土木施工管理技士

2級土木施工管理技士実地試験の難易度や対策とは

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地震や台風による被害が相次ぎ、建物の老朽化も進んできています。今では、災害復旧の工事現場で現場監督として重宝されている『2級土木施工管理技士』。2級土木施工管理技士は、学生から社会人まで幅広い世代が受験しています。

この資格を取得するには、一般財団法人全国建設研修センターが実施している2級土木施工管理技術検定試験に合格する必要があります。試験は学科試験と実地試験に分かれており、学科試験に合格しても実地試験では不合格だったという人もたくさんいます。

この記事では、2級土木施工管理技士の実地試験の難易度、対策などについてまとめていますので、是非試験にチャレンジされる方は参考にしてみてください。

2級土木施工管理技士実地試験の内容

実地試験の受験資格

まずは、実地試験の受験資格から説明します。
2級土木施工管理技士の学科試験は前期と後期で計2回ありますが、実地試験は年に1回しかないので注意が必要です。

実地試験の受験資格は、大きく分けて2つあります。

当年度の2級土木施工管理技術検定・学科試験の受験者
(ただし、「学科試験のみ受験者」を除く。)
学科試験の免除者

学科試験の免除者に該当されているかどうかは、こちらで詳しく紹介されているのでご覧ください。
参照:(全国建設研修センター HP

※受験資格は制度変更される場合がありますので、詳細については、必ず試験実施機関にてお確かめください。

実地試験の出題範囲と形式

次に実地試験の出題範囲と形式について説明します。
経験記述を含めて、すべてが記述式解答で、文章記述・穴埋め・穴埋め選択・計算問題など文字や数字で簡潔に解答しなければなりません。

特に経験記述では、自分が経験してきたことを文章にできるかどうかが問われます。あらかじめ第三者に説明できるような文章力を身に付けるようにしましょう。

問題数と出題内容について以下の表1.にまとめましたのでご覧ください。

問題数は全9題あり、そのうち必須問題が5題、残りは選択問題となります。参考書などの過去問題から出題しやすい内容を事前に把握しておくといいでしょう。

参照:総合資格学院

出題内容はその年によって変わりますが、出題パターンは例年、このような形式ですので参考にしてみてください。表1.は実際に令和元年度に実施された実地試験の内容です。

2級土木施工管理技士実地試験の難易度

実地試験の合格率

平成26年度から平成30年度までの2級土木施工管理技士 実地試験の合格率推移を以下の表にまとめました。

参考:株式会社東北技術検定研修協会

表2.を見るとわかるように、実地試験は平均が33.7%とここ数年は30%台で推移しています。

学科試験と比べると合格率が低い

表2.をもう一度見てみると、学科試験の平均合格率は60.6%と実地試験と比較すると高くなっています。その理由は、四肢択一式である学科試験は、少なくとも25%の正答率が確保できるので点を取りやすいからです。過去問題を何度も暗記すれば合格率を上げることも可能です。

それに対して、実地試験は記述式になるので採点する立場になって記述する必要があります。特に経験記述でつまずく人が多いのではないでしょうか。暗記だけでは解答できないので、学科で覚えたキーワードを使いこなせなければ合格することは難しいです。

そんな実地試験の対策について次の項目で詳しく解説していきます。

土木施工管理技士2級実地試験の対策

学科試験対策で勉強した内容の理解を深める

実地試験では、学科試験の選択問題とは全てが異なる記述式となります。当然、学科試験と同じ暗記をする等の勉強方法では合格することは厳しいでしょう。
ですが、学科試験で覚えた知識の応用的な問題が出題されます。特に各用語の意味や工法について記述できるようにしておきましょう。
学科の試験問題を解けた人でも実際に記述してみるのは結構難しいものです。何度も繰り返し勉強して各用語を接続できる文章が記述できるようにすることが合格への近道といえます。
なお、実施試験については、参考書よりも講習会や通信料育の模擬試験を積極的に活用した方が勉強になると思います。

経験記述のテーマは全て用意しておく

経験記述のテーマは全部で6種類あります。

施工計画
工程管理
品質管理
出来形管理
安全管理
環境管理

その年度によりどのパターンが出題されるかわかりませんが、例年この6パターンから2題が出題されます。実務経験が少ない方にとっては、自分の経験で記述し難いテーマもあると思います。ですが、どのテーマが出てもいいように、事前にすべての出題に対応できるように準備しておくことが、とても重要です。

ここで大事なのが、すべてのパターンをひとつの現場で記述できるように勉強しておくことです。その理由は、実際に試験で記述する時に複数の現場でのことを思い出すのが大変だからです。ひとつの現場だけに決めておけば、暗記する言葉も少なくて済みます。

暗記するといっても、参考書を丸暗記してはいけません。

参考の文章をコピーしない

全体の文章の構成を知る上で、参考書を活用することはオススメします。文章構成の流れが掴めれば、あとはそれに当てはまるように自分が経験したことを記述していきましょう。ですが、参考書や例文を丸ごと真似するのは不正になってしまう可能性があるので絶対に止めましょう。

どんな文章でも、人それぞれにクセがあるものです。参考書の例文を書いている人の文章は目立ちますので、採点者が見ればすぐにコピーだとバレてしまいます。実際に参考書を丸暗記するよりも、自分が経験した記憶を思い出しながら記述をした方がスラスラ書けるはずです。

添削をしてもらう

記述式の試験は不慣れな人が多い為、自分ではよく出来たつもりでも、相手にはうまく説明できていなかったり、誤字脱字や文章の使い方が変になっていたりと、必ずミスがあるものです。ですが、これは何度も他の人に添削してもらい、修正していけば直していけます。

添削の方法としては、職場にいる上司から添削してもらっても良いでしょうし、それが難しいようであれば通信教育で添削してもらうという方法もあります。通信教育の添削サービスであれば、自宅にいながら専門の講師に添削をしてもらえます。

まとめ

今回の記事では、2級土木施工管理技士 実地試験の難易度、対策についてお伝えしてきました。

過去の合格率の推移からもわかるように、実地試験は学科問題よりもかなりハードルが高く設定されています。学科試験と比較して問題数は明らかに少なく、その分過去問題も少ないです。勉強方法を切り替えるのは大変かもしれませんが、自分の言葉でしっかりと書いてあれば必ず合格できます。

何度も文章を書いて修正していけば、あなただけの経験記述になります。あきらめずに頑張りましょう。

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