エネルギー管理士

エネルギー管理士に受験資格はある?試験の概要から資格を取る方法まで

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エネルギー管理士は、通称エネ管と呼ばれている経済産業省が管轄する国家資格です。年に1回試験が実施されており、一般財団法人省エネルギーセンターにて行われています。

この記事では、試験の概要から申込み方法、受験資格、資格取得方法などをまとめて掲載しているほか、研修による取得方法についても紹介しています。エネルギー管理士を目指す人は是非参考にしてみてくださいね。

エネルギー管理士試験はどんな試験?

試験概要

エネルギー管理士は、熱分野と電気分野の2つの専門分野に分かれていて、いずれか選択して受験することができます。免状の内容は同じであることから、得意とする分野を選択することをお勧めします。

エネルギー管理士試験に合格した後に免状を申請することで、経済産業大臣よりエネルギー管理士免状が交付され、第一種エネルギー管理に係る指定の就職先を見つけることができます。では、エネルギー管理士試験の概要を紹介していきます。

■受験資格
試験:受験資格は特になし
*資格取得前後に実務経験1年以上必要

■申込期間
5月上旬から6月上旬~中旬

■試験日程
8月の第1日曜日

■試験費用
受験料17,000円(非課税)
*旧制度からの経過措置のため1科目のみ受験の場合は10,000円(非課税)

■開催場所
札幌、仙台、東京、名古屋、富山、大阪、広島、高松、福岡、那覇

■出題形式
4科目のマークシート方式(穴埋め選択問題)
*一般電卓可、関数電卓不可。HBの鉛筆を使用。

■申込方法
郵送あるいはインターネット
*インターネットの締め切りは郵送より早いためウェブサイトで確認が必要。

受験科目

エネルギー管理士の受験科目と時間配分、配点、合格基準を見ていきましょう。熱分野と電気分野はそれぞれ4科目あり、各出題問題の60%以上の正解で合格基準に達します。合格基準は各60点ではなく、それぞれ60%以上であることに注意しましょう。

【必須共通科目】
エネルギー総合管理及び法規  1時限目(80分)
*合格基準60%以上

【熱分野】
熱と流体の流れの基礎 2時限目(110分)
熱利用設備及びその管理 3時限目(110分)
燃料と燃焼 4時限目(80分)

*合格基準各60%以上

【電気分野】
電気設備及び機器 2時限目(110分)
電力応用 3時限目(110分)
電気の基礎 4時限目(80分)

*合格基準各60%以上

受験をするまでの流れ

エネルギー管理士の申込み方法は、郵送とインターネットでの2つの申込み方法があります。それぞれの申し込み方法から試験当日、合否通知までの流れを確認しましょう。

1.願書申込み

・郵送からの申込

郵便の場合は、受験願書を兼ねた「振込取扱票」に必要事項を記入して郵便局にて受験料を支払います。(別途振込手数料)

・インターネットからの申込み

インターネットの場合は、省エネルギーセンターの公式サイトから申込みをします。支払方法は複数あり、銀行振込み決済、クレジットカード決済(一括払い)、コンビニ決済、Pay-easy(ペイジー)決済から選ぶことができます。

2.受験票の発送

試験部より受験票が届きます。受験票には試験会場と案内図等の記載があります。受験票が届いたら当日慌てないよう確認しておくことをお勧めします。

また、受験票への写真添付や自署欄への記入など細かい指定があるため、早めに準備をしておくことが大事です。受験票は試験当日に必要ですから大事に保管しておきましょう。

3.試験日当日

試験当日は、受験票と同じ番号の席に座ります。試験当日に必要なものは、受験票とHB鉛筆と一般電卓です。これらは必需品ですが、それ以外では、シャープペン、消しゴム、定規を必ず準備します。鉛筆やシャープペンは予備も持っていくと折れたときなどに安心です。

4.合否通知

9月中旬頃に合否通知書を受け取ります。
*公式サイトからも確認できます。(https://www.eccj.or.jp/index.html)

エネルギー管理士試験の受験資格

エネルギー管理士は誰でも受けられる

「エネルギー管理士の試験に受験資格はある?」と不安に思っている人もいるかもしれませんが、この試験には受験資格がないため誰でも受けることができます。

しかし、免状申請を行うには資格取得前後に実務経験1年以上が必要とされているので注意が必要です。資格取得とともに熱分野、電気分野に係る実務経験1年以上従事した人が免状申請を行うことができます。

