建築施工管理技士は、適切な学習を行わなければ合格することが難しい試験です。また、実務経験を満たしていても現場で実用的な知識が試験で使えるとはかぎりません。
そのため、この記事では建築施工管理技士に効率的に合格するための勉強方法について解説していきます。勉強パターンごとに紹介していくため、これから学習を始める方は参考にしてみましょう。
目次
1.どのくらい勉強時間が必要なのか?
現場で毎日疲れている方にとって、自宅で仕事から帰ってから毎日1~2時間学習をするのは、かなり大変だと思います。
1級は動画教材を利用するなど効率的に勉強しても180時間程度の時間が必要です。2級に関しても、同様に効率的に学習をしたとしても100~150時間ほどは必要です。
2.建築施工管理技術検定試験の勉強方法
建築施工管理技士を取得するための勉強方法はテキスト・動画・専門学校にわかれます。
参考書で独学をする
ここでは参考書を使って勉強する内容について説明します。
メリットと参考書での勉強がオススメな人
メリット
何といっても、コストが一番安いということです。必要なものは参考書と過去問題集だけですので、1万円程度で抑えることも可能です。
オススメな人
自己管理ができる能力が何といっても必要です。
生活習慣がきっちりとしており、決まった時間に、計画通りに学習ができる方は独学でも合格ができます。比較的、勉強が得意な方、他の資格も独学で取得した経験がおありであればより、お勧めです。
そして、現状を正確に把握できる方にもおすすめです。
資格試験ですから、合格ラインに対して今自分がどのぐらいのレベルまで到達できているのか?は常に意識しておく必要があります。
オススメの参考書
独学にオススメの参考書を紹介していきます。
2級建築施工管理技士 学科問題解説集
日建学院様が出版しているテキスト。項目別に分かれており、学習したい分野に合わせた学習が可能です。図及び解説がわかりやすい点もはじめて学習を行う方にもおすすめです。
分野別問題解説集 2級建築施工管理技術検定実地試験〈2019年度〉 (スーパーテキストシリーズ)
過去10年分の過去問と適切な解答例を掲載したテキストです。実地試験に対応しており、自分の経験に基づいた実地試験対策が可能となるでしょう。一部解説動画が付属していますが、書籍についているので、付録といったレベルです。
1級建築施工管理技術検定試験問題解説集録版〈2019年版〉
地域開発研究所が発行している学科試験に対応したテキストです。非常に詳細に解説がされていますので、全てを理解暗記すれば確実に合格できますが、他方、非常に分厚いので労力が大変かかってしまうのが難点です。
1級建築施工管理技士 実地試験問題解説集
実地試験専用のテキストです。過去10年分の過去問を掲載・徹底解説しており、自分の施工管理経験に当てはめることで対策を行うことが可能となるでしょう。
動画教材で独学をする
ここでは動画教材で勉強する内容について説明します。
メリットと動画教材での勉強がオススメな人
メリット
最近の動画教材はスマホ・PCで学習することが可能です。テキスト学習に対する知識の補完や定着などの使い方だけでなく、隙間時間などでも学習を行える点はメリットだといえるでしょう。
オススメな人
効率的に知識をインプットしたい方や、本での学習が苦手な方、時間をお金で買いたい意識の方は特におすすめです。
オススメの動画教材
独学にオススメの動画教材を紹介していきます。
SAT
基礎だけでなく、過去問に対する解説講義まで扱っています。問題集やテキストも付属していますので、自分に合わせた学習方法で学習を進めることが可能です。
また通信教育最大の弱点である、続かないをEラーニングシステムと目標達成法の世界的権威である「原田メソッド」との業務提携により克服しているのが特徴ですので、一人で全て進めることに不安を持っている人におすすめだといえるでしょう。
CIC
試験前には全国で講習会を実施しています。
講習会以外には、SATと同様に、webかDVDで学習するかを選択することが可能です。コースの内容なども紹介ページに記載されているため、自分に必要な学習内容を選択することができます。
一般社団法人 国家資格対策センター
ネット動画で学習を進めることができる講座を提供しています。最大で1年間の学習期間を設けているため、無理なく学習を進めることが可能です。また、2級と1級のどちらも学科と過去問に分かれているため、自分に必要な対策のみを受講することもできます。
専門学校に通う
ここでは専門学校に通って勉強する内容について説明します。
メリットと専門学校での勉強がオススメな人
メリット
