建築物環境衛生管理技術者

ビル管理士の試験について1分で分かる!概要や受験資格まで解説

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ビル管理士の試験概要について、基本的な部分から合格の方法まで解説します。まずは試験の概要を把握し、正しい方法で勉強を進めることが合格につながります。

ビル管理士試験の概要を押さえよう

ビル管理士試験の試験科目・合格基準点・合格率・費用・日程・試験会場・受験資格などについて解説します。

試験科目

ビル管理士試験の試験科目は以下7科目です。

科目名
1 建築物衛生行政概論
2 建築物の構造概論
3 建築物の環境衛生
4 空気環境の調整
5 給水及び排水の管理
6 清掃
7 ねずみ、昆虫等の防除

合格基準点、合格率

合格基準点は年度によって変更される可能性がありますが、だいたい各科目が40%以上、全体で65%以上が合格点となります。例えば上に挙げた科目のうち1科目でも40%を下回ってしまうと、その時点で不合格です。

また、全ての科目が40%を上回っていても、全体で65%を下回っていたら不合格です。各科目のボーダーと、全体のボーダーの両方を上回っている必要があります。

合格率はそこまで高いわけではなく、年度によって異なりますが10%~30%です。年度により変動がありますが、この範囲を抜けることはあまりないでしょう。

つまり、かなり合格率が高い年度でも30%は切っているということです。おそらくほとんど勉強せずに受験している人や当日都合が合わなくてそもそも受けていない人がいるのでしょう。しかし、真面目に勉強しても落ちる可能性があるといえる数字です。

費用・日程

ビル管理士試験の費用は13,900円です。決して安くはないので、できれば一発合格したいところです。とはいえ先ほど説明したとおり合格率はそこまで高くないので、一発合格を目指すためには力を入れて勉強しておく必要があります。

試験日程は毎年10月の第一日曜日が多くなっています。また、合格発表は約1か月後です。

試験地

試験地は、札幌市・仙台市・東京都・愛知県・大阪市・福岡市です。

受験資格

ビル管理士試験を受けるためには、2年以上の実務経験が必要です。実務経験の証明は特別難しくありませんが、勤めている企業に証明書類をもらう必要があります。

また、建物ならなんでも実務経験になるわけではなく、該当する建物が定められています。
具体的には、興行場・百貨店・集会場・図書館・博物館・美術館・遊技場・店舗・事務所・学校・旅館・ホテルなどです。またこの建物の中でも、以下の設備管理でないと実務経験に該当しません。

それは、空気調和設備管理、給水・給湯設備管理、ボイラ設備管理、電気設備管理、清掃及び廃棄物処理、ねずみ・昆虫等の防除です。建物にしても設備にしても、広範囲なのでほとんどの場合どこかには該当するでしょう。

類似する経験はあるけれど該当しない、といったことはあまりありません。

ビル管理士試験の申し込み方法

ビル管理士試験に申し込むためには、まず受験願書を入手します。入手方法はダウンロードして印刷するか、返信用封筒を同封し請求するという選択肢があります。入手できる期間が決まっているので注意が必要です。

基本的には印刷した方が早いでしょう。ダウンロードや記載方法について、詳しくは公益財団法人日本建築衛生管理教育センターの公式ホームページ(https://www.jahmec.or.jp/kokka/)より確認できます。

ビル管理士の試験内容と勉強方法

次にビル管理士試験のより具体的な内容や、合格するためにどのような勉強をすべきなのか解説します。

試験科目

試験科目は先ほども紹介しましたが、配点とセットでもう一度紹介したものが以下です。

科目 配点
1 建築物衛生行政概論 20点
2 建築物の構造概論 15点
3 建築物の環境衛生 25点
4 空気環境の調整 45点
5 給水及び排水の管理 35点
6 清掃 25点
7 ねずみ、昆虫等の防除 15点

