粉じん作業特別教育

粉じん作業特別教育とは?対象業務と受講方法

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建設業界では建物の建築や解体、掘削作業など、粉じんが飛散しやすい環境で作業を行います。粉じんには発がん性リスクがある物質も含まれるため、対象業務の従事者は粉じん作業特別教育の受講が義務となっています。粉じんは健康障害を及ぼす危険性があるため、業務を安全に、かつ衛生的に行うことが主な目的です。こちらでは、粉じん特別教育の対象業務と受講内容、受講方法について解説します。

粉じん作業特別教育の基礎知識

粉じん作業特別教育が必要な理由と対象業務、具体的な受講内容について見ていきましょう。

粉じん作業に特別教育が必要な理由

粉じんは大気中に飛散するちり状の粒子のことで、建設物の解体や選別、機械的処理によって発生します。粉じんを人間が吸い込むことで、以下のような健康障害を引き起こす可能性があります。

じん肺 粉じんの長期間吸い込むことで粉じんが肺の中に溜まり、呼吸機能が低下する病気
肺がん 発がん性じん肺の吸引
ぜんそく 粉じんによるアレルギー反応

また、粉じんは「一般粉じん」と「特定粉じん」の2種類があり、特定粉じんとはアスベスト(石綿)や健康障害を引き起こすおそれのある物質のことを指します。アスベストは発がん性のリスクが特に高いことから、従事者や近隣住民の健康障害を防止するために、石綿(アスベスト)取扱作業従事者のための特別教育の受講が義務付けられているのです。

粉じん特別教育が必要な業務

粉じん特別教育の対象業務は、特定粉じん作業にかかわる業務のことで、以下の業務が該当します。

・岩石や鉱物を動力で裁断する、または彫りや仕上げの作業
・鉱物、炭素原料、アルミニウム箔を動力で粉砕し、ふるいをかける作業
・研磨剤で岩石や鉱物、金属を研磨、または裁断する作業
・セメントや粉状の鉱石、炭素製品、アルミニウムを坑内で袋詰めする作業
・陶磁器、耐火物、珪藻土製品、研磨剤の製造工程で混合や成型する作業
・鋳物の製造工程で砂型を壊す、または再生する作業

これらの業務を建設業界に置き換えると以下のような作業が対象業務に該当します。
・アスベストを吹き付けた建物の解体作業
・トンネル工事の坑内で岩石を粉砕する作業
・建設現場や解体作業でコンクリートやセメントを粉砕する作業
・金属をグラインダで切断する作業

これらの業務は危険、かつ有害な業務にあたるため、粉じん特別教育で正しい知識を身に付けることが大切です。

粉じん特別教育の講習内容

粉じん特別教育では、以下の5科目を4.5時間で受講します。

科目 時間
粉じんの発散防止および作業場の換気の方法 1時間
作業場の管理 1時間
呼吸用保護具の使用方法 0.5時間
粉じんにかかわる疾病および健康管理 1時間
関係法規 1時間

粉じん作業特別教育の受講方法

粉じん特別教育の受講方法と、教育修了証を受け取るまでの流れを紹介します。

粉じん特別教育の受講場所

粉じん特別教育は、都道府県の労働基準協会(労基連)、特別教育の講習機関、重機などの民間教習所で開催されています。

粉じん特別教育は4.5時間の講習なので、1日あれば受講を修了できます。ただし、労基連は基本的に平日開催なので、仕事を休むのが難しい方は、講習機関や民間教習所を利用するといいでしょう。

通信講座でも受講可能

粉じん特別教育は会場に赴いて講習するほかに、インターネットの動画を視聴して受講を修了できる、通信講座を利用する方法もあります。解説動画はパソコンだけでなくスマホでも視聴可能なので、空いた時間を有効に活用できます。

また、講習会では参加した1日しか講習を聞けませんが、通信講座なら何度でも動画で学ぶことが可能です。特定粉じんの作業は自身の健康にかかわるため、粉じんの危険性や飛散防止対策などをしっかり理解できるのは大きなメリットでしょう。仕事が忙しくまとまった時間が取れない方や、粉じん作業をより安全に従事したい方は通信講座の受講をおすすめします。

教育修了証を受けるまでの流れ

労基連などの講習会に参加した場合、1日の講習が修了したら教育修了証を受け取ることができます。一方、SATの通信講座の場合は、受講内容をチェックする試験に合格したら、教育修了証の発行を申請するという仕組みです。

自動的に受け取れる講習会とは異なり、試験を挟むことによって内容の理解度がより高くなります。講習を受講できる回数の面でも、SATの通信講座は講習会よりも有利といえるでしょう。

対象業務に従事するなら粉じん特別教育が必須

アスベストや健康障害を引き起こす粉じんの発生源で作業をする従事者に対し、粉じん特別教育の受講が義務化されています。主に建築や解体、トンネル工事など、岩石や建材を裁断したり粉砕したりする業務が対象です。講習会で受講する場合は1日予定を開ける必要があるうえに、1回きりの講習なので理解度にやや不安があるといえるかもしれません。通信講座は解説動画を視聴する方法なので、何度もくり返し視聴することで理解度アップが期待できます。特定粉じん作業は自身の健康にかかわるため、通信講座で危険性や正しい対処法を身に付けることをおすすめします。

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