給湯や空調、大規模な工場の動力など、ボイラーは建物に欠かせない設備です。
ボイラー技士は各種ボイラーの取り扱いや点検、保守などができる資格で、試験に合格してから申請をして初めて免許が交付されます。
免許申請には実務経験や講習が必要になるため、免許申請の前に確認が必要です。こちらでは、ボイラー技士免許申請の必要書類と実務経験、申請から交付までの流れについて解説します。
目次
ボイラー技士の免許申請に必要な書類と実務経験
ボイラー技士免許の申請に必要な書類と入手方法、必要な実務経験について見ていきましょう。
免許申請の必要書類
免許申請の必要書類は、以下のものが挙げられます。
ボイラー技士 免許申請必要書類
- 免許試験合格通知書
- 免許申請書
- 収入印紙
- 免許証用返信用封筒
- 返信用切手
- 写真(縦30mm×横24mm)
- 実技講習修了証(2級のみ)実務経験従事証明書(1級のみ)
免許試験合格通知書は、試験に合格すると送付される書類のことです。免許申請書の入手方法は、都道府県の労働局や労働基準監督署でもらうか、厚生労働省のホームページからダウンロードのいずれかです。
実は、試験会場に免許申請書や返信用封筒を含めた書類一式が用意されているため、合否を問わず入手しておくことをおすすめします。
写真と収入印紙は申請書の所定の位置に貼り、返信用切手は返信用封筒に貼り付けておきます。また、都道府県によっては本人確認書類などが必要な場合があるので、お住まいの都道府県の情報を必ず確認しましょう。
2級は実技講習修了書が必要
2級ボイラー技士は受験資格が定められていないので、実務経験がない人でも受験できる試験です。
そのため、実務経験がない人に免許を交付する条件として、20時間の実技講習を修了し、修了証を添付する必要があります。
実技講習は受験前、もしくは合格後のどちらでも受講可能ですが、修了証を紛失しないよう注意しましょう。
また、2級の試験に合格してから免許申請するまでの間に、小型ボイラーを取り扱った経験が4か月以上あれば実務経験として認められます。
1級・特級は実務経験従事証明書が必要
ボイラー技士には1級と最上位の特級があり、それぞれで実務経験従事証明書の添付が必要です。そこで、1級と特級の免許申請に求められる、実務経験の内容は次の通りです。
1級 | 2級取得後にボイラーの取り扱い業務を2年以上、もしくはボイラー取扱作業主任者の経験が1年以上 |
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特級 | 1級取得後にボイラーの取り扱い業務を5年以上、もしくはボイラー取扱作業主任者の経験が3年以上 |
また、実務経験従事証明書は、各級で必要な実務経験が記載されているので、該当するものにチェックを入れる形式です。会社による証明が必要になるため、社長や支店長の職種の印鑑、または社印と個人印の両方をもらう必要があります。印鑑の代わりに、書類に直筆で署名を書く方法でも受理されます。
また、チェックした実務経験に従事した期間を記入する項目は、所定の実務経験を必ず満たす必要があります。書き損じは修正液などを使用せず、必ず印鑑で訂正することが基本です。
ボイラー技士免許交付までの流れと注意点
上記の書類を準備したら、以下の手順で免許を申請しましょう。申請の際にいくつか注意点があるので、事前に把握しておくと安心です。
各都道府県の労働局に申請
免許申請の書類一式を、住民票がある都道府県の労働局に郵送で提出します。
送り先は労働局、もしくは免許証発行センターなど、都道府県で名称が異なる場合があるので確認が必要です。また、勤務地がお住まいの都道府県以外の場合でも、申請先は住民票のある都道府県になるので注意しましょう。
免許申請に有効期限はある?
合格後に受け取る合格通知書、2級の免許申請に必要な実技講習修了書は、どちらも有効期限はありません。そのため、合格後に免許申請が遅れた場合でも、実技講習を試験合格後に遅れて受講した場合でも、免許を交付してもらうことは可能です。
また、ボイラー技士免許には有効期限はないうえに、更新手続きも必要ないので、一度免許を取得すれば永久に使うことができます。
免許申請から交付までの期間
免許証の交付は、申請に提出した返信用封筒で郵送される仕組みです。労働局に免許申請をしてから交付まで、1~3か月ほどかかるのが一般的です。他の国家資格と比べると少し期間が長い傾向があるようです。
ただし、秋から年末頃は申請が集中しやすい時期なので、ある程度の時間を要するものと考えておきましょう。
ボイラー技士に合格したら免許申請を忘れずに
ボイラー技士は試験に合格しても、申請しないと免許が交付されません。基本的な書類は級を問わず共通ですが、2級で実務経験がない方は実技講習修了証、1級と特級では実務経験従事証明書の添付が必要です。
実務経験従事証明書は会社の社印や署名が必要なので、申請前に会社に必ず依頼しましょう。住民票がある都道府県の労働局に書類一式を郵送しますが、勤務地の都道府県に送らないよう注意が必要です。
免許交付までに最低でも1か月はかかるので、早く免許を手にしたい方は、合格後または実地講習修了後に、すみやかに申請しましょう。