衛生管理者

衛生管理者の合格点の基準を押さえて、一発合格を狙おう

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衛生管理者は労働者の健康障害を防止するための作業管理や健康管理、労働衛生教育の実施、衛生日誌等の記録の整備、健康の保持増進措置等の職務を行うことから、社会的にニーズの高い資格です。

そこで今回の記事では、国家資格の衛生管理者に合格するためのポイントについて解説をします。

受験のポイントを押さえ、正しい勉強法で1発合格を狙いましょう。

衛生管理者の合格点

衛生管理者の免許には第一種衛生管理者、第二種衛生管理者があり、免許を取得するには厚生労働大臣が指定する指定試験機関が行う試験に合格する必要があります。

第一種衛生管理者試験、第二種衛生管理者試験に合格するには、マークシート式でそれぞれの試験科目ごとの得点が40%以上であり、かつ全科目の合計点が満点の60%以上である場合に合格となります。試験は相対評価の競争試験ではないこと、合格定員数に制限はないので、合格基準点を取った受験者は全員合格します。

衛生管理者試験の科目と配点

次は、衛生管理者試験の出題範囲と配点について見ていきましょう。第一種と第二種に分けて説明をしていきます。

第一種衛生管理者試験の出題範囲

第一種衛生管理者試験の試験科目及び配点は以下の通りです。

❏関係法令・有害業務に係るもの:出題数10問、配点80点
❏関係法令・有害業務に係るもの以外のもの:出題数7問、配点70点
❏労働衛生・有害業務に係るもの:出題数10問、配点80点
❏労働衛生・有害業務に係るもの以外のもの:出題数7問、配点70点
❏労働生理:出題数10問、配点100点

 全科目合計44問で400点満点

各科目40%以上の点数をとり、合計点が60%以上(240点以上)なら合格となります。逆に1科目でも40%を下回る科目があると、合計点の基準を満たしていても不合格となります。

第二種衛生管理者試験の合格点

第二種衛生管理者が担当できるのは商業、サービス業などの業種に限定され、有害業務に係る作業場では資格はありません。従って、第二種衛生管理者試験の出題範囲には有害業務に係るものは含まれていません。

第二種衛生管理者試験の試験科目及び配点は以下の通りです。

❏関係法令(有害業務に係るものを除く):出題数10問、配点100点
❏労働衛生(有害業務に係るものを除く):出題数10問、配点100点
❏労働生理:出題数10問、配点100点

 全科目合計30問で300点満点

第一種同様に各科目40%以上の点数をとり、合計点が60%(180点以上)なら合格となります。

試験の日程は第一種・第二種共通で試験時間が13:30~16:30の3時間なので、2つの試験を同じ試験日に併願をすることはできません。

衛生管理者の合格率

労働衛生技術試験協会の統計によれば、平成30年度の第一種衛生管理者試験の合格率は44.2%(67,080人受験で29,631人合格)、第二種衛生管理者試験の合格率は52.4%(32,985人受験で17,271人合格)です。

どちらも50%前後の合格率ですが、最近では新傾向問題の出題が増え、合格率は年々低下傾向にあります。

国家試験で50%前後の合格率は一見すると高く感じられますが、衛生管理者試験は毎月受験機会があることから複数回受験者がいること、会社命令で受けるモチベーションの低い受験生が一定数いること、各科目で基準点があることから、1発で合格している受験生は実際の合格率よりも低いでしょう。

決して難しい試験ではありませんが、合格するにはそれなりの勉強時間を確保して取り組む必要があります。

受験者の能力・資質・環境・勉強方法といったことで違いはありますが、総務部や人事部等勤務で衛生関連業務の経験がある受験生で50~60時間前後、一般の受験生でしたら100時間前後の勉強時間が必要となります。

試験全体を通して暗記することが多く、効率よく正しい知識をインプットする勉強が求められます。また、有害物質に係るものの範囲は専門用語が多い、似たような用語が多い、実際に業務を経験していないとイメージがしにくいことから、化学関連が苦手な受験生にとっては特に苦戦する内容です。

衛生管理者の合格点に達するためのポイント

受験資格

まずは、受験資格を確認しておきましょう。

衛生管理者試験を受験するにあたっては、学歴と実務経験の要件があります。主な受験資格は次のとおりです。

①学校教育法による大学又は高等専門学校を卒業した者で労働衛生の実務に従事した経験が1年以上あること
②学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者で労働衛生の実務に従事した経験が3年以上あること
③10年以上の労働衛生の実務に従事した経験があること

これら以外にも認められるものがありますので、安全衛生技術試験協会の公式ホームページをご確認ください。

衛生管理者試験は各科目で40%以上の点数をとらないと合格できないので、まんべんなく勉強をして苦手な科目を作らないことが重要です。以下、各科目のポイントをお伝えします。

全体傾向

新傾向問題(リスクアセスメント指針、メンタルヘルス指針、快適職場指針、ストレスチェック、喫煙対策、働き方改革等)が2割程度で、8割が過去問からの繰り返し出題傾向となっています。過去問の重要論点を押さえて、普段から労働安全衛生に関する情報収集を行うことがポイントです。

関係法令(有害業務に係るもの)

安全衛生管理体制、作業主任者、定期自主検査、特殊健康診断からの出題が多い傾向があるので、必ず押さえましょう。作業環境測定士による測定、譲渡等の制限、製造等の禁止、製造等の許可、特別教育からの出題も多く見られます。

特別規則から有機則、酸欠則、特化則、電離則の出題があります。覚えにくい内容ですが、しっかりと押さえておきましょう。

関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)

労働安全衛生法から衛生管理者、衛生委員会、安全衛生教育、定期健康診断、面接指導、産業医、雇入時教育等の出題が多いです。実際の衛生管理者の職務に関連する内容なので、仕事をしているイメージを思い浮かべて勉強すると覚えやすいでしょう。

労働基準法から年次有給休暇、時間外労働、妊産婦、年少者、労使協定、就業規則の出題がありますが、自身の労働環境に直結する内容なので馴染みやすい分野です。

労働衛生(有害業務に係るもの)

職業性疾病から有害化学物質の性状に関する出題が多く見られます。覚えにくい内容ですが、出題パターンは多くないので暗記をしましょう。健康障害から金属等、ガス、酸欠、有機溶剤、高低温、異常気圧、騒音の出題が多いので、必ず押さえましょう。

労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)

作業環境管理、健康管理、労働衛生疾病統計、救急処置、食中毒の範囲から出題されます。衛生管理者として快適な職場環境づくりの中心となる分野です。覚えにくい内容もありますが、しっかりと暗記をして点数をとりましょう。

労働生理

人体の組織、機能、調整、疲労、睡眠、健康測定などに関する出題が中心です。労働生理は過去の出題から繰り返し出題されることが多いので、過去問をしっかりと押さえましょう。法律の勉強に慣れていない受験生の方は労働生理から勉強すると馴染みやすいです。

衛生管理者は過去問からの繰り返し出題が多い試験です。テキストをしっかり読む→過去問や予想問題の演習→間違った部分・不明点をテキストで確認するというサイクルで、繰り返し勉強することが合格に繋がります。

まとめ

この記事では、衛生管理者試験の概要、合格のポイントをお伝えしました。

衛生管理者試験は、自身に合ったテキストと過去問題集等を用意して、じっくりと勉強に取り組めば1発合格が狙える試験です。SATの通信教育なら最短7日間で合格ラインに到達します。

衛生管理者は職場でのニーズも高く、勉強したことが実務に直結する資格ですので、合格を勝ち取り、スキルアップを目指しましょう。

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