免状申請に必要なものは、エネルギー使用の合理化に関する実務経験1年以上であることを証明する「エネルギー使用合理化実務従事証明書」です。実務経験については、試験合格の前後を問いません。

研修で資格取得をする場合は、一般財団法人省エネルギーセンターが行う研修を受講する必要があります。後章で説明していますが、実務経験については、エネルギー使用の合理化に関する実務経験3年以上でなければ受講することができません。

エネルギー管理士になるには実務経験が必要

エネルギー管理士試験は誰でも受験資格がありますが、エネルギー管理士の免状取得には、試験合格のほか実務経験1年以上が必要です。では、どういった職種に従事すれば実務経験と認められるのでしょうか。

エネルギー管理士の主な仕事先は、第一種エネルギー管理指定工場や事業所とされています。その中でも製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5つの業種が主な仕事先に当てはまります。資格を目指すのであれば、実務経験としては、こうした仕事先を対象に就職活動をするのがお勧めです。

エネルギー第一種の製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5つの仕事先には、エネルギー管理士を1名~4名設置する義務があります。年間エネルギー使用量が原油換算において3,000キロリットル以上の工場や事業場が、第一種エネルギー管理指定工場とされています。

年間エネルギー使用量が原油換算において1,500キロリットル以上の工場や事業場は、第二種エネルギー管理指定工場とされており、第一種エネルギー管理指定工場と同じくエネルギー管理士の就職先に有利であると言われています。

他には、建設業、石材業、食品製造業、印刷業、化学工業、鉄鋼業、電気機械製造業、通信業といったように業種に関係なく就職できることから活躍の場が多いと言えるでしょう。

エネルギー管理士試験の受験が免除になるケース

エネルギー使用合理化に関しての電気、燃料における使用方法の業務管理を行うのがエネルギー管理士です。この資格には試験と研修による取得方法がありますが、ここでは研修による資格取得方法や科目合格制度について紹介していきます。

『認定による取得概要』

■受験資格
省エネルギーの実務経験3年以上

■申込み方法
郵送のみ

■受講日程
12月

■受講費用
新規:70,000円、課目合格者:50,000円 (テキスト代を含む)

■講習開催地
仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡

『研修による申込みから免状取得まで』

エネルギー管理士の試験免除を受けた人は、研修を受講することで資格取得できます。申し込みから免状交付までの流れは以下の通りです。

1.官報公示
9月中旬に受講の手引きを配布

2.研修仮申し込み
9月下旬~10月中旬に研修仮申込み

3.研修受講資格審査
11月上旬に実務経験等の資格審査

4.受講票、テキスト送付
11月下旬に試験部より送付

5.研修
12月中旬に研修実施
*講義6日間+修了試験1日間(合計7日間)

6.修了証交付
2月中旬に合否通知

7.エネルギー管理士免状申請と交付
経済産業大臣に申請を行い免状の交付を受けます。

では次に、科目合格制度と試験免除について紹介していきます。

科目合格制度とは、不合格になった科目のみ翌年、講義を受けその科目の修了試験に合格すれば、修了証を受けることができます。ただし、翌年に限り有効です。

また、前年度の試験の一部に合格して、続けて翌年研修を受けるときは、前年度の合格した試験科目の講義及び修了試験が免除されるといったメリットがあります。ただし、本人の希望により全科目の講義、修了試験を受けるときは、すでに合格している科目が無効となります。免除を受けるか全科目受講するかにより内容が変わるため注意をする必要があります。

受講科目の免除については、第一種電気主任技術者免状又は、第二種電気主任技術者免状の資格保持者に限り、受講の一部が免除されます。ただし、修了試験は受験しなければなりません。

まとめ

エネルギー管理士の試験概要、科目、申込みから試験当日までの流れ、受験資格などについて紹介してきましたが、規定量を超えるエネルギーを消費する工場、事業所では、必ず設置しなければいけない国家資格です。

エネルギー管理士は経済産業省令で定める業務であり、受験科目を見ても難易度が高い資格です。しかし、資格取得することで就職に有利になったり、社内での手当など優遇されたりすることもあります。資格免状を取ることにより、責任ある職場に就職するチャンスも増えるため、難易度が高くてもチャレンジしてみる価値はあるでしょう。

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