勉強を始める前に 超難関資格だからこそ徹底的に基礎を押さえる。
技術士試験の二次試験の合格率は10%前後。数ある国家資格のなかでも高くありません。
建設部門、上下水道部門、機械部門など21部門があり、その合格率も部門によっては、6%台に留まります。これは、法律系資格で難関資格のひとつである社会保険労務士試験の合格率とほぼ同じです。
しかし、技術士試験の合格率は、他の資格よりも、数字以上に厳しいものです。
なぜなら受験資格の要件が、基本的には、一次試験合格者で、実務経験を4年以上の者を対象としているためです。
つまり、二次試験の受験者そのものが、いくつかのハードルクリアしてきた実力者たちというわけです。ですから、この要件ひとつをとっても、同じ合格率10%でも、他の資格の10%とは難易度が異なるのです。
技術士試験は、医師、弁護士、弁理士、公認会計士と並ぶ超難関資格の一つと言われています。
しかし、たとえ超難関資格であっても、試験対策の方法を間違わずに、十分な訓練をすれば、確実に合格圏内に入ることができます。正しく試験対策をするためには、正しい指導を受けることが必須です。
抑えるべき9つのポイント
技術士の試験勉強をはじめる前に、以下の9つのポイントを押さえておきましょう。
(なお、以下では、総合技術監理部門以外の20部門について述べます)
- 一次試験と二次試験(筆記試験、口頭試験)があること
- 一般に、受験勉強開始から技術士になるまで2年を要すること(1年目に一次試験を受け、2年目に二次試験を受けるため)
- 技術士になるには実務経験が必要なこと
- 単なる知識ではなく、問題解決能力など専門的応用能力を試されること(とくに、二次試験)
- 二次試験では、マークシート式の一次試験と異なり、筆記試験と口頭試験であること
- 二次試験は、合格率10%前後と難関資格であること
- 一次試験も、年々難しくなっていること
- 受験申込書作成段階で、実質的には、試験が始まっていること(これは、受験申込書につける実務経験証明書の内容が口頭試験で使われるため)
- 合格後も継続研鑽が努力義務になっていること(そのため、技術士になったあとにも、他の部門や総合技術監理部門、他の資格にチャレンジする方が多い点が特徴。)
上記のポイントを押さえた効果的な勉強方法をお伝えします。
「何から手を付けていいかわからない」という人は、本記事を参考にして試験勉強をはじめてください。
早めの勉強開始がオススメです!
必要な勉強時間 間違った方法では合格に何年もかかってしまう
技術士試験の「二次試験」の合格に必要な勉強時間は、人によって様々です。
日常業務が技術士試験で問われる内容に近く、さらに大学院卒で論文を書きなれている受験生は、300時間程度で合格圏内に入ることができるでしょう。そうではない受験生は、500時間も1000時間も対策が必要になることでしょう。
もっとも、実務経験や一次試験に要する時間も含めたら、日本でもっとも勉強時間が必要な資格の一つと言えるでしょう。
間違った方法では合格に何年もかかってしまいます。
重要なのは、最短距離で合格をつかみ取ることです。優れた講座を選び、効率よく技術士試験の勘所を押さえて、試験当日に力を発揮できるようにしましょう。
効率化がカギ タイプ別の合格に必要な勉強時間はどれくらいか?
合格に必要な勉強時間はどれくらいか? これは、答えにくい問いかけで、ケースバイケースです。
実際、技術士に合格するには、一次試験と二次試験を合わせて1000~2000時間の勉強時間が必要でしょう。
必要な勉強時間の幅が大きい理由は、受験生によって、実務経験の質と量がおおきく異なるためです。
技術士試験で問われる「問題解決」等のスキルをフル活用して日々の業務をこなしている受験生は、必要な勉強時間が少なくて済む場合があります。
一例として、勉強時間の目安を記します。
Aタイプ / 一次試験 | |
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学習時間 | 400時間程度 |
平日 | 1.5~2時間 |
土日 | 3~4時間 |
一次試験に合格するには、本来600時間ほど試験勉強に充てるのが理想的です。しかしながら、大学卒業直後であれば400時間程度でも合格できるでしょう。
二次試験よりも対策のしやすい一次試験ですが、近年、難易度が上がっています。そのため、念押しして十分な時間を試験対策に割くことをオススメします。
計算が苦手な場合は、数学の勉強時間としてさらに数百時間の追加を見込んでおきましょう。
※Aタイプの場合、一次試験合格後に、Bタイプに要する勉強時間が加わります。
Bタイプ / 二次試験 | |
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学習時間 | 1200時間程度 |
平日 | 2~3時間 |
土日 | 4~5時間 |
9ヵ月前から勉強を始める方=実務経験が十分で、かつ、しっかり対策したい人
Cタイプ / 二次試験 | |
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学習時間 | 600時間程度 |
平日 | 1.5~2時間 |
土日 | 4~5時間 |
6ヵ月前から勉強を始める方=実務経験が豊富で、日常的に技術士に相応しい業務をしている人
とにかく、技術士になるまで、時間、ときに2000時間を超える勉強で、最短でも2年かかる試験であることを認識しておきましょう。
たしかに、実務経験が豊富な人が200~300時間程度の勉強で合格したという例もあります。
しかし、一次試験と二次試験ともに合格率が1割を切る年度や部門もあるため要注意です。少ない勉強時間で合格したという話は、稀な事例であることを覚えておいてください。
日常的に出題範囲の知識を使って仕事をしている場合であっても、学生時代に戻った気持ちで試験勉強をしましょう!