土木施工管理技士

2級土木施工管理技士の受験資格を分かりやすく解説

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2級土木施工管理技士の受験資格は非常に煩雑ですが、学歴ごとにまとめると意外と簡単です。今回はそんな受験資格の中でも「学科試験が免除になる方」を中心に細かく分かりやすく解説しているので、ぜひ最後まで目を通してください。

2級土木施工管理技士の受験概要

まずは2級土木施工管理技士の受験概要について、細かく解説していきます。

受験料

学科試験のみ/実地試験のみ:4,100円
学科・実技試験の同時申込:8,200円

試験会場

1)学科試験(前期)※種別は土木のみ
札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10地区

2)学科試験(後期)
札幌、釧路、青森、仙台、秋田、東京、新潟、富山、静岡、名古屋、大阪、松江、岡山、広島、高松、高知、福岡、鹿児島、熊本、那覇の20地区

3)学科・実地試験
2の試験地から熊本を除外した19地区
※鋼構造物塗装及び薬液注入は札幌、東京、大阪、福岡の4地区のみ

試験内容

1)学科試験
試験方法:四肢択一のマークシート方式
試験時間:2時間10分(午前)
出題数/必要解答数:61問/40問
※土木施工管理技士試験は必須問題と選択問題があるので、必要解答数さえ満たせば得意な科目以外は数問飛ばすことができます。

試験科目
○土木一般 選択問題 11問中9問解答
 ・土工 4問
 ・コンクリート 4問
 ・基礎工 4問
○専門土木 選択問題 20問中6問解答
 ・構造物 3問
 ・河川、砂防 4問
 ・道路、舗装 4問
 ・ダム、トンネル 2問
 ・海岸、港湾 2問
 ・鉄道、地下構造物 3問
 ・上下水道 2問
○法規 選択問題 11問中6問解答
 ・労働基準法 2問
 ・労働安全衛生法 1問
 ・建設業法 1問
 ・道路関係法 1問
 ・河川関係法 1問
 ・建築基準法 1問
 ・火薬類取締法 1問
 ・騒音規制法 1問
 ・振動規制法 1問
 ・港則法 1問
○共通工学 必須問題 4問中4問解答
 ・測量 1問
 ・契約、設計 2問
 ・機械、電気 1問
○施工管理法 必須問題 15問中15問解答
 ・施工計画 3問
 ・工程管理 2問
 ・安全管理 4問
 ・品質管理 4問
 ・環境保全 1問
 ・建設リサイクル 1問

2)実地試験
試験方法: 記述式
試験時間:2時間(午後)
出題数/必要解答数:9問/7問

試験科目
○施工管理法
 ・施工経験記述 1問 
 ・土工 2問 
 ・コンクリート 2問 
 ※ここまでの5問は必須問題
 
 ・土工 1問
 ・品質管理 1問
 ※この2問からいずれか1問を選択

・安全管理 1問
 ・環境保全、工程管理 1問
 ※この2問からいずれか1問を選択

2級土木施工管理技士の受験資格

2級土木施工管理技士の受験資格は学科と実地で大きく変わります。学科のみの場合は単純ですが、実地が煩雑なので、学科・実地両方受験する方と実地のみを受験する方の受験資格を細かく解説していきます。

学科のみの受験資格

受験年度中における年齢が17歳以上の方
※受験年度は4月~3月末で動いているので、例えば令和元年度の試験を受ける場合は令和元年3月末までに17歳以上であれば受験ができるということです。

学科・実地両方受験する場合の受験資格

学科と実地を同時受験する場合は「学歴」+「実務経験年数」が受験資格になります。
学歴によって4つの区分があるので、ご自身の該当する学歴から必要な実務経験年数を算出し、その実務経験を試験日前日までに満たしている必要があります。

1)学歴:大学および専門学校「高度専門士」
必要な実務経験年数(*1)
①指定学科(*2)を卒業している方 1年以上
②指定学科以外を卒業している方 1年6カ月以上

2)学歴:短期大学および高等専門学校および専門学校「専門士」
必要な実務経験年数(*1)
①指定学科(*2)を卒業している方 2年以上
②指定学科以外を卒業している方 3年以上

3)学歴:高等学校(*3)および中等教育学校および専門学校(「高度専門士」「専門士」を除く)
必要な実務経験年数(*1)
①指定学科(*2)を卒業している方 3年以上
②指定学科以外を卒業している方 4年6カ月以上

4)その他
必要な実務経験年数 8年以上

*1実務経験に含まれる職務経験は次の項目で細かく解説しています。
*2指定学科とは、土木工学・都市工学・衛生工学・交通工学及び建築学に関する学科のことです。
*3高等学校の指定学科以外を卒業した者には、高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)による試験、旧大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による検定、旧専門学校入学者検定規程(大正13年文部省令第22号)による検定又は旧高等学校高等科入学資格試験規程(大正8年文部省令第9号)による試験に合格した者を含む。

