ダイオキシン特別教育は、ダイオキシン類に関する業務から作業者の安全を確保するために実施されれます。
実施方法としては、各自で講習会に参加する方法が一般的ですが、最近ではWebでも受講ができるようになっています。
ここでは、講習会やWeb講座のダイオキシン特別教育の概要や、使用されている資料やテキストについて解説していきます。
ダイオキシン特別教育とは
まず、ダイオキシン特別教育とはどういったもので、何のために実施されるのかを解説します。
ダイオキシンに関する業務とは、「廃棄物の焼却施設に関する業務」のことです。
具体的には、次のような業務です。
NO | 業務内容 |
---|---|
1 | 廃棄物の焼却施設にて、ばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取扱う業務 |
2 | 廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の保守点検等の業務 |
3 | 廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の業務及びこれに伴うばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取扱う業務 |
こういった業務では、ダイオキシンの危険が伴います。
ダイオキシンは、大量に体内に入ると即死する可能性が高いので、とても危険です。
少量の摂取でも、胎児の奇形や発育の異常、免疫機能の低下やがんの発症リスクがアップするため、ダイオキシンは人の健康を脅かす存在といえるでしょう。
したがって、上記の業務に従事する作業者はダイオキシンについて、正しい知識と経験を身に付けた方でなければいけません。
そのために実施されるのが「ダイオキシン類作業従事者特別教育」です。
ダイオキシンの危険が伴う業務とは
ダイオキシンの危険が伴う業務について、「労働安全衛生法」では、次のように定められています。
労働安全衛生法第59条第3項 |
---|
事業者は、厚生労働省令で定める危険又は有害な業務に労働者をつかせるときは、その業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならない |
上記が、特別教育を実施する目的です。他の特別教育と同様に、ダイオキシン特別教育は、作業者の安全と衛生を守るために実施します。
特別教育を受講する方は、自分の命を守るためにも、実際の現場で発生するリスクについて正確に把握してください。
なお、もし事業者が従業者に対して特別教育を受けさせずに作業に従事させた場合は事業者側が「「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」に科せられる可能性があります。
ダイオキシン特別教育で使う資料やテキスト
ここでは、ダイオキシン特別教育で使う資料やテキストについて解説します。
ダイオキシン類のばく露を防ぐ-特別教育用テキスト-
このテキストは中央労働災害防止協会が出版しているテキストになります。目次を見ると以下のようになっています。
はじめに
第1章 ダイオキシン類の有害性
第2章 作業の方法及び事故の場合の措置
第3章 作業開始時の設備の点検
第4章 保護具の使用方法
第5章 その他ダイオキシン類のばく露の防止に関し必要な事項
第6章 その他の労働災害防止に関する事項
参考 関係法令
まず最初にダイオキシンの有害性について学びます。先ほども少し触れましたが、ダイオキシンは極少量でも人体に悪影響を及ぼす可能性があるので、身の安全を守るためにもよく理解をしておく必要があります。
その後、万が一の事故発生時の対応や、実際の作業時の手法や注意点を学びます。なお巻末には廃棄物焼却施設における災害事例や、作業者のためのチェックリスト(例)も掲載してあります。
ダイオキシン特別教育のプログラム
では、ダイオキシン特別教育はどのようなプログラム(科目)が組まれているのでしょうか。
Web講座でダイオキシン特別教育を実施しているSATの例を見てみましょう。
No. | プログラム | 時間 |
---|---|---|
1 | ダイオキシン類の有害性 | 52分 |
2 | 作業の方法および事故の場合の措置 | 1時間50分 |
3 | 作業開始時の設備の点検 | 34分 |
4 | 保護具の使用方法 | 1時間16分 |
5 | ばく露の防止に関し必要な事項 | 53分 |
6 | 確認テスト | 8分 |
上記がSATのダイオキシン特別教育のプログラムです。プログラム名を見ても先ほど紹介したテキストと同じような内容になっていることに気づかれたかと思います。
これは、テキストもSATのWeb講座の両方ともが、労働安全衛生規則第三十六条第三十四号から三十六号、安全衛生特別教育規定第二十一条に基づく「ダイオキシン類作業(廃棄物の焼却施設に関する業務)に係る特別教育」をもとにして作成されたものだからです。
しかし、SATの場合はWeb講座なので、先ほど紹介した書籍タイプのテキストを使用することはありません。ただし、PDFによる独自のテキストを使用します。
動画講義について
SATの場合は収録された動画講義を視聴して、上記プログラムの通りに学習を進めます。各プログラムにある時間は動画の再生時間のことです。合計で5時間33分となっています。
動画にはPDFのテキスト画面が表示されているので、もしPDFのテキストが用意できない状態でも学習を進めることが可能です。もちろん印刷をして紙媒体で見ながら動画視聴を行うこともできます。
動画はPCやスマートフォン、タブレット端末で視聴できます。インターネットに接続できる端末なら使用可能ですが、受講時には端末のカメラ(または接続されたWebカメラ)をオンにする必要があります。これは受講状態を確認するためです。
SATでは独自の顔認証システムを利用おり、受講されている方がしっかりと学習できているかを確認するために端末のカメラを使用しています。そのため、受講状態を監視する人を用意するとったことは必要ありません。
オンライン講座の大きなメリットは、24時間いつでも受講可能ということです。また端末やインターネット環境があれば受講できるので、自由な場所で受講できます。
労働安全衛生規則に基づいて作成された講座で、かつ24時間いつでも受講可能なシステムとなっています。ダイオキシン特別教育の受講はWeb講座をぜひご検討ください。