危険物取扱者

危険物取扱者「甲種」の難易度は?乙丙種との比較、勉強方法も解説

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危険物取扱者甲種は、危険物取扱者の中でも最上位資格という位置づけですが、各出題項目は乙種と大きな差はありません。

しかし、全ての危険物を取り扱うことができるため、出題範囲の広さという点で高難易度です。

これから甲種の取得を目指している方は、乙丙種との違いも理解しながら概要を把握しましょう。甲種の取得を目指している方へ、試験難易度や合格率、勉強方法を乙丙種と比較しながら解説します。

合格率から見る危険物甲種の難易度

危険物取扱者は6種類に分かれていますが、その中でも危険物取扱者甲種は第1類から第6類全ての危険物を管理できるのが大きな特徴です。

まず危険物取扱者甲種の難易度を、合格率から解説します。また、乙種、丙種の合格率も紹介するので、危険物取扱者の中でどのような難易度なのか確認してみてください。

危険物甲種の合格率

危険物取扱者甲種は、危険物取扱者の中でもっとも難易度が高い資格といわれています。その大きな理由は、出題範囲の広いからです。

甲種の合格率は例年30%〜40%程度です。半分以上の人が不合格になるわけですから、難関資格という理由がわかる数字でもあります。

危険物取扱者の試験を実施している「一般財団法人消防試験研究センター」を参考に、以下に過去の合格率をまとめます。

危険物取扱者 甲種 合格率

年度 合格率
平成28年度 33.5%
平成29年度 37.3%
平成30年度 39.8%
令和元年度 39.5%
令和2年度 42.5%
令和3年度 39.6%
令和4年度 36.8%
令和5年度 31.7%

危険物乙種、丙種の合格率

危険物取扱者丙種は、乙種第4類や第3類の一部のみ管理・点検ができます。まずは危険物取扱丙種の合格率を以下にまとめます。

危険物取扱者 丙種 合格率

年度 合格率
平成28年度 48.7%
平成29年度 50.7%
平成30年度 51.2%
令和元年度 50.4%
令和2年度 54.0%
令和3年度 51.4%
令和4年度 51.0%
令和5年度 48.4%

危険物取扱者甲種と比較すると、20%程度高い合格率を維持しています。これは、出題範囲が限定的で、マークシートの選択肢が他の2種類よりも少ない4択方式のためでしょう。

続いて危険物取扱者乙種の合格率です。

危険物取扱者 乙種 合格率

年度 第1類 第2類 第3類 第4類 第5類 第6類
平成28年度 65.5% 67.2% 68.4% 28.9% 66.9% 64.3%
平成29年度 68.4% 70.9% 69.2% 34.4% 69.4% 63.6%
平成30年度 66.9% 68.3% 67.7% 39.0% 66.1% 64.4%
令和元年度 67.9% 68.5% 68.2% 38.6% 68.7% 67.0%
令和2年度 71.5% 70.8% 70.8% 38.6% 71.2% 68.5%
令和3年度 70.5% 72.3% 71.0% 36.1% 71.0% 70.7%
令和4年度 69.4% 68.9% 71.1% 31.5% 71.0% 70.0%
令和5年度 70.0% 66.8% 69.2% 32.0% 68.4% 69.2%

乙種第4類の合格率は例年30%〜40%で推移していますが、他の第1・2・3・5・6類は60%~70%台で推移しています。つまり危険物取扱者乙種は、合格率が比較的高い傾向があるといえるでしょう。

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また、乙種第4類に関しては受験者数が多いため合格率も低くなる側面があり、乙4は極端に難易度の高い内容ではありません。

出題内容から見る危険物甲種の難易度

続いては危険物取扱者甲種の出題内容から、乙種・丙種との難易度を比較します。

出題数と範囲が異なる

危険物取扱者、甲種・乙種・丙種の大きな違いは出題範囲です。冒頭でも少し触れましたが、丙種がもっとも出題範囲が狭く、次いで乙種第1~6類・甲種と出題範囲が広がっています。

