電気工事施工管理技士

合格率や科目から1級電気工事施工管理技士の難易度を解説

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「職場で1級電気工事施工管理技士の資格を取るようにすすめられた」、「キャリアアップのために資格を取りたい」と考えている方も多いでしょう。実際に電気工事の業界においてはニーズの高い資格となっています。

しかし、いざ資格を取ろうとすると待ち構えているのが試験です。どんな試験なのかということや、難易度や合格率が気になる方も多いでしょう。本記事では、1級電気工事施工管理技士の難易度に焦点をあてて解説をしていきます。

1級電気施工管理技士の難易度

はじめに、1級電気施工管理技士の難易度を合格率や試験科目の面から紹介していきます。

平均合格率は学科が45.6%、実地が63.3%

1級電気施工管理技士では、学科試験と実地試験の2つに合格することで、資格を得ることができます。学科試験はマークシート方式、実地試験は記述方式です。合格率の平均は、学科試験が45.6%で実地試験が63.3%となっています。ただし、実地試験は学科試験を合格しているか、学科免除の条件を満たしている場合にのみ受験可能。そのため、実地試験の合格率が高くなっている可能性があります。学科試験で半数未満の合格率と考えると、難易度は高めの試験といえるでしょう。

試験科目と難易度

続いて、試験科目について紹介します。学科試験は、電気工学や施工管理法と法規が中心です。午前中に2時間半、午後に2時間の合計4時間半と長時間にわたる試験となります。マークシートでの解答であり、ほとんどの問題が正しいものや不適切なものを選ぶ形式です。92問のうち60問を選択して解答する形式となっているため、事前に過去問で問題選択のイメージをつかんでおくとよいでしょう。

もちろん選択だけでなく必須の問題もあるので、必須の問題は確実に解答できるように対策をするのがお勧めです。過去問を解くと必須問題の傾向が分かってくるでしょう。学科試験では、正確な知識が求められるため、繰り返し問題演習をして知識を定着させることが必要です。

学科試験に合格すると、実地試験という試験を受けることになります。こちらの試験は記述式で3時間の制限時間の中で解答することが必要です。学科試験のように知識の暗記や正誤の判断だけでは歯が立ちません。学科試験で理解した知識をもとに、より実践的な問題が出題されます。そのため、自分の理解したことや経験を文章として書き起こす必要があります。

特に難易度が高いのは、「施工体験記述問題」と呼ばれるもの。あなた自身が経験した施工と絡めて問題を解いていくことになります。そのため、今までの経験の棚卸しが必要となるでしょう。また、工事概要として、工事名や工期などを暗記しておき記述する必要もあります。それらの基礎が整った上で、問題で与えられるテーマに沿って経験を解答していかなければならず、対策が難しいといえるでしょう。

そのほかの問題では、指定されたテーマについて記述をしたり、法規の空所補充をしたりする問題などが出題されます。施工管理法という科目の中から出題されるようです。

1級電気施工管理技士と電気工事士との難易度の比較

ここまで、1級電気工事施工管理技士の難易度について解説してきました。「こんなに難しいのか」と驚いた方も多いかもしれません。ここでは、同じような系統の資格である「電気工事士」と難易度や出題科目について比較をしていきます。

電気工事士の合格率

まずは、電気工事士の合格率を紹介します。電気工事士の合格率は、1級の場合2016年が50.3%、2017年が47%です。そして、平均合格率は44.6%となっています。先ほど紹介したように、1級電気施工管理技士の平均合格率は学科試験が45.6%で実地試験が63.3%です。そのため、あまり差はないと考えることができるでしょう。もちろん実地試験に関しては高い合格率となっています。しかし、学科試験を合格しないと実地試験が受けられないことから、合格率は高くなっているはずです。

電気工事士の試験科目

では、試験科目の面では違いはあるのでしょうか。電気工事士の試験は筆記と技能に分かれています。筆記試験では、電気に対する基礎理論や配線理論などから配線図まで全部で9科目から出題されます。過去問を解く中で、パターンや知識の定着をさせていくことが合格の近道となります。また、筆記試験の後は技能試験です。技能試験では、実際に配線図で与えられたものを完成させることが必要になります。電線の接続から設置工事、故障箇所の修理まで9つの項目で評価されます。ただし、普段実務で経験している方であれば、技能試験は決して難易度の高い試験ではないようです。

とはいえ、電気工事士は電気工事の科目が中心となっています。1級電気工事施工管理技士は、電気工事に加えて施工管理に関する知識も必要となるので、学習範囲は多いといえるでしょう。また、実技試験は無いものの、施工体験記述問題をはじめとした記述対策が必要となってきます。実務経験から自分の言葉で解答をまとめる必要がある点から、電気工事士に比べて難易度は高いといえるでしょう。また、受験資格が厳しいのも1級電気工事施工管理技士です。1級電気工事施工管理技士では、実務経験等がないと受験できません。

他の資格取得で1級電気施工管理技士の難易度が下がる?

最後に、1級電気施工管理技士の難易度を下げる「学科試験免除」について紹介します。該当する資格があれば、実地試験のみの受験で資格を取得することが可能です。そのため、実地試験のみの対策にフォーカスできて学習時間を確保することができるでしょう。

資格取得による免除規定

1級電気施工管理技士は、学科試験免除の条件が2つあります。1つ目は、前年度の1級電気施工管理技士学科試験に合格をしている方です。その場合には、「前年度学科合格者専用申込書」という専用の申込書を使うことで、学科試験が免除になります。また、インターネット申込でも免除をしてもらうことが可能です。ただし、これ以外の方法では免除を受けられないので注意してください。

2つ目は、技術士法による技術士の第二次試験を受験していることが前提のものとなっています。その中で、技術部門の選択を、「電気電子部門」や「建設部門」、あるいは「総合技術監理部門」で選択科目が電気電子部門か建設部門としている方が対象です。これらの部門で技術士の第二次試験を合格し、その上で学科試験の受験資格(実務経験等)を満たしている場合に学科試験免除となります。この場合には、新規の1級電気施工管理技士申込書とともに、技術士の合格証や登録証の提出が必要です。

どちらの免除規定も年度によって変更される可能性があるため、受験前に必ず当該年度の「受験の手引」を確認することをお勧めします。

まとめ

今回は、1級電気施工管理技士の難易度について、他の資格試験と比較しながら紹介しました。1級電気施工管理技士は、電気工事や施工管理に関する知識や技術が求められる資格です。簡単な試験ではない分、合格すれば非常にニーズのある資格となっています。この記事を参考に、1級電気施工管理技士の受験を検討してみてください。

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