化学物質管理者講習

化学物質管理者講習の出張講習とは?メリットと注意点を解説

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労働安全衛生規則「第12条の5第3項第2号のロ」の改正に伴い、「リスクアセスメント対象物」を製造・取扱い・譲渡提供をする事業所において、2024年4月より「化学物質管理者」の選任が義務付けらることになりました。

化学物質管理者の資格を取得するには1~2日の講習が必要ですが、講習の受講方法に悩んでいる方もいるでしょう。

今回は、化学物質管理者講習の出張講習受講のメリットや注意点を解説します。

化学物質管理者講習の必要性と内容

はじめに、化学物質管理者の概要や講習の必要性、内容について解説します。化学物質管理者の講習は取扱事業者向けと製造事業場向けの2種類があるので、その違いも把握しておきましょう。

化学物質管理者の選任が必要な事業所とは?

化学物質管理者の選任が必要な事業所は、労働安全衛生法57条の3第1項で規程されている「リスクアセスメント対象物」を製造・取扱い・譲渡提供をしているところです。

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事業所の規模は関係ありません。例えば従業員が数名規模の小規模な事業所でも選任が必要です。

化学物質管理者の資格を取得する方法

化学物質管理者の資格は、厚生労働省が定めたカリキュラムに基づく講習を受講すれば取得できます。危険物取扱者のように試験を受けて合格する必要はありません。

講習内容は、以下の表のとおりです。

化学物質の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置等(実習科目)なし3時間

講習の項目

講習の時間

取扱事業場向け

製造事業場向け

化学物質の危険性及び有害性並びに表示等

1時間30分

2時間30分

化学物質の危険性又は有害性等の調査

2時間

3時間

化学物質の危険性又は有害性等の調査の結果に基づく措置等その他必要な記録等

1時間30分

2時間

化学物質を原因とする災害発生時の対応

30分

30分

関係法令

30分

1時間

化学物質の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置等
(実習科目)

なし

3時間

合計

6時間

12時間

表中にある「化学物質の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置等」は実習科目となっています。この科目は製造事業所向けのみ実施されて、3時間受講する必要があります。これを合わせると講習の総合時間は12時間となるため、2日がかりの講習となることが多いです。

一方、取扱事業者向けの講習は実習科目もなく、学科科目のみで6時間で終わるので、1日でも受講可能な場合がほとんどです。なお、一部の講習機関では、取扱事業者向けの講習を「化学物質管理者講習に準ずる講習」という名前で開催している機関もあります。

化学物質管理者講習の科目免除について

下記にご紹介する資格を所有している場合は、「化学物質の危険性及び有害性並びに表示等」の科目の受講が免除されます。ただし、3つの技能講習すべての修了が条件なので、注意しましょう。

化学物質管理者講習「化学物質の危険性及び有害性並びに表示等」科目の免除について

  • 有機溶剤作業主任者
  • 鉛作業主任者
  • 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者 

上記3つの講習を全て修了している場合、受講が免除される

また、第一種衛生管理者の資格を取得していれば、「化学物質の危険性又は有害性等の調査」の科目受講が免除されます。

このほか、衛生工学衛生管理者の資格を取得していれば、「化学物質の危険性又は有害性等の調査」に加えて「化学物質の危険性又は有害性等の調査の結果に基づく措置等その他必要な記録等」の科目も免除されるので、講習の受講時間が短縮できるでしょう。

化学物質管理者講習の出張講習について

ここからは、化学物質管理者講習の出張講習の概要や依頼時の注意点などを解説します。

出張講習とは

出張講習とは外部から講師を招いて自社で受講する方法です。

出張講習のメリットは、会社の都合の良い日時に講習を行ってもらえることです。また、対面講習の会場が遠い場合も出張講習ならば交通費や宿泊費の負担も必要ありません。

一方デメリットとしては、講習会を開催するには一定の人数が必要です。必要な人数は出張講習を実施している団体によって異なりますが、おおよそ10名前後が一般的です。従業員が少ない場合は、複数の会社が共同で依頼するなど工夫が必要になります。

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通信教育のSATでも対面式の出張講習を実施しています。出張講習を希望する会社は、ぜひ一度ご相談ください。

