第1級陸上特殊無線技士

一陸特と一陸技とは?操作範囲・難易度・試験科目の違いを紹介

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無線設備の技術操作ができる無線従事者資格には、一陸特(第一級陸上特殊無線技士)と一陸技(第一級陸上無線技術士)があります。

陸上の無線設備を操作できる点は共通していますが、操作範囲に大きな違いがあるのです。

こちらでは、一陸特と一陸技の基礎知識を踏まえ、操作範囲と試験の難易度、試験科目の違いについて解説します。

一陸特と一陸技の基礎知識と操作範囲の違い


一陸特と一陸技の基礎知識と、操作範囲の違いについて見ていきましょう。

一陸特(一級陸上特殊無線技士)とは?

一陸特とは、衛星や業務無線、速度測定用レーダーなどを用いた、通信システムの技術操作をおこなえる国家資格です。

携帯電話をはじめとする電波利用技術が発展したことにより、小規模な無線局がさまざまな場面で活用されています。小規模の無線局に無線従事者の有資格者を配置するため、無線設備の種類や周波数、空中線電力などを限定し、資格を取得しやすくしたことが陸上特殊無線技士の誕生のきっかけです。

一陸特はテレビの中継局や交通機関の無線施設、携帯電話の基地局、防災無線など、幅広いシーンで活躍できます。

一陸技(一級陸上無線技術士)とは?

一陸技とは、すべての無線局の業務用無線設備において、技術的な操作ができる資格です。一陸特の上位互換にあたり、陸上無線従事者の最高峰の資格となります。

テレビ局や電気通信事業の無線設備のほかに、海上保安庁、気象庁、運輸省航空局など、さまざまな場で活躍できます。

一陸特と一陸技の操作範囲の違い

一陸技の操作範囲は、電波法で定められた基幹放送局や電気通信事業の固定局、無線測位局など、すべての業務用無線設備が対象です。一陸特では扱うことのできない、海岸地球局、航空局、無線航行局などの技術操作もおこなえます。

一方一陸特では、第二級と第三級の陸上特殊無線技士の操作範囲に加え、空中線電力500W以下の陸上無線局の多重無線設備、かつ30MHz以上の周波数の電波を使用する技術操作が可能です。

たとえば、テレビやラジオの中継局、警察車両や消防車など、陸上移動をおこなう無線局が挙げられます。

このように、一陸技はあらゆる業務用無線設備を操作できますが、一陸特では操作範囲に制限があります。

一陸特と一陸技の難易度と試験科目の違い

一陸技は一陸特の上位資格ですが、試験の難易度にも差があるのでしょうか。そこで、両者の合格率から見る難易度と、試験科目の違いについて紹介します。

一陸特と一陸技の合格率と難易度

一陸特の合格率は30%前後、一陸技では25%前後と、一陸技の難易度がやや高いことがわかります。

どちらも受験資格がない試験ですが、無線に関する知識が必要不可欠です。最上位資格の一陸技は大卒程度のレベルといわれており、電気系や通信系を卒業した方でなければ合格は難しいでしょう。

一方、一陸特も無線の知識がある程度必要になりますが、基礎をしっかり身に付ければ、学校で無線を学んでいない方でも合格できる試験です。

一陸特と一陸技の試験科目

大卒レベルの一陸技の試験科目は「工学の基礎」「工学A」「工学B」「法規」の4科目です。五肢択一のマークシート式で出題され、4科目を2日間に分けて受験します。

工学3科目は125点中75点以上、法規は100点中60点以上という、厳格な合格基準が定められています。

特に、一陸技の工学A・Bは範囲が広いうえに、学校で学ばなかった専門知識が求められるため、無線従事者資格の中でも難易度が高い試験です。

ただし、合格した科目は3年間の受験科目免除を受けられます。そのため、科目免除制度を利用して時間をかけて合格することも可能です。

科目免除になる資格を取得すれば、幅広い知識を身に付けている人材として活躍できるでしょう。

一方、一陸特の試験科目は「無線工学」「法規」の2科目のみです。合格基準は無線工学で120点中75点以上、法規は60点中40点以上と、一陸技と大差ありません。

ただし、一陸特は必要な要件を満たすと、「養成課程」を受講できます。養成課程を受講すれば国家試験の受験が不要になるので、一陸特を取得したい方は検討しましょう。

養成課程の受講条件は、電気科や通信系の学科を卒業、または養成課程を実施する機関で選抜試験に合格することです。

さらに詳しく!
一陸特の難易度は高い?勉強方法のコツを押さえて合格しよう!

一陸技は一陸特の上位資格

一陸技はあらゆる業務用無線施設において、無線設備の技術操作ができる最上位の資格です。一方、一陸特は主に通信システムの操作をおこなう資格で、多重無線設備を使用した無線設備や陸上移動無線局などの操作に限られます。

一陸技の合格率は例年25%前後、工学3科目と法規の4科目は大卒レベル、という点で難易度の高さがうかがえます。

しかし、科目合格の免除制度を利用すれば、難しい試験でも着実に取り組めば合格できる試験です。一陸特は30%前後と決してやさしい試験ではありませんが、一陸技よりも難易度はやや低いようです。

加えて、試験を受験せずに資格がとれる養成課程が存在するため、一陸特は一陸技より取得しやすい資格といえるでしょう。

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