エネルギー管理士の試験勉強を始めたけど、電気分野でつまずいている、計算問題に苦手意識があるという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、エネルギー管理士試験の電気分野のおすすめの勉強方法を中心に解説します。さらに、エネルギー管理士の将来性や試験範囲もお伝えしていきますので、受験のモチベーションを上げながら試験対策を進めましょう。
目次
エネルギー管理士の電気分野は選択科目
エネルギー管理士の試験は必須科目1課目と選択科目3課目に分かれます。
必須科目は「エネルギー総合管理及び法規」で、選択専門科目として「熱分野」「電気分野」のどちらかを選択して受験します。
選択専門科目が分かれている理由は、従来は「熱管理士」と「電気管理士」は別々の資格だったためです。
今はエネルギー管理士として一本化されているので、どちらか1つを受験すれば問題ありません。
必須と選択ともに3科目ずつで構成され、各科目(4課目すべて)60%以上正解すれば合格となります。
エネルギー管理士の熱分野と電気分野のどちらを選択すれば良いか迷ってしまうという方は、以下の各分野の試験科目を確認し、自分の得意な科目がある方を選択しましょう。
(※試験時限の順番は下記とは異なることがあります。)
熱分野の試験科目
エネルギー総合管理および法規
熱と流体の流れの基礎
燃料と燃焼
熱利用設備およびその管理
電気分野の試験科目
エネルギー総合管理および法規
電気の基礎
電気設備および機器
電力応用
エネルギー管理士【電気分野】の勉強方法
選択科目で電気分野を受験すると決めた方は、早速電気分野の勉強をする計画を立てましょう。ここからは、電気分野のおすすめの勉強方法として以下の3つをお伝えします。
数学を復習して理解する
エネルギー管理士の資格に合格するためには、高校レベルの数学を復習することは必須です。
高校時代に数学が得意だった方は思い出しやすいかもしれませんが、苦手だった方は勉強時間を多めに確保してください。
数学は段階的に理解する必要があるので、基礎問題集などを活用して少しずつ復習しましょう。
電験二種、電験三種のテキストを使う
実は、エネルギー管理士の電気分野に関する問題集や参考書はあまり多く販売されていません。そのため、電気の基礎・理論の学習は電験二種と電験三種のテキストを活用するのが良いでしょう。
エネルギー管理士の電気分野と、電験二種や三種は試験範囲が重複している部分があるため、電験のテキストもエネルギー管理士の試験対策に使えるのです。
電験の勉強をすることで、ラプラス変換や複素数計算などの計算知識を身につけることができます。
ラプラス変換を押さえる
ラプラス変換は自動制御にて出てきますが、「電気の基礎」の中で最も難関と言われています。
しかし、ラプラス変換は毎年出題されているので、しっかり解けるようにしておきましょう。
ラプラス変換を学ぶテキストは「電験2種 数学入門帖」がおすすめです。ベクトルの考え方・微分・積分・ラプラス変換について理解でき、電力応用を学べます。
ラプラス変換を押さえれば、自動制御の問題はほとんど解けるようになります。
エネルギー管理士の将来性
大規模な工場では、省エネのために実際にどれだけのエネルギーを消費しているか把握することが大切です。そのために必要とされるエネルギー管理士の将来性について見ていきましょう。
需要がなくならない
エネルギー管理士の主な仕事は、エネルギーの使用量を管理することです。
規定量以上のエネルギーを使用する工場は、省エネ法において、第一種エネルギー管理指定工場に指定されます。規定量以上とは、熱(燃料等)と電気を合算したエネルギーの年間使用量が原油換算3,000kl以上であることを指しています。
特に大手メーカーの工場は、第一種エネルギー管理指定工場に指定されていることが多いです。
エネルギーの使用量を管理するエネルギー管理士は、このような大規模な製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業では必ず必要となる資格であるため、就職や転職市場でも非常に需要が高いです。
さらに、大きな工場では、エネルギー管理の他にも、設備の安全、保全も重要視されます。エネルギー管理士は、電気や熱の知識も持ち合わせているため、設備全体を管理できるという点でも重宝されます。
その上、今後多くの業界において、エネルギーを抑制する省エネ問題が注目されることが予想されます。そのため、さらにエネルギー管理士の将来性は高く、需要は増していくと言えるでしょう。
仕事の幅が広がる
エネルギー管理士資格保持者は、工場の保全作業員や省エネ診断士などの仕事に就くことができます。
工場の保全作業員とは工場全体の設備の保全や保守をする仕事で、特別高圧受電設備、受電設備・変電設備、空調設備、ボイラー、コンプレッサーなどの大型機器の保全や保守を担当します。
省エネ診断士とは、工場やビル・大型施設等で現状のエネルギー使用状況を分析し、省エネかつ費用対効果の高い対策を提案するコンサルティングです。
また、エネルギー管理士に加え、電験2種、3種の資格も合わせて取得すると、より仕事の幅を広げることができるでしょう。
エネルギー管理士試験の電気分野はWeb通信講座で受講できる
今回は、エネルギー管理士試験の電気分野を受ける方に向けて効率的な学習方法をご紹介しました。
エネルギー管理士の資格は合格率30%前後ですが、資格取得する価値は十分にあります。時間がない方も効率的な勉強方法で合格を目指しましょう。
最近ではWeb上の動画を視聴することで勉強ができる通信講座もあります。自分に合った勉強法でエネルギー管理士試験で合格を目指しましょう。