ロープ高所作業特別教育は、ロープで体を支えながらビルの外装清掃等、高所での作業に従事する作業員に受講が義務化されている教育です。
これからロープ高所作業に従事する方の中には「どのような教育なのか」や、「受講方法を知りたい」と思っている方もいるでしょう。
本記事では、ロープ高所作業特別教育の概要や受講が必要な仕事や、教育の受講方法を紹介します。
目次
ロープ高所作業特別教育とは
ロープ高所作業特別教育とは、ロープ高所作業を行う際に発生しがちな災害発生を防止するために実施されている特別教育の一種です。ここでは、ロープ高所作業の内容とロープ高所作業特別教育の概要の2点を紹介します。
ロープ高所作業とは?
ロープ高所作業とは、以下のような作業が該当します。
実施場所:作業床を設けることが困難で、高さ2m以上の場所
作業内容:昇降器具を用いて行う作業
昇降器具とは、作業者が自分で操作する身体を保持する器具を設置したロープです。ゴンドラのように別所で昇降を操作する器具は該当しません。
ロープ高所作業の受講が必要な仕事
ロープ高所作業が発生する仕事には、例として以下のようなものが挙げられます。
- ビルの外装清掃
- 斜面やのり面上での工事
- 高所の点検作業
- 林業やレスキュー作業
- 樹木の枝選定
足場が使うようなことができない現場で、ロープを使った高所作業を業務で行う場合にはこの特別教育を受講する必要があります。
ロープ高所作業特別教育の概要
ロープ高所作業特別教育とは、ロープ高所作業での災害発生を防ぐために労働安全衛生規則に基づいて行われる特別教育です。
2016年7月1日からロープ高所作業に携わる方には、特別教育の受講が義務化されました。 雇用形態にかかわらずロープ高所作業に従事する場合は、特別教育を受けなければなりません。
なお、ロッククライミングのようなレジャーでロープを使って昇降する場合は、ロープ高所作業には該当しません。
ロープ高所作業特別教育の内容
ロープ高所作業特別教育は、学科と実技の2種類があります。それぞれの教育内容と時間は、以下の表のとおりです。
学科教育
内容 | 時間 |
---|---|
ロープ高所作業に関する知識 | 1時間 |
メインロープ等に関する知識 | 1時間 |
労働災害の防止に関する知識 | 1時間 |
関係法令 | 1時間 |
合計 | 4時間 |
実技教育
内容 | 時間 |
---|---|
ロープ高所作業の方法、墜落による労働災害の防止のための措置並びに墜落制止用器具及び保護帽の取扱い | 2時間 |
メインロープ等の点検 | 1時間 |
合計 | 3時間 |
ロープ高所作業特別教育は、学科教育と実技教育の合わせて7時間以上の講習となります。
講習を受講すれば、墜落など労働災害防止のために実施するべき内容や、ロープ高所作業を実施するうえで知っておかなければならない知識が身につきます。
学科と実技を1日で行う方法と、別の日に行う方法があります。どちらを利用してもかまいません。両方を受講して特別教育を修了すれば、修了証が交付されてロープ高所作業への従事が可能になります。
ロープ高所作業特別教育を受けずに仕事に従事した場合の罰則
ロープ高所作業特別教育を受けずにロープ高所作業に従事した場合、「安全衛生教育が定められたとおりに行われていない」とみなされ、50万円以下の罰金刑を科せられる可能性があります。
ロープ高所作業特別教育は、ロープのほどけや切断、体に装着している器具の外れて作業者が墜落する、といった事故が頻発したために受講が義務化されました。
たとえ1度だけでもロープ高所作業に従事する場合は特別教育の受講が必要です。必ず受講をするようにしましょう。
ロープ高所作業特別教育の受講方法
ロープ高所作業特別教育の受講方法には、主に対面受講・出張受講・オンライン受講の3種類があります。
ここでは、それぞれの受講方法の特徴やメリット・デメリットを解説します。ロープ高所作業特別教育の受講が必要な方や、受講方法を探している方は、参考にしてください。
対面受講の方法とメリット・デメリット
対面講習は、ロープ高所作業特別教育を実施している機関に出向いて受講する方法です。