・丙種

受験科目 問題数
危険物に関する法令(法令) 10問
燃焼及び消火に関する基礎知識(燃消) 5問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消) 10問

丙種の出題数は25問で、危険物の法令・燃焼と消火に関する基本・危険物の特徴や消火など基礎知識を中心としています。また、丙種単体の資格では、業務に活かす機会が少ないため通常は乙種や甲種の取得を目指します。

・乙種

受験科目 問題数
危険物に関する法令(法令) 15問
基礎的な物理学及び基礎的な化学(物化) 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消) 10問

乙種の出題数は35問で、第1~6類どれも危険物の法令・物理と化学の基礎・危険物の特徴や消火、火災予防など、3科目から出題されます。丙種との大きな違いは、物理と化学が含まれていることです。

・甲種

受験科目 問題数
危険物に関する法令(法令) 15問
物理学及び化学(物化) 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消) 20問

甲種は45問ともっとも多い出題数です。科目は乙種と同じですが、取扱危険物の種類や物理・化学の出題範囲なども広くなっています。

物理と化学の難易度が大きく違う

危険物取扱者試験の丙種は物理・化学を取り扱っていませんので、難易度は下がります。そして乙種と甲種には、物理・化学も出題されます。

乙種で出題される物理・化学は、中学生で学ぶ内容がほとんどです。しかし甲種はレベルが上がり、高校1年生で学ぶ物理・化学の内容から出題されます。

このように、危険物取扱者乙種と甲種では物理と化学の難易度に差があるため、注意しましょう。

【甲種:補足事項】

物理学 高校数学を活用しているため計算問題の難易度も高い
化学 化学式の出題範囲が広く暗記量も多い
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甲種の資格取得を目指す時は、高校数学・物理・化学を復習する必要があります。

選択肢が異なるため甲種と乙種は高難易度

危険物取扱者の試験はマークシート方式ですが、選択肢の数はそれぞれ異なります。

甲種 5択から1つ選択
乙種 5択から1つ選択
丙種 4択から1つ選択
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選択肢という観点でも甲種と乙種の難易度が高く、丙種は少し難易度を下げています。

危険物甲種の勉強方法

自慢のSAT教材の内容をぜひご確認ください。

ここからは危険物取扱者甲種の勉強教法について解説します。

参考書を読み込む

難易度の高い甲種と言っても、勉強方法は他の資格と同様に参考書や問題集を読み込むことです。

そして、危険物甲種の参考書はもちろんですが、乙種の参考書も購入することをおすすめします。

乙種の参考書が必要な理由は、甲種は乙種第1~6類の危険物を全て取り扱っていて共通点が多いためです。また、甲種の参考書だけではカバーしきれない部分を乙種の参考書で補えます。

甲種 乙種第1~6類の危険物が出題範囲。
乙種 第1~6類別々。そのため参考書も各類で詳細に記述している。

一通り読み込んだ後は疑問点を調べる

参考書を一通り読み込んだ後は、理解できなかった用語や公式・説明を詳しく調べ直し、理解できるまで学習します。

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危険物甲種は化学式や公式なども多数出題、活用しなければいけません。
そのため暗記項目が多数存在する資格でもあります。

問題集や過去問を解く

一通り出題傾向や内容を把握できたら、問題集を解きます。また、危険物取扱者の試験は、過去問や似た内容が出題されることも多いため、過去問集を購入して解くのもおすすめです。

参考書を読んで知識を得るのと問題を解く力は異なるため、いきなり問題文を読んでもわからないケースがあります。そのため、早い段階で実践形式に移り、問題集や過去問を解く回数を増やしましょう。

