技術士の建設部門は、技術士試験の中でも例年受験者が一番多い部門であり、建設部門の需要は、今も昔も変わらず高い状態です。
万全の状態で試験に挑み、合格するためにも、建設部門がどういった資格なのか、また試験内容はどういったものなのか、事前に情報を集めておきたいところです。
そこで今回の記事では、技術士建設部門の難易度と合格率について解説します。
技術士とは?
技術士は、科学技術分野における高等の専門的応用能力を有する、優れた技術者に与えられる国家資格です。
細かくみると、技術士は機械部門や化学部門など21の分野に分かれており、受験者は取得する部門ごとに受験しなければいけません。
技術士【建設部門】とは?
技術士は、産業経済、社会生活の科学技術に関するほぼ全ての分野(21の技術部門)と携わりますが、この中の1つに「建設部門」があります。
年度によって多少の違いはありますが、建設部門は技術士試験の中でも合格率の低い部門です。
合格率が低い原因の1つが、従業員が会社から技術士資格を取ってくれと頼まれて受験するものの、なかなか合格しない受験生が多いため、といわれていたりします。
建設部門を取得することで建設コンサルタントや官公庁への就職、技術士としての独立など仕事の幅が大きく広がります。
では、技術士建設部門の試験はどのくらいの難易度なのでしょうか?次のセクション以降では、建設部門の難易度と合格率について解説します。
技術士【建設部門】の難易度
技術士建設部門には、第一次試験と第二次試験の2つの試験があり、合格するうえで最大の難関となるのは、第二次試験の筆記試験です。
次項でも解説しますが、技術士第一次試験の筆記試験は基礎科目・適性科目・専門科目の3科目が出題されます。解答方法はすべての科目でマークシート式(五肢択一式)です。
技術士 第一次試験 科目について
基礎科目−科学技術全般にわたる基礎知識。
適性科目−技術士法第4章(技術士等の義務)の規定の順守に関する適正。
専門科目−受験者があらかじめ選択する1技術部門に係る基礎知識及び専門知識。
基礎科目と適性科目は部門共通の問題ですが、専門科目に関しては建設部門の専門的な問題は出題されます。
なお第一次試験には受験資格はありませんので、学歴や実務経験に関係なく受験が可能です。
そして気になる合格率ですが、建設部門の第一次試験の場合はおよそ30%から50%程度になります。
一方で、第二次試験の合格率は10%前後と非常に低くなります。ただし、先述したとおり、最大の難関が筆記試験です。
第二次試験は、筆記試験(論文形式)と口頭試験の2つで構成されていますが、筆記試験の合格者のみが受験できる口頭試験の合格率は9割近くあります。
つまり、受験者のほとんどが第二次試験の筆記試験で苦戦しているのです。
では、口頭試験は簡単かというと、決してそう言うわけではありません。
半分の受験生が一次試験でふるいにかけられ、10人中8~9人が落とされる二次試験をパスした猛者たちの内、1割が涙をのむのです。口頭試験は数字以上の過酷な試験というのが、実情です。
建設部門の第二次試験では、次の選択科目(専門分野)が規定されています。
No | 建設部門の選択科目(専門分野) |
---|---|
1 | 土質および基礎 |
2 | 鋼構造およびコンクリート |
3 | 都市および地方計画 |
4 | 河川・砂防および海岸・海洋 |
5 | 湾岸および空港 |
6 | 電力土木 |
7 | 道路 |
8 | 鉄道 |
9 | トンネル |
10 | 施工計画・施工設備および生産 |
11 | 建設環境 |
上記が規定されている選択科目(専門分野)です。
専門分野の詳細は「日本技術士会」が第二次試験科目にて規定していますが、非常に広範囲にわたっています。
建設部門の技術士は、これらの技術領域と知識を保有しなければいけないので、勉強する際には長期的かつ効率的な方法で実践しましょう。
技術士【建設部門】の合格率
技術士の試験では、第一次試験と第二次試験があります。先ほども少し解説しましたが、建設部門の過去数年間におけるそれぞれの合格率について詳しくみていきましょう。
年度 | 第一次試験 | 第二次試験 |
---|---|---|
令和5年度 | 36.7% | 9.8% |
令和4年度 | 41.2% | 9.7% |
令和3年度 | 28.9% | 10.4% |
令和2年度 | 39.7% | 10.3% |
令和元年度 | 47.6% | 9.4% |
上記がここ数年間における第一次試験と第二次試験の合格率です。
合格率をみてみると、第一次試験の合格率に対して、第二次試験の合格率が10%前後と大幅に減少していることがわかります。
先ほどのセクションでも解説しましたが、1万人以上いる受験者のほとんどが第二次試験の筆記試験で不合格となり、口頭試験を受験できません。
つまり、第二次試験の筆記試験が攻略のカギと言えるでしょう。
非常に難易度の高い試験ですが、過去問を中心に学習サイクルを確立して勉強することで合格する力身につがきます。
難関の技術士試験を突破するためには通信講座がおすすめ
では、難関の技術士試験を突破するためにはどのように勉強を進めればいいのでしょうか。ここでは通信教育SATの技術士試験対策での勉強方法を解説します。
SATの通信講座は動画教材とテキスト教材の2つを使って勉強をします。
第一次コースは過去問題の解説が中心となりますが、経験のある講師が過去問に取り組む前の基礎知識から解説を行うので、初めて勉強をされる方でも安心して勉強を始めることができます。
そして、難関の第二次試験用講座は「パーフェクト講座」「筆記試験・添削対策講座」「口頭試験対策講座」の3コースがあります。
「筆記試験・添削講座」では、講師の添削を15回(業務経歴書6回、筆記各科目9回ずつ)まで行うことができるので、効率よく論文作成スキルを身につけることができます。
また「口頭試験対策講座」では、ZOOMによるマンツーマン模擬試験を最大3回まで実施することができます。
そしてパーフェクト講座は「筆記試験・添削対策講座」と「口頭試験対策講座」がセットになったものです。第二次試験のすべての試験対策を行いたい場合はこちらがおすすめです。
建築部門は例年受験者が最も多い部門であり、難易度が高いのが特徴ですが、取得すると就職先や独立といった仕事の幅が広がり、キャリアアップを狙えます。ぜひ通信講座を利用して、難関資格の合格へと挑戦して見てください。