専門学校の場合は、通学が前提であるものの、自分でスケジュールを立てる必要がなく、試験に対して疑問点などを気軽に聞ける環境があります。リアルタイムで疑問点を解消していくことができること、カリキュラムが決まっていることはメリットとなるでしょう。
オススメな人
自分で学習スケジュールを立てることが難しい方にオススメです。また、人に聞きやすい環境が整うため、周りに気軽に疑問点を聞ける人間が存在しない方もオススメの学習方法です。
ただし、毎週決まった時間に通学しなければならないので、負担が大きい点は注意が必要です
オススメの専門学校
オススメの専門学校を紹介していきます。
日建学院
自宅での学習、通学どちらも併用したうえで試験対策を行う講座を提供しています。学科と実地試験に分かれており、それぞれで直前対策まで行うため、試験に対して適切な学習を行うことが可能でしょう。
総合資格学院
オリジナルの教材を使用するだけでなく、受講をメインとして学習を進めていきます。そのため、高額となりやすいものの、通学で合格をめざす・人に聞きながら学習を進めたい場合にはお勧めです。
一般社団法人全日本建築士会
通信と通学どちらも提供している講座。受講日程が決まっており、比較的金額も数十万単位に届くものはないため、通学が必要な講座のなかでもコストが安価だといえます。既に日程が公表されているため、事前に相談することも可能です。
3.建築施工管理技術検定合格に向けた具体的な勉強スケジュールの立て方
ここまでは勉強方法について紹介していきました。自分のなかでこれがいいのではという候補が絞られたはずです。ではここからは実際に合格までの勉強スケジュールを立てていきましょう。
自分の苦手な分野を把握し、理解を進める
よく、試験前に講習会だけ参加される方がいますが、講習会は3日程度で実施されますので、それまで学習をしていなかった方が参加しても全く意味がありません。
やはり、毎日コツコツと学習することが不可欠です。
まずは、自分の苦手分野や理解の足りない分野を分析するところから始めましょう。
指定学科卒業であっても合格するために、苦手分野をカバーする必要があります。2級・1級どちらであっても知識として何が不足しているのか把握しましょう。
その上で、最後の1か月間は過去問題に取組むことを前提に、全体の計画を決めていきましょう。
過去問を使用しつつ実地試験対策を行う
どの資格試験でも最終的には過去問題に取組むことが必須です。
過去問を解くことによって苦手分野や得意分野を把握し、合格ラインである60%を上回ることを目指します。
そして、実地試験対策は、必ず専門の方に書き方を教えてもらいましょう。
独りよがりの経験記述を書いても、決して合格できません。
添削を必ず1回は受けておくとよいでしょう。上司の方に添削をしてもらうのが、難しい場合は添削サービスを利用しましょう。
1日1時間でも勉強を行う
多くの方が働きながら資格取得を目指されています。
皆さん、仕事で疲れているのは同じですが、学習を継続される方とできない方に分かれます。
お酒を飲む前やTVを見る前にたとえ1時間でもよいので、動画をみる、本を読む、問題を解いてみるなど毎日行うことを習慣化してください。
資格試験の勉強は自分との戦いです。
決意を紙に書いて、天井や壁やトイレに貼ることもお勧めです。
4.合格に向けて勉強する際の注意点はなに?
最後に合格に向けて勉強する際の注意点を紹介していきますので、心に止めておきましょう。
勉強の進捗具合を把握する必要がある
独学・動画で学習を進める場合、自分の知識の理解度を自分で把握する必要があります。そのため、自分の知識のレベルを把握できなければ独学で合格することは難しいといえるでしょう。把握する一番の方法は実際の過去問題に、試験時間内に解いてみることです。
基本の知識の勉強だけでは合格できない
テキスト学習で基本知識を覚えることが可能です。しかし、基本的な知識だけでは建築施工管理技士には合格できません。実地試験においても自分の経験に基づいた内容にするだけでなく、適切な書き方が必要とされるためです。
経験記述は対策が重要
1級と2級どちらも自分の経験を記述する必要があります。しかし、実際に自分の経験を自分の言葉で表しただけでは合格することは難しいといえるでしょう。先ほど説明したとおり、合格するための書き方は過去問や動画、講師などから学習しなければなりません。
5.まとめ
建築施工管理技士は生涯にわたって使える価値のある資格です。そして、独学でも合格は可能です。
しかし、自分に合った、適切な学習を重ねなければ合格することは難しく、年に1回しかない試験なので中には数年間も合格までにかかる方もいます。
テキスト・動画・専門学校など自分にあった学習方法を利用して1回で必ず合格するという決意のもと、建築施工管理技士の合格を目指しましょう。