苦手な箇所を分析し復習

何回も問題集や過去問を解いていると、苦手科目や間違いやすい箇所がわかるようになります。そこで次は、苦手な箇所を重点的に復習します。

苦手な箇所は人によって違うため、参考書や過去問を解いているだけでは見つかりません。まずはどのような内容が苦手なのか、間違った回答を分析してみます。

あとは何度か苦手な箇所も復習し、もう一度参考書を読みなおしたり問題集を解いたりしながら強化して対策しましょう。

独学が難しい方は通信教育がおすすめ

危険物取扱者甲種は、高校数学・物理・化学の内容が含まれるため、元々苦手・しばらく勉強していないため基礎から忘れた、といった場合は通信教育をおすすめします。また、独学で学習すること自体に不安を抱いている方も、通信教育を始めてみましょう。

最近では危険物取扱者の通信教育だけでなく、オンライン講座も提供されているので時間や場所を選ばず学習できます。また、DVD付き通信教育やオンライン講座は動画による要点説明があり、テキストよりも理解しやすいのも魅力的です。

危険物甲種には受験科目の免除がない

甲種試験では受験科目の免除はありませんが、乙種、丙種では科目の一部免除が認められています。どのような条件で免除となるのか覚えておきましょう。

乙種で科目免除となる条件

乙種危険物取扱者免状を有する者

免状種類 全類
受験科目及び問題数 性消のみ 10問
試験時間 35分

火薬類免状を有する者

免状種類 第1・5類
受験科目及び問題数 法令:15問
物化:4問
性消:5問
試験時間 1時間30分

乙種危険物取扱者免状を有し、かつ火薬類免状を有する科目免除申請者

火薬類の免状については、火薬類取締法に基づく以下のいずれかの免状が必要です。

  • 甲種、乙種及び丙種の火薬類製造保安責任者免状
  • 甲種及び乙種の火薬類取扱保安責任者免状
免状種類 第1・5類
受験科目及び問題数 性消のみ 5問
試験時間 35分

丙種で科目免除となる条件

免除該当者 5年以上消防団員として勤務し、かつ、消防学校の教育訓練のうち基礎教育又は専科教育の警防科を修了した者
受験科目及び問題数 法令:10問
性消:10問
試験時間 1時間

危険物取扱者の受験資格

最後に、危険物取扱者甲種の受験資格を紹介します。

甲種の受験資格

危険物取扱者甲種の場合は、受験資格が存在します。条件は以下いずれか1つを満たしていると、受験できます。

危険物取扱者甲種の受験資格

  • 大学などで化学に関する学科などを修了・卒業済み。もしくは化学に関する科目を15単位以上修得済み。
  • 危険物取扱者乙種を取得していて、実務経験2年以上
  • 危険物取扱者乙種の中で下記4種類以上取得していること(免状交付)
    (乙種4種類以上の免状とは、①第1類または第6類、②第2類または第4類、③第3類、④第5類を指します。大学で化学を専攻していない・単位を取得していない場合は、乙種の取得を目指すのが現実的な選択肢です。)
  • 修士、博士号を受けていて、なおかつ化学を専攻している

乙種、丙種の受験資格

危険物取扱者の乙種・丙種に受験資格はありません。ですので、年齢・学歴・職歴・免状・単位取得など一切関係ありません。

そのため、受験資格の観点から見ても甲種のほうが受験のハードルが高くなるでしょう。

まとめ:危険物取扱者「甲種」の取得を目指そう

危険物甲 教材

危険物取扱者甲種は、乙種や丙種の最上位資格です。また、出題内容は乙種第1~6類全ての危険物に関する知識と高校で学ぶ化学・物理、そして法令や消火などです。

出題範囲の広さと物理・化学の難易度が高いため、合格率は30%〜40%台で推移しています。勉強方法としては参考書と過去問・問題集を活用して、内容の把握と模擬試験を繰り返す勉強方法がおすすめです。

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甲種のみ受験資格があるので、満たしていない場合は危険物取扱者乙種の資格取得から目指しましょう。

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