衛生管理者は独学で十分合格可能で、むしろ独学が基本となる試験です。難易度もそれほど高くはありません。ぜひ正しい勉強方法で勉強を進め、効率的に試験合格を目指してください。
目次
衛生管理者の試験内容
衛生管理者の種類、合格率等について解説します。衛生管理者には第一種と第二種があります。いずれも合格率は高いものの、勉強せずに合格できるほど難易度は低くありません。
衛生管理者とは
衛生管理者の役割を一言で表すと、職場の安全と衛生を取り締まることです。具体的には、社員の健康を守るための健康診断の開催、空気の調査管理、などがあります。
役割は職場によって異なりますが、社員と環境の両方を守る責務があることは共通しています。また、企業にとって衛生管理者は欠かせない存在です。法律で社員の人数に応じて数人の衛生管理者を配置することが義務づけられているので、絶対的な需要があります。
衛生管理者の種類
衛生管理者には、第一種と第二種があります。また試験も第一種と第二種で分かれています。第一種はすべての業種の事業場で衛生管理者としての役割を担えることが特徴です。
一方で、第二種は一定の業種に限定されています。具体的には、情報通信産業、金融、保険、卸売、小売、といった業界です。担当できる業界の広さからもわかる通り、第一種は第二種の上位資格に該当します。
衛生管理者の合格率
第一種衛生管理者の合格率は、45%~56%程度です。第二種の上位資格なので難しいと思われるかもしれませんが、着実に知識を身につければ問題なく合格できるでしょう。
第二種衛生管理者の合格率は、55%~70%程度です。第一種よりもさらに高い合格率です。
世の中に数多く存在する資格の中でも難易度は低いでしょう。
また受験者の中にはまったく勉強していない人や、そもそも受験会場に来ない人もいます。このような事情を踏まえると、ある程度勉強すればほぼ確実に合格できる試験と言えるでしょう。
例年の受験者数は、第1種が第2種の倍程度です。これは、第2種よりも第1種の方が対応できる業界の範囲が広いためでしょう。
衛生管理者の試験科目と合格の条件
衛生管理者の試験科目は以下です。
NO | 試験科目 |
---|---|
1 | 労働衛生(有害業務に係るもの) |
2 | 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) |
3 | 関係法令(有害業務に係るもの) |
4 | 関係法令(有害業務に係るもの以外のもの) |
5 | 労働生理 |
それぞれの科目で40%以上、合計で60%以上の点数が合格ラインです。他の受験者の点数はいっさい関係ありません。
問題は5択のマーク式です。そのため、当てずっぽうに回答しても、いくつかは正解するでしょう。
捨て問題を作らなければならないほど難易度の高い試験ではないので、100%とは言わないまでも、90%程度を狙うイメージで臨みましょう。
衛生管理者を独学で勉強する方法
衛生管理者の効率的な勉強方法について解説します。
とにかく過去問中心に学習する
衛生管理者の試験は毎年出題傾向が似通っています。つまり過去問を攻略すれば本番の試験でも問題を解くことができます。テキストに関しては、過去問の解説を読んでも理解できなかったタイミングで利用するのがおすすめです。
テキストは薄いものを選ぶ
分厚いテキストは情報が網羅されていることがメリットです。
しかし、分厚いテキストには問題を解くのに不要な情報も含まれているため、読み込むのに多大な労力がかかります。
また、薄いテキストは情報が不足しているケースがありますが、必要な情報に厳選されており、読み込みに時間がかからないメリットがあります。
途中で挫折して勉強を辞めてしまうことを防ぐために、薄いテキストから入り、ハードルを下げるのがおすすめです。
分野別に問題を解く
過去問は基本的に1年単位で掲載されていますが、1年分丸々いきなり解くよりも、各年度の同じ分野から攻めるのが効率的です。なぜなら、その方がまとめてインプットすることができるからです。
1年分過去問を解こうとすると、新しく触れる問題の種類が多すぎて混乱する可能性があります。ただし一通り学習が済んでいる段階であれば1年分まとめて解いても混乱しないでしょう。
最初の段階では分野ごとに問題を解き、一通り学習し終えた後は確認の意味も込めてまとめて問題を解くのが効率的な進め方です。
過去問は最新のものを選ぶ
衛生管理者は問題の傾向が変わりにくい試験ですが、過去問テキストが古すぎると今の傾向と多少異なる可能性があります。そのため、過去問テキストはなるべく新しいものを選択した方が良いです。
衛生管理者の独学におすすめのテキスト
衛生管理者の独学では、王道のテキストを選んでおけば間違いありません。
詳解 第1種衛生管理者過去6回問題集
著者:コンデックス情報研究所
第1種衛生管理者の王道の過去問集です。過去問と解説が収録されており、これ一冊をマスターすれば本番の試験も解けるでしょう。
詳解 第1種衛生管理者過去6回問題集
第1種衛生管理者 集中レッスン
著書: コンデックス情報研究所
こちらはテキストですが、問題が収録されています。問題を解きながら解説を読み、実践的に学習を進めていく流れです。
第1種衛生管理者 集中レッスン
独学だけでは不安な人は通信講座をやってみよう
衛生管理者の勉強方法として、通信講座という選択肢もあります。通信講座はあらかじめ用意されている講義映像をオンラインで閲覧可能で、時間に縛られずに自分のタイミングで勉強を進めることが可能です。
そのため完全に独学のメリットを得られます。また受動的に学習しやすいため、たとえば仕事で疲れているときなどでも勉強が進むでしょう。過去問やテキストだと、「どうしても解くのが大変」、「読み進めるのが大変」、「集中できない」といったことが起こりがちです。
通信講座なら勝手に講義が進んでいくので強制的に勉強することになり、なおかつ内容を講師が話してくれるので脳の労力が少なく済みます。
ただし「自分で過去問を解いた方が早い」、「自分で読んだ方が手っ取り早い」といったこともあるので、自分に合った方法を選びましょう。独学が得意な方は書籍中心、勉強が苦手な方ほど通信講座を選択するのがおすすめです。
まとめ
衛生管理者は難易度がそこまで高くない試験であり、独学でも十分合格可能です。むしろ大半の方は独学で受験しています。またどうしても勉強に自信がない場合、通信講座という選択肢もあります。
通信講座なら、講師の解説を聞いて理解を深められるので、効率的かつ少ない労力で知識が身につきます。いずれにしても、「過去問をしっかり解く」、「解説をしっかり読み込んで理解する」、といったことに重点を置くことが大切です。