消防設備士は甲種と乙種にわかれており、どちらであっても消防設備士でなければ行えない業務が存在しています。
では、消防設備士を取得した場合、転職に有利にとなるのでしょうか。
実は消防設備士は消防設備業務はもちろん、不動産関係やそれ以外の業種でも活躍することが可能です。
ここでは、消防設備士を取得した場合の転職への影響や、ニーズとして高いのかなどについて詳しく紹介していきます。
目次
消防設備士を取得すると、どのような仕事に就けるのか?
消防設備士を取得した場合、基本的には消防設備の整理・点検・工事を行うことが可能です。
そのため、消防設備が必要な施設を保有する全ての企業に対して消防設備士の資格保有者は需要があるといえます。
ここでは、消防設備士を取得することで就くことができる職業についてみていきましょう。
消火設備施工管理
消火設備施工管理は、事業消火設備などの取り付け工事を管理する職業です。
パッケージ型の自動消火設備や特殊な薬剤を用いた消火設備を取り扱い、それらの工事を管理することによって利益をあげます。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | N株式会社 |
地域 | 関東地方 |
仕事内容 | 防災機器のうち、火災報知設備の施工管理業務 |
歓迎条件 | 消防設備士甲種第4類保有者、第二種電気工事士の資格保有者、電気設備の施工管理経験有、防災業界での就業経験有、防災設備点検に関する資格保有者 |
応募条件 | 正社員のみ |
給料 | 22万円~35万円+手当 |
実際の求人例としては、上記のとおりです。
この求人の場合、消防設備士だけでなく第二種電気工事士の資格も歓迎条件に含まれていますので、もし両方の資格を持っていると即戦力として活躍できるでしょう。
不動産設備管理
不動産設備管理は、不動産会社の部門で消防設備の監理・点検を行う職業です。
例えば、マンションやオフィスビルを取り扱っている企業であれば、消防設備の定期的な巡回は必要です。
また、マンションやオフィスビルであれば必ずそういった設備が存在しているため、全国どこでもニーズがあります。特に都市部であれば、仕事に困ることはありません。
項目 | 詳細 |
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会社名 | T株式会社 |
地域 | 関東地方 |
仕事内容 | マンションやアパートなどの消防設備の点検・補助 |
歓迎条件 | 消防設備士の資格保有者、消防設備点検の経験者、電気工事士の資格保有者 |
応募条件 | 正社員のみ |
給料 | 22万円~35万円+手当 |
実際の求人例としては、上記のとおりです。消防設備士の資格とあわせて電気工事士の資格を優遇条件に入れている企業が多く存在するので、それぞれの資格取得を心がけましょう。
消防設備士の資格のみ保有している場合はもちろん、未経験者も募集している企業は多く存在するので、求人サイトにて情報を確認してください。
消防施設点検
消防用設備の保守・点検の職業は、非常ベルや火災感知器、防火扉などを対象として業務を行います。
例えば、エリアなどで分けられており、担当する建物を巡回しながら異常がないかどうかを調べる業務内容となっています。
契約を結んでいる会社によってどのように巡回するかは変わってくるものの、全国どこにでも業務内容はほぼ変わりません。
項目 | 詳細 |
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会社名 | Y株式会社 |
地域 | 関西地方 |
仕事内容 | マンションや工場、商業施設などの消防設備における機器・総合点検業務およびそれに伴う付随業務 |
歓迎条件 | 消防設備士の資格保有者、消防設備点検の経験者 |
応募条件 | 正社員のみ |
給料 | 約20万円~+手当 |
実際の求人例としては、上記のとおりです。
消防設備士の資格保有者が優遇条件に当てはまることがほとんどなので、資格保有者は積極的に応募してもよい仕事といえます。
消防設備士を取得した人の転職事情
消防設備士は、乙種と甲種どちらを取得しても転職の幅が広がります。資格を保有することによって新しい選択肢が増えることも踏まえたうえで転職事情に触れていきましょう。
給料は企業によって異なる
消防設備士を必要としている企業は非常に多く存在しています。また、消防設備士の中でも甲種の資格を何種類も保有している方は市場の中でも非常に珍しいといえるでしょう。
級によって扱える設備が異なるため、広く活躍できる
消防設備士は乙種を取得することによって、点検と整備が可能となります。
甲種まで取得した場合は、工事の管理者となることが可能であるため、消防設備を取り扱う企業であれば、どこでも活躍の場があります。
選択する企業に合わせた価値が提供しやすい
転職を行う場合、消防設備士はその企業に合わせた資格を取得することで有利な条件を得ることが可能です。
例えば、現在勤めている企業が4類のみを取り扱う場合であっても、1類や3類を取得することによって、他の企業からの評価を高めることもできるでしょう。
消防設備士保有者が転職市場で人気な理由はなに?