実地試験の受験資格

実地試験の受験資格は以下のいずれかに該当する方になります。
イ)当年度の2級土木施工管理技術検定・学科試験の受験者
  ※ただし、「学科試験のみ受験者」を除く
ロ)学科試験の免除者
上記の「ロ 学科試験免除者」が非常に煩雑なので、細かく解説していきます。
1)令和元年度2級土木施工管理技術検定「学科・実地試験」の学科試験合格者

2)平成29年度以降の学科試験のみ合格者で、2級土木施工管理技術検定「学科・実地試験」の受験資格を有する者

3)技術士法による第二次試験で以下の技術部門に合格した方のうち、2級土木施工管理技術検定「学科・実地試験」の受験資格を有する者
①建設部門
②上下水道部門
③農業部門(選択科目を農業土木とするものに限る)
④森林部門(選択科目を森林土木とするものに限る)
⑤水産部門(選択科目を水産土木とするものに限る)
⑥総合技術監理部門(選択科目を建設部門もしくは上下水道部門、「農業土木」、「森林土木」または「水産土木」とするものに限る)

ここからは学歴ごとに区分されています。

4)大学
①大学の指定学科を卒業後1年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格している
②大学卒業後4年以内に行われる2級土木施工管理技術検定の実地試験を受験しようとする
③土木施工管理に関して1年以上の実務経験を有する
①~③をすべて満たす方は、卒業後4年以内に行われる連続する2回の学科試験が免除

5)短期大学または高等専門学校
①短期大学または高等専門学校の指定学科を卒業後2年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格している
②短期大学または高等専門学校卒業後5年以内に行われる2級土木施工管理技術検定の実地試験を受験しようとする
③土木施工管理に関して2年以上の実務経験を有する
①~③をすべて満たす方は、卒業後5年以内に行われる連続する2回の学科試験が免除

6)短期大学または高等専門学校卒業後、大学の指定学科へ進学し卒業した方の場合
①短期大学または高等専門学校の卒業後2年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格している
②短期大学または高等専門学校卒業後6年以内に行われる2級土木施工管理技術検定の実地試験を受験しようとする
 ※短期大学または高等専門学校、大学において指定学科を修めて卒業していること
③土木施工管理に関して1年以上の実務経験を有する
①~③をすべて満たす方は、卒業後6年以内に行われる連続する2回の学科試験が免除

7)高等学校または中等教育学校
①高等学校または中等教育学校の指定学科を卒業後3年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格している
②高等学校または中等教育学校卒業後6年以内に行われる2級土木施工管理技術検定の実地試験を受験しようとする
③土木施工管理に関して3年以上の実務経験を有する
①~③をすべて満たす方は、卒業後6年以内に行われる連続する2回の学科試験が免除

8)高等学校または中等教育学校卒業後、短期大学または高等専門学校の指定学科へ進学し卒業した方の場合
①高等学校または中等教育学校の指定学科を卒業後、平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格している
②高等学校または中等教育学校卒業後7年以内に行われる2級土木施工管理技術検定の実地試験を受験しようとする
 ※高等学校または中等教育学校、短期大学、専門学校(5年制)において指定学科を修めて卒業していること
③土木施工管理に関して2年以上の実務経験を有する
①~③をすべて満たす方は、卒業後7年以内に行われる連続する2回の学科試験が免除

9)高等学校または中等教育学校卒業後、大学の指定学科へ進学し卒業した方の場合
①高等学校または中等教育学校の指定学科を卒業後、平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格している
②高等学校または中等教育学校卒業後8年以内に行われる2級土木施工管理技術検定の実地試験を受験しようとする
 ※高等学校または中等教育学校、大学において指定学科を修めて卒業していること
③土木施工管理に関して1年以上の実務経験を有する
①~③をすべて満たす方は、卒業後8年以内に行われる連続する2回の学科試験が免除

※指定学科とは、土木工学・都市工学・衛生工学・交通工学及び建築学に関する学科のことです。

2級土木施工管理技士の実務経験とは

2級土木施工管理技士の受験資格にある実務経験とは、土木工事の施行に直接的に関わる技術上のすべての職務経験をいいます。

具体的には
①受注者(請負人)として施工を指揮・監督した経験
※施工図の作成や補助者としての経験も含む
②発注者側における現場監督技術者等
 ※補助者としての経験も含む
③設計者等による工事監理の経験
 ※補助者としての経験も含む

ただし、以下に該当する場合は“施行に直接的に関わらない”として経験に含まれません。
①設計のみの経験
②建設工事の単なる雑務や単純な労務作業、事務系の仕事に関する経験

職務経験①~③のいずれかの実務経験を学科試験日の前日までに満たしている必要があります。

実務経験証明書は職場で発行されるので、自身が該当するか、また試験前日までに満たすことができるかは、職場に確認をしておくことが重要です。

まとめ

2級土木施工管理技士試験は受験資格が学科のみと学科・実地の同時受験、実地受験(学科免除)の3区分があります。

特に学科免除は一見すると煩雑に見えますが、要約すると学歴ごとに分かれていて、ご自身が該当する箇所だけを確認すれば難しくありません。受験を考えている方は正しい受験資格を把握して、しっかり準備して臨みましょう。

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