ビルメン5点セットとは、第二種電気工事士、危険物乙4、2級ボイラー技士、第三種冷凍機械責任者、消防設備士の5つの資格のことを指します。
これらの資格を保有していることで、ビルメンテナンスに関する多岐に渡る業務に対応できることができるため、ビルメン5点セットという呼ばれ方をします。
目次
ビルメン5点セットとは、ビルメン業務にとても需要ある5つの資格のこと
先ほど申し上げた通り、ビルメン5点セットは下記5つの資格のことを指します。ここれはそれぞれの資格の解説を行います。
1. 第二種電気工事士
低圧電気設備に関する施工・保守・点検・修理などを行うことができる資格です。具体的には、600V以下で受電する電気設備の電気工事ができる資格になります。
建築物や家庭の電気設備、エアコンや照明などの設置・修理などが対象となります。
2. 危険物取扱者乙4
危険物取扱者の資格は甲種乙種に分かれており、さらにそこからさまざまな種別に分類されています。そのうち、ビルメン5点セットには乙種4類(通称乙4)が該当します。
危険物乙4は、可燃性液体を扱う場合に必要とされます。危険物の取り扱いに関する法律に基づいて、輸送、取扱、保管などを行うことができます。
3. 2級ボイラー技士
蒸気や温水を発生するボイラーの取り扱いに必要な資格です。ボイラーの点検、保守、修理、操作などを行うことができます。
ボイラー技士には1級や特級もありますが、ビルメン5点セットで必要なのは2級とされています。2級は、比較的小型のボイラーの取り扱いが対象となります。
4. 第三種冷凍機械責任者
冷凍機械責任者とは、冷凍設備の取り扱いに必要な資格です。冷凍機器や冷蔵庫、冷凍庫の点検、保守、修理、操作などを行うことができます。またビルの空調設備の管理も担当します。
冷凍機械責任者には第一種、第二種、第三種の3つの種類があります。そのうち、ビルメン5点セットに含まれている資格は第三種になります。
5. 消防設備士
消防設備士は、火災報知設備、自動火災報知設備、消火設備などの設置・保守・点検・修理を行うことができる資格です。
消防法に基づいて、公共の建物、高層マンション、工場、倉庫、商業施設などの施設には、消防設備士の配置が必要とされます。
ビルメン4点セットとの違いは消防設備士が含まれているかどうか
ビルメン5点セットと似たようなものに「ビルメン4点セット」と呼ばれるものがあります。
これらの違いは、「消防設備士」が含まれているかどうかです。
消防設備士とは名前の通り、消防に関する設備に関する管理業務を担う資格です。危険物取扱者のように甲種や乙種があり、種別に分かれています。特に火災報知設備に携る4類や、消火器の点検ができる6類が人気です。
どちらのセットを取得するかは、自身が働く職場や業界の要件によって異なります。とはいえ、一般的にはより幅広い分野で活躍するためには、多くの資格を取得している方が有利であるとされています。
ビルメン4点セットでもビルメンテナンス業務はできますが、消防設備士を持っていた方が仕事の幅は広がります。所持している資格は多いに越したことはありません。
ビルメン5点セットがあれば、様々なビルメンテナンス業務に携われる
ビルメン5点セットを持っていると、ビルメンテナンスに関する幅広い仕事ができるようになります。
以下は、ビルメン5点セットを持つことで可能になる仕事の例です。
- 建物の電気設備や電気配線の設置や修理など、電気工事に関する仕事
- 危険物の取り扱いや管理に関する仕事
- ボイラーや冷凍機械の設置や保守、修理に関する仕事
- 冷凍設備の運転管理に関する仕事
- 建物内の消防設備の設置や点検、保守に関する仕事
これらの仕事は、オフィスビルやマンション、病院や商業施設、工場など、様々な建物で必要とされる仕事であり、需要があるとされています。
また、ビルメン5点セットを持っていると、技術的なスキルを持つ専門職としての評価が高まり、より高い給与や待遇を得ることができる可能性もあります。
ビルメン5点セットを取得するメリットは多い
ビルメン5点セットの資格を取得するメリットは、主に以下のようになります。
高い専門性と技術力を持っていると認められる
ビルメン5点セットの資格を持つことで、ビルメンテナンスに関する幅広い知識や技術を身につけたことが認められます。
そのため、ビルメンテナンス業界での就職・転職において、より高い評価を受け、より高い給与や待遇を得ることができる可能性があります。
幅広い職種・業種での就職が可能
ビルメン5点セットの資格を持つことで、電気工事士や消防設備士、ボイラー技士など、多岐にわたる職種の仕事に就くことができます。
また、オフィスビルやマンション、病院や商業施設、工場など、さまざまな業種での就職が可能となります。
キャリアアップの可能性が高まる
ビルメン5点セットの資格を取得することで、自己成長やスキルアップに取り組んでいるという姿勢がアピールできるでしょう。
また、技術力や知識の習得ができるため、ビルメンテナンス業界での昇進や管理職へのキャリアアップの可能性が高まります。
永続的な需要がある
建物は年月が経つにつれて老朽化していき、定期的なメンテナンスが必要になります。
そのため、ビルメンテナンス業界においては、常に需要があります。そのため、永続的な安定した職業としての位置づけがあります。
ビルメン5点セットの未来は明るい
ビルメン5点セットを取得することで、建物管理業界でのキャリアアップや就職・転職の幅が広がると同時に、需要の高い分野での活躍が期待できます。
特に、エネルギー消費の削減や省エネルギー対策が求められる現代社会において、エネルギー効率の高い設備や環境整備に関する知識や技術が重要視されています。
また、近年ではIoT技術の進展に伴い、ビルメンテナンス分野でもセンサー技術やデータ解析技術を活用したスマートビル管理が注目されており、今後ますます需要が高まることが予想されています。
ビルメン5点セットの取得によってこれらの新しい技術に対応できる能力が高まるため、今後のビルメンテナンス業界での需要は高まっていくでしょう。