ここでは、消防設備士の特性を踏まえたうえで転職市場でのニーズの高さにふれていきます。
しっかりとニーズを把握し、転職活動を行っていきましょう。
取得している級が多い場合、さまざまな業務に対応できる
消防設備士は、乙種では7種類、甲種では6種類の資格があります。
それぞれの資格で取り扱える設備が大きく異なります。消防設備士は多くの資格や種別を取得している場合、より多くの設備を扱うことが可能です。
そして、企業もその部分を評価するため、転職でも有利となるでしょう。
商業施設だけでなく公共施設などでも活躍できる
消防設備は、商業施設だけでなく公共施設などにも必要です。工事の受注者となれるかどうかはまた別であるものの、建物の種類の違いを気にせず工事や点検に取り組むことが可能です。
そのため、消火設備の施工管理などを行っている場合であれば、自分の手がけた設備が数年以上残り続けるといったケースも非常に多いといえます。
甲種取得者であれば総合的な設備管理を行える
消防設備士で甲種を取得した場合、工事から点検、管理まで一通りの業務を行うことが可能です。そのため、転職市場においても甲種の取得者は有利に転職を進めることが可能だといえます。
消防設備士の資格を活かして有利に転職を進める方法
資格取得者であっても転職に対して有利に事を運べるかどうかは、人によって異なります。そして、ここでは資格を生かして転職を有利に進める方法をみていきます。
実務経験を重ねる
消防設備士は乙種および甲種の資格保有者であっても、実務経験がなければ評価されません。しかし、実務経験を十分に重ねている資格保有者であれば、転職をさらに有利に進めることが可能です。
特に、実務経験は他社でも評価されやすいものであるため、経験の蓄積を目指して業務に励みましょう。
取得可能な級をできる限り取得しておく
実務経験は非常に重要であるものの、実際に業務に必要となる資格は限られている場合がほとんどです。
しかし、そのような場合であっても、消防設備士に関連する資格を取得することは他社に対して大きなアピールとなります。
「ビルメン5点セット」の資格を取得する
ビルメン5点セットの資格とは、第二種電気工事士、危険物取扱者乙類4種、2級ボイラー技士、第三種冷凍機械責任者、そして消防設備士の5つの資格を指します。
これらの資格はビルメンテナンス業において取得が推奨される資格となっていますので、ビルメンテナンス業への転職を希望されている方は、取得していると転職でもかなり有利になるでしょう。
なおビルメンテナンス業界における消防設備士資格としては、消火器の取扱ができる6類と火災報知設備の4類の需要が特に大きいとされています。
消防設備士の有資格者が転職で使うべきサービス
転職を行う場合、適切なサービスを選択することによってよりよい転職に導くことが可能です。自分一人では不安な場合はそういったサービスを積極的に使用することをおススメします。
転職エージェント・人材紹介を利用する
大手転職エージェントサービスは、紹介求人も多く、またサイトを通じてやり取りすることが可能な点がメリットだといえます。
特に、エージェントの場合は、業界に精通した方も多いため、転職する際に企業の評判を聞くことも可能です。
デメリットは、エージェントは担当者との相性が悪ければ、時間が無駄になることもある点です。
人と人とのコミュニケーションであるため、正解はないものの、デメリットは把握したうえでサービスを利用しましょう。
転職サイトを活用する
エージェントサービスではない従来の転職サイトを利用するのも一つの手段です。転職サイトによっては居住地域に合わせた転職案件がある場合もあります。
ほとんどの案件は自分の判断で辞退・内定承諾を行えるため、自由度は高いといえます。
消防設備士は甲種が転職により有利
消防設備士は実務経験を重ねた場合は、転職に有利となるといえるでしょう。
特に甲種の資格を何種類も保持している方であれば、全国各地の大手企業の採用であっても転職に成功する確率は高いといえます。
また、転職を行う場合は転職サイトを活用するだけでなく、人材紹介会社や転職エージェントを併用しつつより自分の意向に合わせた会社を選定することが重要となります。
保有している資格が乙種のみであれば、甲種の取得をめざすことでよりよい転職の機会を得られるでしょう。