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業務でのパン製造のノウハウを教えます!|Y.S氏

156人の方が、この記事を参考にしています。

はじめまして、Y.Sと申します。

私の主要な実務経験は、民間企業(敷島製パン)と、個人事業におけます製造技術および装置の研究開発です。

主に熱工学を専門としますパンづくりの研究テーマで工学博士の学位を取得しましたので、食品の加熱及び冷却・冷凍に関します研究成果は多数の特許やノウハウといった形での知的財産で実績を積み上げてきました。

一方で工場におけます実際の生産ラインで製造条件の数値的な検証や新たな装置導入に係わる業務にも携わってきました。

これらの業務に関連して、大学の講義や各種講演セミナー、パンシンポジウムといった職業教育関連の活動も行っています。

 

Y.S氏はSAT PROの登録専門家であり、企業研修やセミナー講師としてご活躍されています。

Y.S氏のプロフィールを詳しく知りたい方はこちらからアクセスください。

パン業界の展望

パン業界のマーケット

パン業界と聞いて、どのようなイメージを抱かれるでしょうか。

新規参入の企業や商品がニュースで取り上げられる機会も多い、華やかで夢多き業界であることは容易に想像がつきます。

それは消費者のパンへの関心の高さが、日本各地で開催されているパンフェスの実態から示されていることからも明らかでしょう。国内のパン市場規模は1兆5000億円超であり、2008年(データによっては2011年)にはコメへの支出額を上回る結果となりました。

近年では10年のトレンドが続いた高級生食パンのブームやパンのサブスクリプション、完全栄養食、グルテンフリーといった事例は記憶に新しいところですし、非常食(ロングライフ)からはたまた宇宙食までも視野に入れた生活様式の変化によって消費者ニーズに沿ったテーマに話題性は事欠きません。

しかしその反面、職人気質の匠の技がブラックボックス化している実態もまた否めず、リテイルベーカリーでは毎年多くの参入が見受けられます。

一方で、近年では後継者不足といった理由も相まって廃業を余儀なくされるケースが増加しているようです。

片やホールセールベーカリーではかつてのような規模や製法でリテイルベーカリーと区分された関係ではなくなりつつあり、焼成後冷凍からリベイク等の食べ方提案といった手法での差別化を推進することで、SNSといった利便性や話題性の要素も加わった環境の下、売れ筋商品の人気の理由も日々変化を続けています。

製パンのメカニズムと理論

それでは今後のパン市場に予想される推移を踏まえて、どのようにして製パン関連ビジネスにおけます成功の確率を上げていくことが可能となってくるのか考えてみましょう。

ひとつの考え方としては、オンリーワンの技術や知識を磨き上げる事ではないでしょうか。

商品力は従来商品との差別化等によります付加価値の付与が考えられます。それは、新たな発想によります。

原材料や加工技術・設備を用いるもので、例えばサブスクリプションで注目を集めました近年の焼成後冷凍パンに対して、焼成直後に一気に冷凍処理を施す手法が提案されています。ここでは鮮度保持を謳っていますが、ここにロジカルな裏付けが付与されることでさらに他社との差別化は明確なものになってきます。

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ブランド力は一朝一夕に築くことができるものではありませんが、実績によって築き上げたものを崩すことがないよう、商品力の安定化を図るためにも理論に裏付けされた確実な技術の確立が求められます。

パン業界ではミキシング時の生地物性や焼成時の熱の伝わり等、定量的に提示できる環境が未だ十分に整っていません。ただ見方を変えれば、そこには独自ノウハウを構築できる余地が残されていることに他なりません。

一例ですが、パンを焼成する際に与えた熱量の内、温度を上昇させるための顕熱と水分を蒸発させるための潜熱の推移を把握することで、しっとりしたパンかあるいはサクサクとしたパンを作り上げるノウハウとなります。

図 角形食パン焼成時における移動熱量中の顕熱&潜熱割合の推移

パン作りに求められる技術やパンの需要

パン職人でなければ、おいしいパンは作れない?

