電気通信工事施工管理技士

【2024年版】電気通信工事施工管理技士を取得するメリットは?試験の概要も解説!

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電気通信工事施工管理技士は、2019(令和元)年度にできた新しい国家資格です。

インターネットの普及により注目されているとともに、社会から有資格者が求められています。

本記事では電気通信工事施工管理技士の概要やメリットを、仕事内容や受験資格、試験内容とともに解説します。

電気通信工事施工管理技士とは?

まずは、電気通信工事施工管理技士の仕事内容について解説します。

電気通信工事施工管理技士の資格概要

冒頭でも紹介した通り、電気通信工事施工管理技士は新しい国家資格です。試験は全国建設研修センターが実施しており、以下の2種類があります。

試験の特徴
1級 年1回実施。第一次検定合格後、第二次検定を受験する。2級合格は必須とされない。
2級 第一次検定と第二次検定を同日に受験できる。第一次検定のみ年2回実施。

第一次検定はマークシート方式、第二次検定は記述式で行われますから、実技試験はありません。試験範囲はどちらも同じですが、1級のほうが2級よりもより深い知識を求められます。

なお1級と2級の第二次検定にはどちらも受験資格があるため、実務経験者でないと受験できません。このため、プロの能力を裏付けることができる試験といえるでしょう。

電気通信工事施工管理技士になると行える業務

電気通信工事施工管理技士は電話やインターネットやテレビに関する配線などの工事に関するための資格です。

2級を取得すると専任技術者1級を取得するとそれに加えて主任技術者、監理技術者として従事できます。なお専任技術者や主任技術者、監理技術者については、この後で解説します。

職場で重要な役割を任されやすくなり、貴重な人材として扱われることは大きなメリットです。 工事の一例として、以下のものがあげられます。

No. 工事名
1 有線LANの設置工事
2 無線LAN(Wi-Fiなど)の設置工事
3 防犯カメラや入退室管理システムの設備工事
4 CATVやテレビ共同受信設備工事
5 モバイル通信用の設備工事

電気通信工事施工管理技士の資格を取得するメリット

電気通信工事施工管理技士を取得することで、以下にあげる3つのメリットが得られます。それぞれのメリットについて、順に解説します。

専任の技術者として仕事に従事できる

電気通信工事業を営む際には、軽微な工事を除き、国土交通省大臣または都道府県知事より建設業の許可が必要です。

そして、建設業の許可を受けた事業所は営業所ごとに「専任の技術者」を配置することが義務づけられています。この「専任の技術者」に含まれるのが電気通信工事施工管理技士です。

「専任の技術者」は、国家資格の保有者または一定期間の実務経験年数を積んだ者に限られるため、多くは存在しません。このため職場において、貴重な人材として活躍できることが第1のメリットです。

監理技術者・主任技術者など重要な立場で仕事ができる

電気通信工事施工管理技士を取得すると、該当する工事の「監理技術者」または「主任技術者」として従事できます。

「監理技術者」は、元請けの特定建設業者が総額4,500万円以上(建築一式の場合は7,000万円以上)の下請契約を行った場合の工事現場に配置が義務づけられています。

「主任技術者」は、元請け・下請けに関わらず監理技術者が必要な工事以外の全ての工事現場に配置が義務づけられています。

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このように重要な立場で仕事ができることも、電気通信工事施工管理技士を取得するメリットです。

インターネット時代の世の中において需要が増している

近年、生活や仕事を含めた社会全体において、インターネット環境が必要不可欠な存在となりました。

IT技術の進化に伴い、電気通信工事の種類や件数は増加傾向です。 その一方、電気通信工事の監督ができる技術者は圧倒的に不足しています。

電気通信工事施工管理技士が新資格として登場したのもこのためです。電気通信工事の需要はこれからも増え続けることが見込まれるため、電気通信工事施工管理技士の取得は仕事の安定につながります。

【2024年版】電気通信工事施工管理技士の試験はどんなもの?

続いて、電気通信工事施工管理技士の試験がどういったものか解説します。試験の詳細や難易度、受験資格について見ていきましょう。

試験概要

電気通信工事施工管理技士には「第一次検定」と「第二次検定」があります。第一次検定はマークシート方式、第二次検定は記述式で行われます。

以下、試験日程や科目、受験費用を示します。2024年度(令和6年度)の試験日程は以下のとおりです。

1級電気通信工事施工管理技士
第一次検定 令和6年9月1日(日)
第二次検定 令和6年12月1日(日)
2級電気通信工事施工管理技士
前期試験 第一次検定のみ 令和6年6月2日(日)
後期試験 第一次検定のみ
第二次検定のみ
第一次・第二次検定
令和6年11月17日(日)
試験区分 試験科目
第一次検定 電気通信工学など、施工管理法、法規
第二次検定 施工管理法

