
解説を見てしっかり理解し、再度同じ問題を解きましょう。理解したうえで問題を解くことができれば、類似する問題も解くことが可能です。
つまり、過去問と類似する問題が出題される本番の試験も解けるということです。
第三種冷凍機械責任者はそこまで高難易度ではない
第三種冷凍機械責任者は、合格するのはそこまで難しくありません。
とはいえ、試験の費用はそれなりにかかるので、できれば一発合格を目指したほうがよいでしょう。
試験は年に1回しかないので、落ちると翌年に持越しというデメリットもあります。
また講習会に参加して科目を1つ減らすという選択肢もあるのですが、あまりおすすめしません。なぜなら講習はコスト、時間、労力の無駄が多いからです。
正しい方法で勉強すれば合格できる試験です。講習に参加する時間があるなら2科目しっかり勉強して、試験合格に必要な力を身につけたほうがよいでしょう。