建築施工管理技士

建築施工管理技士試験の難易度はどのくらい?合格するための勉強方法は?

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建築施工管理技士は建築現場に携わる方にとっては、取得しておきたい資格の筆頭ではないでしょうか。合格率の低さから、いつかは取れたらいいなと考えている方は、今がはじめ時かもしれません。

建設業法の改正や有資格者の高齢化により、制度の見直しが検討されています。今回は、建築施工管理技士の試験概要から、効率よく学習するためのコツまで解説をしていきます。是非、ご一読ください。

1級建築施工管理技士の難易度

合格率は40%前後

難しいというイメージをお持ちの方が多い「1級建築施工管理技士」ですが、実際のところはどうなのでしょうか。学科試験と実地試験に分けて、ここ数年の合格率の動向を見てみましょう。

1)1級建築施工管理技士の合格率

【学科試験】
平成25年 47.0%
平成26年 41.6%
平成27年 43.6%
平成28年 49.4%
平成29年 39.7%

学科平均合格率44.3%

【実地試験】
平成25年 41.4%
平成26年 40.2%
平成27年 37.8%
平成28年 45.6%
平成29年 33.5%

実地平均合格率39.7%

実地より、学科の方がわずかに合格率が高いですが、概ね40%前後と考えてよいと思います。合格率は半分を切っていますから、やはり簡単な試験というわけではありません。

出題範囲が広い

出題範囲が広いことが、1級建築施工管理技士試験の難易度を上げている理由の1つと言えるでしょう。1級建築施工管理技士の試験科目は以下の通りです。

【学科試験(午前 2時間30分)】

      出題数 必須解答数
建築学 選択科目 15問 12問
共通 必須科目 5問 5問
躯体施工 選択科目 13問 5問
仕上げ施工 選択科目 12問 5問
施工管理法 必須科目 5問 5問

【学科試験(午後 3時間)】

      出題数 必須解答数
施工管理法 必須科目 20問 20問
法規 選択科目 12問 8問

合計          出題:82問 解答:60問

【実地試験(3時間)】
 ①施工経験記述
 ②安全管理
 ③躯体施工
 ④仕上げ施工
 ⑤施工管理
 ⑥法規
 ※実地試験に選択科目はなく、出題・解答数ともに各科目1問ずつとなっています。

このように出題範囲が広いので、すべての科目について満点を取ろうとする必要はありません。全体の7~8割を狙う勉強が合格への近道です。

また、平成30年度の試験ではこれまでなかった換気や消防設備に関する出題がありました。建築工事に関する学習だけでは十分ではありませんので、注意が必要です。

2級建築施工管理技士の難易度

筆記試験の合格率は50%前後

1級と2級では仕事内容に大きな違いはありませんが、取り扱える建物・工事現場の規模に違いがあります。将来的には1級の取得を希望している方も、まずは2級からと考える方が多いのではないでしょうか。

2級建築施工管理技士の試験は、試験年度に満17歳以上であれば学歴に関係なく筆記試験だけは受けることができます。実地試験も含めると実務年数が必要になり、最終学歴によって年数が変わります。詳細は一般財団法人 建設業復興基金のホームページを参照してください。

また、前期(学科試験のみ)と後期(学科試験のみ、学科・実地試験、実地試験のみ)に分かれているのも特徴です。

ここ数年の2級の合格率は以下の通りです。

【学科試験】
平成25年 40.2%
平成26年 47.9%
平成27年 48.5%
平成28年 51.9%
平成29年 38.7%

学科平均合格率45.4%

平成29年は合格率が低いのでやや下がりましたが、平均して45%~50%といったところです。しっかりと勉強すれば十分に合格が狙える範囲でしょう。

実地試験の合格率は1級よりも低い

一方で実地試験の合格率は平均30%強と、1級よりも低くなっています。

【実地試験】
平成25年 30.1%
平成26年 33.5%
平成27年 32.7%
平成28年 38.9%
平成29年 28.9%

実地平均合格率32.8%

実地試験は1.2級ともに記述式となっていますので、2級の方が特別に難しいということはありませんが、2級の受験者は実務経験が少ない方が多いため、合格率が低くなっていると推測できます。

ポイントは、実地試験科目の「施工経験記述」をいかに具体的にわかりやすく解答できるかです。独学で難しい方は、通信教育などを利用するとその道のプロに質問できますし、押さえるべきポイントを教えてもらえるので活用するのも一つの方法です。

出題範囲は広いが浅い内容

2級建築施工管理技士試験の科目は以下の通りです。

【学科試験(午前 2時間30分)】

      出題数 必須解答数
建築学等 選択科目 17問 12問
環境工学、一般構造、構造力学、建築材料から出題 14問 9問
設備その他から出題 3問 3問
法規
建築基準法、建設業法、労働基準法、労働安全衛生法、その他法規
選択科目 8問 6問
施工管理法
施工計画、工程管理、品質管理、安全管理
必須科目 10問 10問
施工
施工全般
選択科目 15問 12問

合計          出題:50問 解答:40問

【実地試験(3時間)】
 ①施工経験記述
 ②~⑤実務経験に応じて、施工用語や法規に関する問題
  合計 出題数:5問 解答:5問
※実地試験に選択科目はなく、出題・解答数ともに各科目1問ずつとなっています。

1級も出題範囲が広いですが、2級ではさらに広いのが特徴です。ただし、建設業法の改正後に問題の出題数が65問から50問に減ったので、それぞれの範囲は浅い勉強でも対応できます。

とはいえ、やはり不慣れな語句もたくさん出てきますので、一部に偏ることなくバランスよく勉強することが大切です。

建築施工管理技士に合格するための勉強方法

答えを覚えるだけでなく理解する

何度試験を受けても合格できない人にはいくつか共通する特徴があります。

その1つが、問題を解いては回答だけを見て暗記していることです。試験は範囲が同じであってもそっくり同じ問題が出ることはありません。解説を読んで理解し「どうしてこの回答になるのか」が分かると、問題が変化球であっても対応することができます。

動画教材+過去問題で効率良く覚える

人間は五感を組み合わせて覚えた記憶は定着しやすいです。通信教育の動画教材は視覚と聴覚に訴えかけてくれるので、短期間で基礎知識を得るのに向いています。ただし、建築施工管理技士の筆記試験は出題範囲がたいへん広いので、学習期間が数か月にわたります。

基礎知識を動画教材でインプットしてから、過去問題を繰り返し解いて、理解できるまで解説をしっかり読みましょう。この順序での学習が一番効率の良い方法です。

実地試験は添削してもらう

実地試験は記述式なので、問題に対する解答をしっかりとまとめて、他人に文章で伝えなければなりません。どれだけ熱意をもって文章を書いても、問題の主旨に沿った解答でなければ正答とは認められません。実地試験の効率的な学習方法はひとつです。

「第三者に添削をしてもらう」

これに尽きます。普段から文章を書きなれていないと、自分で思うよりも必要なことだけを簡潔にまとめるのは難しいものです。身近な方に添削してもらうのもいいですが、通信教育などを利用して、試験やその分野のプロに添削をしてもらうことが合格への近道です。

まとめ

建築施工管理技士の筆記試験は他の資格と比較してみても、出題範囲が膨大です。反復して学習するためには、何回問題を解いたら覚えられるのかによっても変わりますが、数か月はかかる道のりです。

また、実地は簡潔な文章を書く練習が必要であり、第三者に添削をしてもらうのが効率的です。独学でも学科試験は合格するという意見もありますが、自分を律してコツコツ学習を進められない方は、通信教育などを上手に利用して一発合格を目指しましょう。

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