結論から言うと、パン職人でなくともおいしいパンは作れます。

ここでの『おいしいパン』とは消費者が求め、望んでいるパンという意味で使わせて頂いています。そのパンを食べた人が満足されれば、またリピートして食べたいと思ってくれるからです。ご参考までに、ホームベーカリーで試作したパンをヒット商品に仕上げられた事例もある程です。

ところで製パンの現場において、実際に製造されている状況がどこまで把握できているのでしょうか。

例えば、連続製パンラインのオーブンで(入口)(中央)(出口)の各ゾーンの温度設定で、試作で焼成されていた時と同じ条件が担保されていると自信を持って回答できる担当者がどれほどいるのでしょうか。

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これまで商品開発と製造現場の双方を経験し、研究業務を通して製パンのメカニズムを論理的に解説してきた身としては、製造現場においてこそ自社のノウハウを構築する絶好の場所と考えています。

イメージしている差別化されたパンに対して現時点では既存の対応可能な装置が実在していないようなケースでも、今後必要となる技術や装置設備のスペックを詰めていくことで差別化は十分に図ることができます。

プチ贅沢としてブームとなった高級生食パンも、一時の勢いがピークを越えた感がある中、ベーカリー各社はスタンダードな技術として商品開発に取り組む姿勢が、益々鮮明になってきています。

高齢者も「パン派」は多い

日本における高齢者の増加は多くの方がご存じの情報かと思います。

しかしながら、その高齢者の方々はごはん派というイメージを持たれる方もいるかと思いますが、実際には、手軽に食べられることや胃の負担が少ない等の理由から、パンを頻繁に食べる方も多いのが実状です。

確かに高齢者の方々は唾液の分泌が減少して嚥下がし難くなることが報告されていますが、そのこととパンが嫌いになることとは基本的には大きな関係にはありません。

パンの品質には『口溶け』といった項目もあって、口溶けを重視した商品開発も行われているので、そのような視点でも隠れていたニーズが見つかるのかもしれません。

そして、日本から世界へ。日本のパンの品質の高さが、世界の各国で認められていることは周知の事実です。

ソフトでしっとりした食パンはもとより、独自に発展を遂げたメロンパンやカレーパンも海外の方々には絶大な支持を受けていることを添えさせて頂きます。

SAT PROによって期待される成果

SAT PROでは、製パンメーカーで製品開発に伴う新たな製法・技術の研究開発やライン構築に長年携わってきた経験を基に、市場ニーズを満たしたおいしいと言われるパンが製造されていくプロセスを論理的に解説します。

また、製法や製パン工程における基本的な理論から、商品開発を視野に入れた製パン法や装置のメカニズム、更にはおいしさのヒントにつながる品質の考え方について、最近の市場動向と国内外のトレンドを交えながら分かりやすく解説します。

日本パン技術研究所や複数の大学での講義を始め、現在も学会活動を主に最新の研究成果を発信し続けている講師が、国内におけます毎年の展示会情報はもとより、海外の情報も交えて受講者の皆さんに有益な情報を提供致します。

また、コンサルティング業務としては実際の製造現場に入って技術指導を行うことも可能であり、例えば連続式オーブンでの焼成条件を測定することも可能です。計測装置としてデータロガーで生地温度(上面、芯温、底面)や炉内温度を測定し、PCでグラフ化して見える化した資料をお示しします。今、脚光を浴びつつあります真空冷却装置を含めた(焼成~クーリング)工程の連続測定の実績もあります。

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十分な理論を基に製造条件を定義されたり、あるいは製パン装置を導入されているベーカリーは極稀です。この業界の常識に縛られた環境におきましてパラダイムシフトを起こすことで、異業種からの新規参入も十分既存ベーカリーに対抗しうる存在になりうると考えています。

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