出張講習を依頼する団体の選び方

出張講習は厳格にスタイルが決められていないので、実施する団体によってカリキュラムや日数が異なります。

したがって、出張講習を依頼する団体を選ぶ場合は、以下のポイントを抑えておきましょう。

  • 講習の時間やカリキュラムの組み方は自社の希望とあっているか
  • 対応人数が希望通りか
  • 希望する日時に来てくれるか

出張講習の費用が気になる会社も多いですが、上記3つをまずは確認しましょう。

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講習が1日で終わっても、詰め込めるだけ詰め込んだ実習では、受講者の負担も大きくなります。受講者の意見も聞いて最適なカリキュラムを実施しているところを選ぶのがおすすめです。

なお、出張講習は科目免除の講習には対応していないところが一般的です。ただし、受講者全員同じ資格を持っていて科目免除にしてほしいといった場合には対応してくれるところもありますので、相談してみましょう。

出張講習を受講する際の準備

出張講習を受講する場合は、以下の準備をしておきましょう。

  • 講習を受講する部屋と機材
  • 講師の控室・飲食物

講習にはまとまった時間と人数が必要なので、会社の会議室などが適しています。

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可能であれば、防音がしっかりしており、マイクやプロジェクターなどの設備が整っているところを選びましょう。そのような場所がない場合は、会議室をレンタルするなど対処が必要です。

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出張講習以外の受講方法

化学物質管理者講習の出張講習以外の受講方法として、講習会に参加する(対面講習)や、オンライン講習があります。それぞれの内容や特徴を解説します。

講習会に参加する(対面講習)

対面講習とは、全国の各種団体で行っている講習会に参加する方法です。

取扱事業場向けの講習は6時間なので1日、製造事業者向けの講習は実習を含めると12時間なので2日かけて行うところが一般的です。

ただし、実施している団体によっては取扱事業場向けの講習も2日かけて行うところもあるため、事前に確認しておきましょう、

対面講習のメリットは、料金を支払えば後はすべて実施団体にお任せできることです。

会場やテキストも実施団体が用意してくれるので、筆記用具など必要なものをもって会場に行くだけで受講できます。また、科目免除にも対応してくれることが多いので、資格を取得している方は数時間は受講時間を短縮できるでしょう。

一方対面受講のデメリットは、受講できる場所と時間が限られることです。

会社がある地域によっては、実施している団体まで日帰りが難しい場合もあります。その場合、前日や講習後に宿泊が必要となり負担が増してしまいます。また、人気の時間帯は即予約で埋まってしまうので、仕事とのスケジュール調整が難しくなりがちなことなども、デメリットです。

オンライン講習

オンライン講習とは、スマホやタブレット、パソコンを利用してEラーニングで化学物質管理者講習を受講する方法です。

オンラインで講習を受講する最大のメリットは、好きな時間に好きなスタイルで講習が受講できる点です。

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例えば通信教育SATの講座の場合、インターネット環境が整った場所であれば、好きな時間に講習を受けられます。途中で視聴を止めて再開もできるので、昼休みや終業後に1時間ずつ数日間かけて受講もできます。

ただし、オンライン講習では製造事業場の実習は行えません。実習は各事場において実習実施責任者(講師)のもとで対面で行う必要があります。3時間行う必要があるので、必ず実施してください。

ただし、取扱事業場の講習には実習がないため、オンライン講習ですべて完結できます。

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まとめ:出張講習はメリットと注意点を把握のうえで利用しよう

化学物質管理者講習の出張講習は、一定の受講人数が集まらないと実施が難しいというデメリットがあるものの、実習まで行ってくれるので、特に製造事業所向けの講習には適しています。受講者が大人数であれば、コストを抑えて実施できるのもメリットです。

出張講習以外の受講方法としては、講習会に参加して対面で講習を受ける方法や、オンラインで受講する方法があります。オンラインの場合は実習は別途行う必要がありますが、実習のない取扱事業場の講習は特におすすめです。

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SATでは、出張講習とオンライン講習の両方を行っています。どちらを利用するか迷っている方も、一度ご相談ください。貴社にとって最適な提案をさせていただきます。

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