高所ロープ高所作業特別教育は、技能講習協会や建設労働災害防止協会など、全国各地で行われており、随時受講者を募集しています。「お住まいの自治体名・ロープ高所作業特別教育」で検索すれば、すぐに該当する機関がヒットするでしょう。
申し込み方法は、電話やインターネットが主流です。ホームページ等に申し込み方法が記載されているので、確認のうえ申し込んでください。
対面講習のメリットは以下のとおりです。
- 申し込めば即受講が可能
- 受講を受けさせる側に特別な準備は必要ない
- 学科教育と実技教育が1日で修了できる
対面講習は、教育の準備はすべて開催する側が行ってくれます。したがって、受講する側は当日受講場所に行くだけで大丈夫です。また、1日で受講が修了するのも大きなメリットです。
一方、以下のようなデメリットもあります。
- 受講できる日時が限られている
- 受講できなかった場合は予約から取り直しが必要
- 人気の曜日は予約が大変 受講会場が近くにない場合もある
対面講習は、実施日時が限定されています。そのため、やむを得ない理由で受講できなくなっても振り替えが難しく、予約の取り直しが必要です。
また、人気の受講日は早々に一杯になってしまい、希望する日時への予約が大変な場合があります。このほか実施できる会場が遠く、前泊が必要な場合があるといった点もデメリットと言えるでしょう。
出張講習の方法とメリット・デメリット
出張講習は講師に会社まで来てもらい、特別教育を実施する方法です。受講人数が多い場合は、対面講習よりも講師を自社に呼んだほうが効率的な場合もあるでしょう。複数の会社が協力して海上を用意し、講師を招く方法もあります。
出張講習のメリットは、以下の通りです。
- 受講日を受講する側に合わせて決めやすい
- 移動時間が必要ない
一方デメリットは、以下の通りです。
- 講師の確保が難しい場合がある
- 対面受講より費用がかかる場合もある
- 実技教育が実施できる場所の用意が必要
講師を自社に招く場合、自社で講習を受ける部屋、講師の控え室、講師の飲食物などを用意しなければなりません。また、講師を数時間拘束するので対面講習より費用がかかり、会社の負担が重くなりがちです。
このほか、ロープ高所作業特別教育は実技教育が3時間必要なので、実技教育を実施する場所を会社が用意しなければなりません。実技教育の場所を用意できなければ、学科教育だけ出張講習で受け、実技教育を別所で受ける方法があります。
Web講習方法とメリット・デメリット
Web講習は、インターネット配信で講習を受講する方法です。
インターネットを介して動画を視聴する環境が整っていれば、場所を選ばず受講できます。ただし、実技教育は受けられません。そのため学科教育だけWeb講習で受講し技能教育は別所で受ける形です。
また、以下のような注意点もあります。
- インターネットをスムーズに受信できる環境がないと実施が難しい
- 監督者を配置しないと講習が無効になるケースがある
- 講習会を主催する団体によっては、配信時間が限られている場合がある。
Webでの受講は、監督者を受講会場に置かないと本当に受講したかどうか証明ができないため、原則として監督者の配置が求められます。
しかし、SATのロープ作業特別教育のWeb講座は、以下のようなメリットがあります。
- 24時間365日、オンラインでの受講が可能
- 端末のカメラで受講状況をしっかり担保
- スマホアプリで修了証が即日自動発行
SATでは、労働局に確認済みのAI顔認証システムにより、受講が担保されています。監視者を別途用意しなくても、受講が無効になることはありません。また、スマホアプリで修了証が即日発行されるので、教育を受講したことを証明したい場合も安心です。
まとめ:ロープ高所作業特別教育はWeb講座がおすすめ
ロープ高所作業特別教育とはは、労働災害を防ぎ安全に作業を行うためにも必要な教育です。受講しないとロープ高所作業に従事できないので、作業に従事される方は早めに受講するようにしましょう。
SATのオンライン講座は24時間365日いつでも受講できるうえ、顔認証システムによって管理者がいなくても大丈夫です。修了証も即日発行できるので、いろいろな場面で活用できます。