以上の科目、配点になっており、合計180点です。特に建築物の環境衛生は配点が大きいので、落とせないところです。次に給水及び排水の管理も配点が大きいです。

ビル管理士試験なので、特に業務に直結する内容の配点が大きくなっています。

どんな問題が出るか見てみよう

問題の具体例は以下です。

問題.
次の用語とその単位との組合せのうち、誤っているものはどれか。
(1) 比エンタルピー W/kg(DA)
(2) 光度      cd
(3) 振動加速度   m/s2
(4) 熱伝導率    W/(m・K)
(5) 音圧      Pa

比エンタルピーの単位は[J/kg(DA)]であるため、正解は(1)です。

問題引用:https://yaku-tik.com/bill/h30-046/

問題.
建築物における衛生的環境の維持管理について(平成20年1月25日健発第0125001号)に示された、建築物環境衛生維持管理要領に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 帳簿書類には、清掃、点検及び整備を実施した年月日、作業内容等を記載する。
(2) 清掃用機械及び器具は、清潔なものを用い、汚染度を考慮して区域ごとに使い分ける。
(3) 大掃除においては、1年以内ごとに1回、日常清掃の及びにくい箇所等の汚れ状況を点検し、必要に応じ除じん、洗浄を行う。
(4) 清掃用機械及び器具類、清掃用資材の保管庫は、6カ月以内ごとに1回、定期に点検する。
(5) 収集・運搬設備、貯留設備等の廃棄物処理設備は、6カ月以内ごとに1回、定期に点検する。

正解は(3)です。大掃除は6カ月以内ごとに1回行う必要があるため、頻度が間違っています。

問題引用:https://yaku-tik.com/bill/r1-141/

問題.
建築物衛生法に基づく特定建築物の延べ面積に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 地下街の地下道は、延べ面積に算入しない。
(2) 公共駐車場は、延べ面積に算入しない。
(3) 事務所内の事務所用倉庫は、延べ面積に算入しない。
(4) 共同住宅は、延べ面積に算入しない。
(5) 診療所は、延べ面積に算入しない。

正解は(3)です。事務所内の事務所用倉庫は「付属する部分」と見なされるため、延べ面積に含めます。

問題引用:https://yaku-tik.com/bill/r1-003/

効率の良い勉強方法

ビル管理士試験の勉強方法は、以下のようなものが挙げられます。

・参考書
・動画教材
・専門学校

どの方法がベストかは、好みや確保できる時間によるでしょう。例えばゆっくり時間を確保できるのであれば、動画を全て見てきっちり勉強するのも選択肢の一つです。

また金銭的に余裕がある、独学は苦手、という場合専門学校も一つの選択肢でしょう。仕事の合間に効率的に独学で勉強したいのであれば、参考書がベストと考えられます。

ただし、参考書を最初から最後まで徹底的に読み込むのは時間がかかるうえに効率が悪いといえるでしょう。なるべくなら最初に過去問題をざっと見ておいて、特に重要そうな部分から重点的に勉強するのがおすすめです。

結局のところ問題を解くために勉強しているので、問題に合わせて効率的に勉強していくのがベストです。

ビル管理士試験の勉強方法の詳細は下記の記事を是非ご覧ください。
https://s-k-y.tokyo/blog/building-environmental-health-management-engineer-study/

講習でビル管理士の資格を取得する方法もある

ビル管理士は試験を受けずに資格取得する方法もあります。試験を受けずに資格取得できるならそちらのほうがいいと思われるかもしれませんが、厳しい受講資格が設けられており、なおかつ受講時間が長すぎます。

詳細については以下をご確認ください。
https://www.jahmec.or.jp/pdf//koushu/jyukoshikaku.pdf

学歴や免許の厳しい要件が定められており、多くの方は普通に勉強して試験を受けたほうが早いといえるでしょう。

まとめ

ビル管理士になるには、試験を受ける方法と、講習を受ける方法があります。一見すると講習を受ける方が簡単そうに思えますが、厳しい条件が設けられています。

ビル管理士試験は簡単というわけではありませんが、しっかり勉強して合格できないような試験でもありません。また、実務経験を積んでいれば内容も頭に入ってきやすいでしょう。

効率的な方法で着実に勉強し、試験合格を目指すのが得策です。

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