ただし1級と2級の試験基準は、以下のとおり異なります。1級のほうがより高度なレベルを求められます。

  試験科目 1級 2級
第一次検定 電気通信工学など 電気通信工事の施工に必要な電気通信工学、電気工学、土木工学、機械工学および建築学に関する一般的な知識を有すること。
有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備など(以下「電気通信設備」という。)に関する一般的な知識を有すること。
設計図書に関する一般的な知識を有すること。
電気通信工事の施工に必要な電気通信工学、電気工学、土木工学、機械工学および建築学に関する概略の知識を有すること。
有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備など(以下「電気通信設備」という。)に関する概略の知識を有すること。
設計図書を正確に読みとるための知識を有すること。
施工管理法 電気通信工事の施工計画の作成方法および工程管理、品質管理、安全管理など工事の施工の管理方法に関する一般的な知識を有すること。 電気通信工事の施工計画の作成方法および工程管理、品質管理、安全管理など工事の施工の管理方法に関する概略の知識を有すること。
法規 建設工事の施工に必要な法令に関する一般的な知識を有すること。 建設工事の施工に必要な法令に関する概略の知識を有すること。
第二次検定 施工管理法 設計図書で要求される電気通信設備の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気通信設備の施工図を適正に作成し、および必要な機材の選定、配置などを適切に行うことができる高度の応用能力を有すること。 設計図書で要求される電気通信設備の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気通信設備の施工図を適正に作成し、および必要な機材の選定、配置などを適切に行うことができる一応の応用能力を有すること。

引用元: 全国建設研修センター「1級電気通信工事施工管理技術検定試験」 「2級電気通信工事施工管理技術検定試験」

受験費用は1級と2級で異なります。また第一次検定・第二次検定それぞれ受験料が必要です。

受験手数料
1級 第一次検定・第二次検定とも、それぞれ13,000円
2級 第一次検定・第二次検定両方とも受験:13,000円
第一次検定・第二次検定どちらかを受験:6,500円

難易度

電気通信工事施工管理技士試験の合格率ですが、令和5年度の結果は以下のとおりです。なお2級第一次検定は年2回開催されるため、後期試験の合格率掲載しています。

令和5年度 電気通信工事施工管理技士 試験データ
  1級
第一次
1級
第二次
2級
第一次
2級
第二次
合格率 51.2% 37.0% 59.9% 36.3%
受験者数 6,073人 5,783人 2,782人 3,549人
合格者数 3,108人 2,138人 1,666人 1,290人

一見すると、難易度は高くない試験と思うかもしれません。しかしこの試験は後で示すとおり、電気通信工事の実務経験者だけが受けられる試験です。

この点を踏まえると、決して簡単な試験ではありません。このため合格するには、入念な準備が求められます。

受験資格【令和6年度より新制度】

電気通信工事施工管理技士には、1級・2級ともに受験資格がありますが、令和6年度より電気通信施工管理技士を含めた施工管理技士の受験資格が大きく変更されることになりました。

新しい受験資格は以下のとおりです。

1級電気通信工事施工管理技士 受験資格(令和6年度以降)

第一次検定 第二次検定
19歳以上
(試験実施年度末において)

1級一次検定合格後
実務経験5年以上

特定実務経験1年以上を含む実務経験を3年以上
監理技術者補佐の実務経験1年以上

2級二次検定合格後(1級一次合格者に限る)
実務経験5年以上

特定実務経験1年以上を含む実務経験を3年以上

2級電気通信工事施工管理技士 受験資格(令和6年度以降)

第一次検定 第二次検定
17歳以上
(試験実施年度末において)

2級一次検定合格後、実務経験3年以上

または

1級一次検定合格後、実務経験1年以上

移行前と比較し、一番大きな変更点としてあげられるのは、1級一次の受験に実務経験が不要になった点だと言えます。以前までは学歴によって実務経験が数年間義務付けられていましたが、新制度では19歳以上(試験実施年度末)であれば誰でも受験が可能となりました。

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つまり、大学生や専門学生はもちろん、高卒で社会人として働いている人も含めて、年齢制限だけクリアしていれば誰でも1級の一次を受験可能ということです。

また第二次検定に関しては1級2級とも実務経験は必要ですが、こちらも旧制度は学歴によって年数が決められていたのに対して、新制度では試験の合格後から年数が定められることになりました。

ただし、制度の移行期間として第二次検定に関しては令和10年度までは旧受験資格でも受験が可能です。

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今回の記事では、電気通信工事施工管理技士を取得するメリットと試験の概要について解説しました。電気通信工事施工管理技士を取得するメリットは、以下のとおりです。

No. メリット
1 受験できる方が限定されるため、資格の取得により実力を証明できる
2 監理技術者・主任技術者として現場の責任者になれる
3 インターネットの普及により、有資格者の需要が増加している

電気通信工事施工管理技士試験の受験には実務経験が必要です。そのため、仕事をしながら知識と経験を身につけ、試験対策を進めることが近道です。これからの時代に求められる資格ですから、興味を持った方は積極的に挑戦することをおすすめします。

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